第2話 ほっぺ

 それからしばらくして授業が始まった。

 一限目は歴史。ちなみに言うと俺は勉強が苦手だ。でも、典型的なやればできる系のタイプ(だと思ってる)。

 月曜の朝ってのもあって眠いしやる気が出ないな。頬杖ついて仮眠とるかな。おじちゃん先生だしなんとかなるやろ。


 ********


「はーなみやくんっ! あそびましょ!」


 宮園がほっぺをちょんってしてくる。その指先から肌が綺麗なのが伝わってきた。やっぱり女の子ってお手入れとかしてんだなあ。


「ねぇねぇ、無視?」


 ほっぺを膨らませて抗議を申し立ててくる。


(てかなに?この可愛い生き物は、ほっぺつついていいかな)


 つんっ。

 ぷしゅー。

(あ、しぼんだ。かわいい。)


「うちほんとに怒ってるんだからね」

 またもやほっぺを膨らませる。


「遊んでよー」

「わかった!! 遊ぶから!!」




「おーい、花宮くん? 」



 ********



 はっ、夢だったみたいだ。

 夢見てる時は夢だって自覚できないからな。なんか変な気分。俺だって男子高校生。夢の中でキャッキャウフフな展開にしたかったわ!


「花宮くん。今授業中だよ。遊ぶって言ってたけどどんな夢見てたの? 」


 宮園がコソコソと話しかけてきた。夢のことを思い出し、宮園と重ねてしまったあまりに照れてしまう。リアルならほっぺつんつんはまずダメだよな。自分でも赤面しているのがわかるくらい顔が熱い。


「顔赤いよー。あ、もしかしてエッチな夢?」

「今は授業中なんですけど」


 俺は冷静なフリをして、話を逸らした。あいつのペースに持ってっちゃっダメだな。危ねぇ危ねぇ


「なっ! 寝てた人がそんな事言う?!」

「宮園うるさいぞ」

 先生がすかさず注意した。

「はい、すいません」

「くくく、怒られてやんの」

「くぅー (悔しがる様子) 」

「あと、花宮も。お前さっきまで寝てたろ。これ終わったら課題出すから職員室こいよ」

「え、うす、わかりました」


 クラスで笑いものにされる2人。

 当人はどちらも恥ずかしさで沸騰寸前だった。


 ********


 授業後。


「ねえー。花宮くんのせいで笑いものにされちゃったじゃん」


 あ、ほっぺ膨らましながら怒ってる。楽しそう。つつきたいな。爆発させたい。

 芸術はなんとやろというだろ。

 しかしさすがにもっと怒られるから自重した。


「笑いものだけならマシだろ。俺なんて課題出てんだぞ」

「それは自業自得。全く。私先生の間ではかなりの優等生で通ってるんだからね」

「それ自分で言う?」

「そういう風に頑張ってるもの。損益考えず優等生になる人なんていないと思うわよ」

「さいですか」


 あ、蒼太がこっち来てる。にやにやしてるからからかってくんなこいつ。構わないようにしよ。


「よお、お前ら。授業中に何やってんだよ。」

「あ、中山くん。ちょっと聞いてよ」

「え、なになに?そんなことがあったのか」

「私何も言ってないけど? 」

「ごめんごめん。そういうお約束」

「はあ」

 宮園は首を傾げる。


「そういやお前。課題取りに行けよ。言いつけられて担任にどやされるぞ」

「あー。りょーかい」


 最悪。ゲームの時間潰れちまう。

 中山と宮園は俺についての愚痴言ってるらしい。まだ聞こえてるんだが。




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 2話目投稿!


 わたくし、ダチョウは絶賛受験期なんですよね。息抜きに書いてるわけなんですが、こんな高校生活送りたいっていうほぼ妄想。


 授業中にイチャイチャするの夢なんで叶えたいなぁ

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