短歌現代 2001年7月号より

    自転車

自転車を漕ぐ足先に容赦なく夏の陽射しは照りつくるなり


薬局の角を曲がると神社あり鳩ばかりいて人は見かけず


ペダル漕ぐ速さを少し緩めつつ駐輪場に自転車をとめる


フライパンの上に立っている感覚で足を泳がす舗装道路


東歌あずまうた葛飾早稲の発祥地と刻まれた文字を優しく撫でる


‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥


埼玉県三郷市内に万葉集の詠み人知らずの歌碑があります。誰か詠んだかの個人情報は伝わってないけど、作品だけは後世にも残る。


そういうことにも少し憧れる私がいます。

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