第2話 ほっぺ
それからしばらくして授業が始まった。
一限目は歴史。ちなみに言うと俺は勉強が苦手だ。でも、典型的なやればできる系のタイプ(だと思ってる)。
月曜の朝ってのもあって眠いしやる気が出ないな。頬杖ついて仮眠とるかな。おじちゃん先生だしなんとかなるやろ。
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「はーなみやくんっ! あそびましょ!」
宮園がほっぺをちょんってしてくる。その指先から肌が綺麗なのが伝わってきた。やっぱり女の子ってお手入れとかしてんだなあ。
「ねぇねぇ、無視?」
ほっぺを膨らませて抗議を申し立ててくる。
(てかなに?この可愛い生き物は、ほっぺつついていいかな)
つんっ。
ぷしゅー。
(あ、しぼんだ。かわいい。)
「うちほんとに怒ってるんだからね」
またもやほっぺを膨らませる。
「遊んでよー」
「わかった!! 遊ぶから!!」
「おーい、花宮くん? 」
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はっ、夢だったみたいだ。
夢見てる時は夢だって自覚できないからな。なんか変な気分。俺だって男子高校生。夢の中でキャッキャウフフな展開にしたかったわ!
「花宮くん。今授業中だよ。遊ぶって言ってたけどどんな夢見てたの? 」
宮園がコソコソと話しかけてきた。夢のことを思い出し、宮園と重ねてしまったあまりに照れてしまう。リアルならほっぺつんつんはまずダメだよな。自分でも赤面しているのがわかるくらい顔が熱い。
「顔赤いよー。あ、もしかしてエッチな夢?」
「今は授業中なんですけど」
俺は冷静なフリをして、話を逸らした。あいつのペースに持ってっちゃっダメだな。危ねぇ危ねぇ
「なっ! 寝てた人がそんな事言う?!」
「宮園うるさいぞ」
先生がすかさず注意した。
「はい、すいません」
「くくく、怒られてやんの」
「くぅー (悔しがる様子) 」
「あと、花宮も。お前さっきまで寝てたろ。これ終わったら課題出すから職員室こいよ」
「え、うす、わかりました」
クラスで笑いものにされる2人。
当人はどちらも恥ずかしさで沸騰寸前だった。
********
授業後。
「ねえー。花宮くんのせいで笑いものにされちゃったじゃん」
あ、ほっぺ膨らましながら怒ってる。楽しそう。つつきたいな。爆発させたい。
芸術はなんとやろというだろ。
しかしさすがにもっと怒られるから自重した。
「笑いものだけならマシだろ。俺なんて課題出てんだぞ」
「それは自業自得。全く。私先生の間ではかなりの優等生で通ってるんだからね」
「それ自分で言う?」
「そういう風に頑張ってるもの。損益考えず優等生になる人なんていないと思うわよ」
「さいですか」
あ、蒼太がこっち来てる。にやにやしてるからからかってくんなこいつ。構わないようにしよ。
「よお、お前ら。授業中に何やってんだよ。」
「あ、中山くん。ちょっと聞いてよ」
「え、なになに?そんなことがあったのか」
「私何も言ってないけど? 」
「ごめんごめん。そういうお約束」
「はあ」
宮園は首を傾げる。
「そういやお前。課題取りに行けよ。言いつけられて担任にどやされるぞ」
「あー。りょーかい」
最悪。ゲームの時間潰れちまう。
中山と宮園は俺についての愚痴言ってるらしい。まだ聞こえてるんだが。
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2話目投稿!
わたくし、ダチョウは絶賛受験期なんですよね。息抜きに書いてるわけなんですが、こんな高校生活送りたいっていうほぼ妄想。
授業中にイチャイチャするの夢なんで叶えたいなぁ
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