第11話ついに家元に暇をもらう

師範披露の後1年程経ってから家元に暇をもらった。

理由はいろいろ有ったが、その詳細はこの場では省くが、その後も小笠原強さんとは個人的に付き合いが続いていたし、ようやく実籾の武石インター寄りに家を新築しても訪問していたのである。


まもなく奥様の小笠原益子さんが、癌になったり師匠も病気がちで三弦会の危機が迫っていたように思ったものである。


小笠原益子さんは癌発覚で大学病院で手術を受けたが、まもなく再発してあっという間にお亡くなりになってしまった。


その時の札幌の師匠の落胆ぶりは、はた目にも分かるくらいで会った。


これは個人的な考えであるが、彼女はまだ若く唄も上手く十分に人気歌手に成り得た存在で有っただろうと思えたものだ。


多分、札幌の師匠にも同じ気持ちが有ったように思えてならない。


それと、会員の中に病院に力のある人が居て、是非院長先生に執刀をとお願いしたらしいが、今となってはこれが大きな間違いであったと思うのである。


再発後も家を訪ね家元と3人で会員には出来ない話など諸々話をしたのが心の残る。


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