06話.[あまり残らない]

 朝だ帰ろうと行動したときのことだった。


「あ、開かない?」


 何度やっても開いてくれない。

 立て付けが悪いのかと慌てていたら簡単に向こうから開けられてしまった。


「……悪いな、逃げ出さないようにここで座って寝たんだ」

「なにをやっているんですか……、逃げ出さないって言ったじゃないですか」

「だな、疑って悪かった――って言いたいところだが、いま帰ろうとしていたな?」


 や、約束であるお泊りはしたと説明したが駄目だった。

 こっちの腕を掴んで「帰さないぞ」と渡部先輩が言ってくる。


「寝ぼけているんですか?」

「違う、まだ佐伯といたいんだよ、結局ほとんど喋れなかったからな」

「離してください、帰りませんから」


 はぁ、なにもかも上手くいかないものだ。

 菜緒は翼先輩に怒っているように見えたものの、私を責めたいに決まっている。

 私のせいで2時間も無駄にさせてしまったんだから絶対にそうなのだ。


「おはよー……、ふたりとも起きるの早いねー」

「おはようございます」

「お、ちゃんといてくれたんだ、よかった」


 いや、今回のことでわかってくれただろうからこっちもよかったと考えておけばいい……のかな?

 私を誘うといないときと比べて面倒くさいことになるぞ、と植え付けられただろうから。

 まず間違いなく菜緒は誘わなくていいよと言うと思う。

 それでいい、その方がいいのだ。


「あの、菜緒は……」

「まだ怒っているんだ、僕がちゃんと説得するから気にしないで」


 違う、どうしてそうなんだろうか。

 私が求めているのはそれではないというのに。


「……なんでおふたりとも悪く言わないんですか? 私のせいで時間を無駄にしたというのに」

「俺は元々送り迎えをするつもりだったからな」

「僕も新夜にばかり任せておくのは違うと思ったからね」

「2時間もですよっ? いえ、それだけではありません。誘ってくれたのに断っておいて……結局来るような中途半端な人間なんですっ、普通はそちらから拒絶するものですよっ」


 叱ってほしがるのも自分を慰めるためだって聞いたことがある。

 いま事実だと思った、少しでも楽な気持ちになりたくてこう口にしているから。


「お風呂に2時間ぐらい入る人もいるって知っているからね、昨日のは寧ろ僕たちのせいで急かしてしまったんじゃないかって反省しているぐらいだよ」

「……おかしいですよ」

「そうかな? それに、明日香ちゃんがお泊りとか苦手なのも知っているからね」


 それなのに誘ったんですか? って言いたくなったが我慢。

 私のことを考えてくれているからこその行為だって馬鹿な私にもわかるからだ。


「あっ、朝ご飯は任せてね、昨日任せっきりになっちゃったのも反省しているんだよ」

「あれはっ、ああすれば……みんなを騙せると思ったんです」

「それでもありがたかったから。だからとりあえずはゆっくりしていてよ、その後は帰ってもいいからさ」


 持ってきていた枕に顔を埋めていないとどうにかなりそうだった。

 絶対に損しかないのにどうしてだって叫びたいが、そんなことをしてもより敗北するだけだからやめておいた。


「いきなり複数は難しかったか」

「……1対1ならまだいいんですよ」

「でも、俺とだけとかだったら緊張するだろ」

「しませんよ……」


 翼先輩とだって多分しない。

 菜緒がいて、菜緒の気持ちを知っているからできないだけ。


「相手をしてくれて嬉しいんです、今回のこれだって凄く参加したかった。でも、間違いなく空気を悪くして気を使わせることになったでしょうし、それならって考えてやめたんです」

「佐伯」


 変に顔を見てしまったせいで抑えていたものが出ようとしていた。


「……もっと来てほしいんですっ、寂しいんです、最初は翼先輩や菜緒が来てくれるだけでありがたかったはずなのにあなたが来てくれなくて……」


 だから、せっかく上げた顔をまた埋める羽目になった。

 なにを言っているのか、自分でも本当によくわからない。

 少なくともいま言うべきことじゃない、先輩はあくまで4人で楽しくしたいって言っただけなのに。


「悪いな、佐伯みたいな存在が結構いてさ、なにかしてやりたいって思ってしまうんだよ」

「……はい、わかっていますよ」

「だから毎日必ず行けるわけじゃない、けど、何日かに1回でも行くからさ」

「はい……」

「翼の手伝いでもしてくるわ、できたら呼ぶからゆっくりしていろ」


 ……これでよかったのだ。

 私のこれはただ依存していただけ。

 多くは望んでいないんだからこれでいい。

 その後は翼先輩が作ってくれたご飯を食べて、それからすぐに帰らせてもらった。

 なにも学んでいない、初日のときのことと重ねて恥ずかしくて。

 頭を冷やすために冷水を思いきり浴びたら少しすっきりしたのだった。




「明日香、入るよ?」


 なんだか久しぶりな感じのする父の声。

 なんだか寂しい気持ちがすごかったからこちらから抱きしめていた。


「どうしたの?」

「……なんでもないわ、お仕事、頑張ってちょうだい」

「そのことなんだけど、明日香のお休みの最終日まで帰れないみたいなんだ」

「そう……、それは仕方がないわね」


 大人は関係ないといっても限度がある。

 1日ぐらい休める日があってもいいと思うが。

 その方が効率もよくなるだろうし、なんて言ったところで子どもにはわからない世界なのだからどうしようもない。


「ごめん、負担ばかりかけることになって」

「気にしなくていいわ、気をつけて」

「ありがとう、それじゃあ行ってきます」


 ということはご飯を作る必要はないということか。

 いまの私にとってはありがたい。

 経験したことがないけど、多分これが失恋に似た状態なのだと考えている。


「はぁ……」


 熱を出すことができなかった。

 濡れたうえに、すぐに拭かないでずっと座っていたのに駄目だった。

 いま頃、誰かのために自分の時間を使っているのかもしれない。

 無理だとわかっていたくせに結局は求めてしまっていた自分が気持ちが悪い。


「おはよう」

「お、おはようございます」


 出たらすぐのところに翼先輩がいて慌てて引きこもりたくなったが我慢。


「ごめんね、新夜から聞いたんだ、ちなみに昨日のことも」

「そうなんですか。すみません、また無駄遣いをさせてしまって」

「そんなことないよ、公園にでも行かない?」

「行きましょうか」


 変に拒むとまた私のために時間を使わせてしまうから行かせてもらう。

 でも、これが失敗だった、翼先輩が悪いわけではないが。

 いきなりやって来た菜緒によって頬を叩かれてしまったのだ。

 そのままどこかに行ってしまったため、なにも言えず終いだった。

 出そうになった涙をなんとか抑えて、心配そうな表情を浮かべている翼先輩に大丈夫だと言っておく。


「私が悪いんです、気にしないでください」


 逆に気持ちがいいぐらいには綺麗な1発だった。

 好きな人を独占みたいなことをしていたらそれは気になる。

 私と同じようなもの、こっちはまだ気になっているというところだけれど。


「立っていても仕方がないですから座りましょうか」

「そう……だね」


 先輩には言えていないだろうからこうなるのも無理はない。

 みんなにとって優しいということは特別扱いしてくれる可能性は低いということでもある。

 多分、あの子はこの人と付き合いたいんだと思う。

 それなのに他の人間のところばかりに行っていたらねえ、という感じだ。


「昨日、私は馬鹿なことをしましたからね」

「……だからって叩いていいわけじゃないよ」

「ありがとうございます、本当に優しいんですね」


 おかしいな、いまは先輩の方が暗い顔をしている。


「残念ですが昨日振られてしまいました、一緒にいてくれって頼んだんですけどね」

「聞いたよ、新夜もそのときぐらいわかったって言っておけばいいのにね」

「いいんです、私が珍しく勇気を出してぶつけられたというだけで気が楽になりましたよ」


 たまにでもいい、友達としていられれば。

 先輩の前に立って手を差し出す。

 なにも意味のない行為、それでも何故か引っ張りたかった。


「わっ、ど、どうしたの?」

「元気だしてください。元気じゃない翼先輩なんてらしくないですよ、兄妹で元気いっぱいなのがいいところなんじゃないですか」

「おかしいな、僕が元気づける側だったはずなんだけど……」


 その場に留まろうとしては駄目だ。

 気が滅入るだけ、いいことなんかなにもない。

 私はもう大丈夫だから先輩は気にせずに他のことに集中してほしい。


「菜緒のこと、よく見てあげてください」

「うん、いまは微妙だから早く仲直りしたいかな」

「行ってあげてください」

「うん、行ってくるよ」


 自分が引き起こしたとはいえ、人の心配をしている場合ではなかった。

 大丈夫なんて嘘だ、勇気を出したからこそよりダメージが大きくてどうしようもない。

 父はこういうときに限って最終日まで帰ってこないとか言う。

 ……お母さんがいてくれればこんなときもなんとかなったのに。

 帰ろう、先輩の前では我慢できたのだから。


「……関係ないわ」


 それなら問題もないのだから。




 GWどころか5月が終わるまですっきりしなかった。

 菜緒とは仲直りできていない、行く勇気がなかった。

 正直なところを聞いたのか翼先輩も来ることはなく、私はひとりで学校生活を過ごしていた。


「雨ね……」


 席替えで窓際の真ん中の席になれたのはラッキーかもしれない。

 GWだけじゃなくて普通の平日になっても父の仕事は激務なのか帰ってくる日が少ない。

 今日は6月5日、金曜日。

 そして明日は6日で土曜日だから傘をささずに帰ることにした。

 馬鹿だからそのために筆箱とかそういうのを全て置いて、傘を持っているのにささないという風にして。


「ふぅ」


 凄くほっとする。

 水滴は容赦なくこちらの制服などを侵していくが、これぐらいが必要だったのだ。

 濡れるぐらいがちょうどいい、風邪を引こうが明日はなにもしなくてもいいのだから。


「おい、なにやってるんだ」

「雨も滴るいい女というやつですよ」

「いや、傘を持っているのにさしてなくてアホな女子にしか見えないんだけど」


 どうせアホだし、もう濡れているからどうでもいい。

 わざわざ逃げるようなこともしなかった、そんな気力もないというのが1番正しい。


「菜緒とはどうなんだ?」

「仲直りできていません、来てくれませんから。あとは、行くのが怖いんです、またた――とにかく、このままなら直ることはないでしょうね」


 危ない危ない、叩かれたことを言ったらまた無駄遣いさせることになる。

 この人にはもう細かいことは言わない、迷惑をかけたいわけではないし。


「そういえば翼が行かなくなったな」

「そうですね」

「いいのか? ひとりということなるけど」

「全然大丈夫ですよ」


 いまは勉強をやっているだけで大抵の気持ちはどこかにやれる。


「新夜ー」

「残るんじゃなかったのか?」

「やっぱり新夜と帰ろうと思って、帰ろっ?」

「おう、帰るか」


 前の髪が長い人とは違う女の人。

 先輩はこの前、女たらしじゃないとは言っていたけど、私からすればそのようにしか見えなかった。

 せめてこれだという人を決めてくれればもう少しましになるのだが。


「はぁ……」

「……明日香ちん」

「駄目じゃない、傘をささなければ」


 私も彼女も物好きなのかもしれない。

 悪く言えば馬鹿なのかもしれない。


「それを明日香ちんが言うの? びしょ濡れだよ?」

「たまには濡れたいときもあるのよ、だから風邪を引こうがどうでもいいの。誰かに迷惑をかけるわけじゃないわ、どうせ唯一の家族である父は仕事でいないし、全て自分でやらなければならないんだからね」

「私も濡れたかったんだ、もうなんかどうでもよくなっちゃって」


 唯一設置してあるベンチに座ってふたりで話した。

 私たちはいまだけはよく似ている。

 届かないことすらも似ているのだ。


「私は翼さんが好き」

「ええ」

「この前、明日香ちんを叩いた日に告白をしたの」

「そうだったのね」


 告白できるなんて普通にすごい。

 私にはできない、したって悲しい結果にしか繋がらない。

 寧ろ頑張れば頑張るほど、ダメージが大きくなる。

 だからこのままでいいのだ。

 ……そう言い聞かせて、言い聞かせ続けて私は過ごしている。


「そうしたらさ、1ヶ月経過しても残っていたら受け入れるって言ってくれたんだ」

「それじゃあ、もうそろそろじゃない?」

「うん、そうなんだけどさ。確かに私は好きなんだけど、なんか苦しそうに見えるんだよ」


 義理なら付き合うことも結婚することもできる。

 けれど、翼先輩からすればあくまで菜緒は家族なのかもしれない。

 大切な家族、優しく迎えてくれた年下の女の子、だけどそれを超えることはないと。


「あれから明日香ちんのところに1度も行っていないでしょ?」

「そうね」

「多分、私が叩いたのを気にしているんだと思う。あとは多分、明日香ちんが好きなんだよ」


 もしそうならどれほどよかったか。

 もうどうにもならないから受け入れて忘れる、なんてこともできたはずなのに。

 最初は捨てるためでも先輩が相手なら楽しくやれることだろう。

 でも、駄目だ、あんなにいい人を利用してはならない。

 それにそもそも菜緒が好きな人だ、離れているいまが絶好の機会だろう。


「そんなこと言わないの、不安だと言うなら振り向かせればいいのよ。あなたは好きな人からチャンスを貰えたの、それだけで本当にありがたいことなのよ? 羨ましいわ、1ヶ月間気持ちを抱え続ければ受け入れてもらえるなんて本当に」

「……新夜さんは駄目だって?」

「まあ、そういうことになるわね、なんとか自分の中で言い訳をして過ごしているわ」


 いまは授業以外はとにかくなにもしたくない。

 こうして相手ぐらいはするけれど、自分から行ったりすることは絶対にない。

 この子も明るくなければ駄目なのだ、そのために偉そうだとしても言わさせてもらった。

 矛盾まみれの人生だから変わることはすぐにある、仕方がないことだ。


「ごめん、変なこと言った! 私は翼さんが好きなんだから一生懸命になる!」

「ええ、頑張ってちょうだい」


 握手を求めてきたので握ったらいい笑みを浮かべてくれた。

 それからたたたと走って公園を出ていき、ずぶ濡れの女ひとりになる。


「ここにいたのかっ」

「いまから帰りますけどね、菜緒とも仲直りできたので」

「そうか、それはよかったな。それよりも、だ、これを着とけ」

「いいですよ、家までもうすぐですから」


 すぐに返して歩き出す。

 苦労するだろうな、先輩を好きになった人は。

 この前の髪が長い人も、先程誘ってきた人も、見たことがない人たちも。

 ま、すんなり上手くいかれても複雑だからそれでいい、……ざまあみろって言いたい。


「腹の部分が透けてるんだよ」

「いいですよ別に、胸もありませんですしね」


 透けてたからなんだという話だ。

 ここら辺りは通行人とも全くすれ違わない。

 相手にとって不快になるということもないだろう。


「俺の家に来ないか?」

「勘弁してくださいよ、さすがにこれ以上は風邪を引いてしまうので」

「だったらそんなことするな、前のじゃ不満だったのか?」


 この人は自分中心で回っていると考えているところがある。

 そして実際に周りは先輩を漫画の主人公みたいに扱うと。

 そうしたら勘違いしてしまうのも無理はないのかもしれない。


「また来週にでも、来月にでも会いましょう」

「俺がさっき違う女子を優先したからか?」

「はい? 自意識過剰ですね、気をつけた方がいいですよ」


 ――転びそうになったところを腕を掴まれたことによってなんとかなった。

 他の部分が濡れているからなのか、先輩の手が凄く熱く感じる。


「佐伯の家に行く、いいだろ?」

「なにもありませんよ? それでもいいならどうぞ」


 とりあえずお風呂。

 この前みたいに長時間入っても意味はないから約10分でリビングまで戻ってきた。


「おかえり」

「はい。それで、女たらし先輩はどうして来たんですか?」

「辛辣だな……」


 扉の前に座っているから物理的な距離がある。

 精神的な距離はこれ以上離れているから本当ならもっと離れるべきではある。

 残念ながらこれ以上は無理だから諦めていた。


「何日かに1回じゃ嫌なのか?」

「もう解決しましたよ。仕方がないですからね、逆に来なくてもいいぐらいです」


 なんとか頑張って整理しているときに来るから嫌だ。

 意地悪だ、無自覚でその気にさせて、その人間が本気になれば離れていく。

 幸いだったのは私がまだ好きにはなっていなかったこと、恋に落ちてはいなかったこと。

 もし自覚した後だったら、冗談抜きで引きこもっていたと思う。


「今日の人も美人でしたね、ハーレムですか?」

「違う、相談に乗ってやっただけだ」

「相談を持ちかけられるってすごいですね、それでその後気に入られて近づいてもらえるってすごいです」

「わざと言ってるだろ」


 誰にも求められないからそう言っただけ。

 先輩は嫉妬しているとか考えているのだろうが、そうではない。


「実際に告白されることは多いけどな」

「すごいですね」

「でも好きになってやれるわけじゃないからな」

「いいじゃないですか、とりあえず受け入れてあげれば。そこからきちんとその子のために考えて動いて、それで好きになればいいんですよ」

「そんなの失礼だろ」


 よっぽど複数人に甘い顔を見せている方が失礼だ。


「好かれたくないなら優しくすることはやめることですね」

「そういうことのためにしているわけじゃないからな」

「渡部先輩の自由ですからね、そうじゃないということなら続けたらいいと思います。でも、その度に数多くの女の子を騙しているのと同じだということも、きちんと把握しておくべきだと思います」


 格好いい人が優しくしてくれたら意識してしまう。

 こんな私でも、いや、否定しかされてこなかった私ならなおさらそう。

 先輩からしたら勝手に期待、勘違いする方が悪いと言いたくなるかもしれないが、嫌ならやめるべきだ。

 その方が間違いなく早い、そして人間はなにもしてくれない人の側にはあまり残らない。


「話はそれだけです、帰ってください」


 これも意味のないこと。

 代弁したつもりになったってその人たちからすればなんだこいつとしかならないからだ。

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