リアルタイムアタックで世界を取るよっ!6
「ねえ。次は何を教えてくれるの?」
のぞみは新しい事を覚えるのは嫌いじゃないから、ゲームの知識をどんどん教えてもらうのはすっごく楽しい。
「では次は外で特訓でおじゃる」
「別にいいけど、何でゲームの特訓なのに外でやるの?」
「マロは実践派でおじゃるからな。それに攻略情報を説明するだけの展開とか、まったく面白くないでおじゃろう?」
「た、たしかにそうかもしれないよ!?」
「ならばすぐに行くでおじゃるよ」
「わかったよ!」
のぞみはすぐにお出かけの準備を始める事にして、帽子を被ろうとしたら――――。
「にゃ~ん」
と、甘えた声をあげながら、ごんすけがのぞみの頭に飛び乗ってきた。
「ん? 今日は久しぶりに外で散歩する?」
「にゃん!」
「よ~し。じゃあ今日は一緒に行こっか」
てな訳で、久しぶりのごんすけとのぞみのお出かけターイム!
それからのぞみ達は大納言の案内で駅へと向かって、そのまま電車に乗り込んだ。
――――そう言えばちょっと前に桜ちゃん達と列車旅行をした事があったっけ。
あの時は謎の秘密結社とゲーム大会をしたりいろいろ大変だったけど、新しい友達が出来たりご当地お菓子を沢山食べたりして楽しかったなぁ~。
今度は豪華客船でゲーム大会とかやってみたいよ。
「そう言えば、まだ着かないの?」
一応、到着時間を確認してみる。
「だいたい一時間くらいでおじゃるな」
「そんなにあるの? ――――ふぅ。お菓子を持ってきて良かったよ」
のぞみは持ってきたカバンのボタンを外すと、子猫がピョコンと顔を出してごんすけ登場。
「にゃん?」
「もうちょっとかかるみたいだから、後ちょっと待っててね」
ごんすけの頭を軽く撫でてから、カバンを窓際の椅子の上に外の景色が見える感じで置く。
ずっとキャリーバッグの中にいるもの退屈そうだし、景色でも見ててもらう事にしよっと。
それからのぞみは自分のリュックからポテチとモンエナを取り出して、のぞみ特製スーパー最強ギャラクシーコンボセット完成!!
「いただきまぁ~す」
早速いつもみたいにポテチを手に掴めるだけ掴んでから、モンエナで一気に流し込む。
くぅ~。このコンビはずっと食べてても飽きないから、一時間とかすぐに経っちゃうよ。
「大納言も食べる?」
「いいんでおじゃるか? では少し拝借おじゃ」
てなわけで、大納言もポテチの袋に手を伸ばして一緒に宴タイムスタートっ!
「ところで、なんで今更マロの弟子になろうと思ったでおじゃるか?」
「ん? 前も言ったけど、あの番組が大好きだからだよ!」
本当にのぞみはあの番組が大好きで、他に理由なんてないのだ。
「それに、のぞみがゲームを始めたのは小納言のRTAを見たからなんだ」
――――そう。
のぞみがゲームを始めたのは大納言が小納言だった時のゲームプレイを見たからだったんだ。
実は昔の大納言は顔を白く塗って無かったし喋り方もおじゃる口調でも無かった。
つまり全く普通の人だったんだけど、毎週テレビで新記録を求めてひたすらにゲームをする姿勢が凄く格好良くて、のぞみはテレビから目が離せなかったんだ。
番組が人気になるにつれてどんどん衣装がグレードアップしていって、2年くらい前から今のゲーミング大納言スタイルになった感じだったっけ。
ちなみにのぞみはどっちのスタイルも大好きだよ!
ゲームを始めてからは友達も増えたし、ポテチが更に美味しくなって沢山食べるようになったし、エナジードリンクを飲む量も倍以上になって毎日がすっごく楽しくなったのだっ!!!!
だから大納言にはずっとゲーミングチャレンジを続けて欲しいし、その手助けをのぞみやごんすけが出来るんだったら全力で手伝いたい。
「あれ? もう空になっちゃった」
いつの間にかポテチが無くなっちゃってたよ。
食べるスピードがちょっと早かったのかなぁ~?
「まあいっか。2個目あ~けよっと」
さっそくカバンから2個目のポテチを取り出して食べようと思ったんだけど、ここで緊急事態発生!?
「ああっ!? ポテチの予備が後1個しか残って無いよ!?」
ごんすけの猫用キャリーバッグがちょっぴり大きめだったから、荷物を減らす為にのぞみのリュックは小さめのにしたんだけど、そのせいでお菓子があんまり入らなかったのを忘れちゃってた。
「う~ん。流石にこっちは帰り用に取っとくしか無いかなぁ……」
残念だけど行きの電車でお菓子を全部食べちゃったら帰りが大変な事になるから、のぞみは渋々我慢する事にした。
モンエナはまだ結構残ってるから、後はモンエナで何とかしないと。
何気なくごんすけの様子を横目で確認すると、景色を眺めるのに飽きちゃったのかキャリーバッグの中で丸くなって寝ちゃってた。
そんな感じで後はまったりと電車に乗って目的地へと向かって、数十分後―――――。
「ついたでおじゃる」
のぞみ達は凄く大きめの空き地に到着したのだっ!
「お~。かなり広いねぇ~」
え~っと。だいたい学校の運動場くらいの大きさかな。
現在空き地にはのぞみ達以外の人の姿は無くて、まるで貸切状態みたいだよ。
空き地の中には樹で出来た遊具みたいな物が何個か設置してあって、直接太陽の光や雨にあたらない為にビニールが覆い被されてる。
「ではこれを使ってトラップ対策の特訓をするでおじゃる」
「ふっふっふ~。トラップマスターのぞみにかかれば余裕だよっ」
「にゃ、にゃ~ん」
「あっ!? ごんすけを出してあげないと」
キャリーバッグのボタンを外すと、ごんすけが顔をひょこっと出して周辺の様子を確認してからジャンプ!
それからシュタッと100点の着地をしてから、走り出しちゃった。
「あんまり遠くに行ったら駄目だよ~」
「にゃん」
のぞみの呼びかけに一瞬だけ振り向いたごんすけは、「わかってるよ」って感じの鳴き声を返す。
まあそんなに遠くには行かないと思うし、迷子になるなんて事は無いと思うよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます