短歌現代2002年8月号
第17回新人賞佳作
日常の
皺の中血管が浮かぶ右腕を明かりもつけず祖母は眺めし
長針の上に重なる短針がぶれし瞬間出始めぬ咳
がたごんと咳は止まらず震えたる右指丸めティッシュを掴む
休みなき刻み続ける秒針よ余す時間を教えておくれ
考える人の背中は窪みいて左右に大きく別れていたり
皺々の腕を握りてご近所の祖母の友人帰られていく
悪いとこ自慢をそれぞれ披露して盛り上がりいる祖母の病室
歓声が横へ広がりじんわりとテレビ画面に写りし画像
餌箱に顔おしつけ食すゆえおしり上向き尻尾立たせおり
右足が常に布団を出る癖は我家代々女性の遺伝
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