第6話 最強の超人たち
「皆さん、今回集まってもらったのは他でもない例の超人についてです」
「あの得体の知れぬ『ナイトメア』のことだろう? ガイアがやられたと聞いた時は相当な騒ぎになったぞ」
「ウチのトーンちゃんの
ここは、正義の超人たちが集う場所。
超人本部オメガのとある秘密基地だ。
そしてそこには5人の人影が居た。
「恐らく現時点で考えられるのは、オメガランキング一桁相当の実力者。つまりウチらと同等の力があるって可能性よ」
「ハッ、オメガランキング11位のガイアがやられたからってそんなこと言ってんのかよ。アイツと俺じゃ比べるのも可哀そうなくらい違いがあるのにさ!」
そう言うのは、机に脚を載せてグラビア雑誌をめくっている無作法な印象を感じさせる男と、対照的に物静かな印象を感じさせる女性だ。
「いずれにせよ見逃すわけにはいかぬ脅威であるということは確かだ。ここは我等オメガランキング上位陣が総出で奴を倒すべきだろう」
「ハッ、お仲間のガイアがやられたからって焦ってんのか? 心配しなくてもテメエらみたいな雑魚が出るまでもなく俺がそいつを片付けてやるよ」
まるで巨大な山を思わせるような男がそう提言する。しかしその発言に対して、そんな言葉を吐く男。すると、声がした方を睨みながら男は言った。
「所詮、熱を発するしか能のない貴様ではナイトメアは倒せない可能性がある。ここはオメガ最強の防御力を誇る『要塞超人』の私が出るべきだろう」
「アアン? テメエ、俺に喧嘩売ってんのかオイ!」
「いくら貴様が『灼熱超人』と言えど、この私の防御を破ることは出来ん。疑うならここで貴様を倒してやってもよいのだぞ?」
「上等だア⋯⋯やってみろオラア!!」
しかし、ここで何者かがパンパンと手を叩く。
「醜い言い争いは止めましょう。私達のすべきことは、未曽有の存在であるナイトメアをどうやって止めるかです。しかし彼の持つ力の実態も分からない状態では、戦っても余計な被害を出すだけでしょう。まずはゆっくり落ち着いて、考えるのです」
中央にいる女性が静かに優しくそう言った。
彼女は眼鏡を掛け、白いローブのようなものを着ている。
「恐らく彼の正体は製薬会社に勤める夜内京一という男です。しかし、普段の様子はとても超人としての素質を感じさせるようなものではなく、無作法かつ無気力、怠惰、遅刻欠勤は当たり前と相当ルーズな方のようです」
「だったらいっそ、その製薬会社に直接乗り込めばいいんじゃない?」
そういう声が上がるが、中央の女性は首を横に振る。
「無関係の人を巻き込むことは私が許しません。それを行えば我々はシグマと同じ、超人能力を武器に一般人に脅威を与えるならず者になってしまうでしょう」
「でも、シグマの奴らはそんなの気にせずにアタックするんじゃないの?」
すると自らを『要塞超人』と名乗った男がそれに対して言う。
「そして昨日の一件の様な事態になるということだ。聞いた話ではシグマのベッタという下級超人と、あの空気超人エアがナイトメアにやられたらしい」
「な、何とあのエアが!! それは朗報と言うべきか否か⋯⋯」
「奴の能力には我々も手を焼いていたのでな。むしろそれに関しては朗報だ」
すると、それを聞いて驚く老人が一人。
そしてそれを聞いた中央の女性は言った。
「では、『アクア』と『ライト』この二人にナイトメア捕獲の任を与えます。二人共オメガランキング6位と8位の実力者。彼らでダメなら四天超人を送りましょう」
「オッ、俺の出番か!」
「黙れメラ。アクアとライトの結果次第だとマリア様は仰っただろう」
そして立ち上がる面々。
そこにいたのは、超人組織オメガのトップ、コードネーム『マリア』と、オメガ最強の超人と謳われる四人の超人、通称四天超人たちだ。
『灼熱超人』メラ。
『要塞超人』キャスラン
『時間超人』クロック
『冷凍超人』フローラ
そして『再生超人』マリア。
正義を統べる超人たちが、ナイトメアに迫ろうとしていた。
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