第16話

 次の日、白菊と雑談をしている時に設定に付いて掘り下げて聞いてみる。

「白菊、サキュバス=インキュバスって本当か?」

「……私が男やそれに準ずる者だ、とでも言いたいのですか?」

「いや、別にそう言う訳じゃ無いが、精神的には女と言う事で良いのだよな?」

「変身できるから見た目上の性別が何方にでも成れる=男……と言うのは割と暴論ですが、その理屈が正しいなら無制限な内容の変身能力持ちも基本的に性別不明枠ですよ。あくまでも何方の形態に成る事も出来ると言うだけですから」

「それなら良い、それなら。さて、なんか能力アップデートしたいのだが良いか?」

「……まだ盛る気ですか?」

「サタナキアの件みたいに女性メタ能力メタを仕込んでおきたいと言うだけ」

「……つまり、両性存在にでも成れと言う事ですか?流石にそれは……」

「いや、根幹レベルで俺を君に混ぜる事で男扱いも出来るようにする。それで女性メタ能力に男性として戦える様にする。だから根幹的な意味での融合をしようと言う訳」

「……やる内容的に最早性行為どころの騒ぎでは無いですが、……実益が有る事なので良いですよ、別に。それをしなくても男性を貴方が他にも創り、そう言う奴への対策をさせる……とかすれば済む気がしますが、それでもしたくは無いのでしょうし」

「ありがとう。じゃあやるか。あ、それと、通常兵器への耐性も盛って置くか?」

「物理耐性を極限まで積むと通常の性行為とか何も物理的には感じなくなりそうですね」

「……まあ、そうなるな。ちょっとやそっとの行為では快楽を得るに足る刺激がそもそも得られなくなりそうだし。なら条件付きの耐性にでもする?」

「それはメタ視点的には判定詐欺をされるだけです」

「よしなら俺が力で適宜やりたい時だけ調整しよう」

「……それで私を調整する間も無く貴方が力を失う検案でも起きよう物ならそれ以降は貴方でも私を気持ちよくさせるのは出来なくなるけど良いのですか?」

「それは勘弁……どうしたものか……よし、思い付いた。まあ、他人にバレたらアレだから公に詳しくの説明はしないが、セーフティを組み込む。これなら行けるはず」

「私にセーフティを組み込む、ですか。メタ的には崩される物ですが、だから公表はしない、と。はい、それで行きましょう。まあ、詳細な説明をされなくても前提的な意味で創造主としての力を失った際に如何にか出来る内容でないとアレなのは分かりますが……」

「だな。但し、俺が創造主としての力を失った際に破れる物で無いといけないと言う前提なら、力がある内はセーフティに常時バフでも掛けて置いて、常時は創造主クラス以上で無いと破れない奴にはする。現状は創造主クラス以上の奴がすぐさま敵対する話は無いから現状ならこれで良い」

「それで創造主クラス以上の奴が来たらどうしますか?」

「まだその段階じゃ無いからその段階に成った時に考える。……まあ、白菊が快楽を感じる検案が全部俺依存で良くて、俺が力を失いでもしたらそれ以降は快楽自体要らないとか言うなら話は別だが流石にそう言う訳にも行くまい」

「私を貴方専用みたいに成らせるのはアレですか?」

「……悪くは無いがIFを考えるとミス後の流れが無残過ぎるので、やらない」

「そうですか……まあ、良いです。お願いします」

「それじゃあ調整するぞ」

 そしてさらに調整を行った。



 とりあえずシュライクが治療を終えたので、皆を集め話し合う事にする。

「さて、至近でやるべき事は大体終えた気がするから、本格的に自分の自由に出来る世界を作りたい所だが、どんな物にしようか」

 シュライクがそれに対して具体的な内容を求めた。

「水霧、そう簡単に言うがね、世界の成り立ちから何から何まで決められるのだろう?なら科学が進歩する前の世界予想地図的な世界だって創れるはず。どんな世界が創りたい?」

「……シュライク、あー、そうか、海の向こうが断崖絶壁的な世界でも問題無いのか。どんなのが良いかね」

「後、一から世界を成長させるか、それともある程度出来上がった世界を最初から創るか」

「……自由に世界を造れるが故に決める事多いな。まあ、一から世界を成長させるのは時間の流れを変えないと成果物の恩恵を得られるのは何時に成る事やらだからある程度出来上がった奴を最初から創ろう」

「なら世界の形はどうする?」

「地球と似た感じで良いとして、なんか良いのが無いか調べる。少し待て……お、地殻変動中の昔の大陸名にパンゲア大陸と言う物が有る。大陸の形は三日月に色々と付け足した物、だ。世界名をパンゲアにして三日月状に大陸を創ろう」

「三日月型の大陸、か。うん。良いとは思う。領土が足りなく成った後に埋立地を造る際に形が崩れるから地続きに造るとアレだけど」

「それはまた地殻変動か何かでもして別に追加で作るから……ま、単一大陸だと弱い動物の避難出来る土地が無いから棲み分けが難しい的な意味でアレだけど、それはまあ創造主としての力を使い何とかする」

「……問題が有ると解った上でその形にするのか?」

「問題が先に解って居るから創る上で如何にかすると言って居るのだが」

「それなら良いが、なら次だ。世界で生息する奴はどうする?それとも土地だけ創って全部只の領土にするか?」

「……自由に世界を構築するなら、何なら只の奴隷種族とかを創っても良いのだよな?」

「水霧、ジャンナとか天国の中に仕組みとしてそう言う事をさせる例が無くは無いが、流石に人権保護していますとは言えないだろう。それに極端な事はさせるのは、不味いぞ」

「だよな、流石に言って見ただけだ。……各種の奉仕をする事が至上の喜びの種族とか創れば例え傍から見れば奴隷や虐待でも本人側からすればハードSMされているだけみたいな感じにも出来るけど、傍目からすれば流石にヤバかろうし」

「……世間体とかを気にするなら、マイナー的な内容は全部論外だが、……世間体ガン無視する上で自由に造れるなら依存性やデメリットの無い絶大効果な麻薬的な物でも創ろうぜ。下手な娯楽を創るよりかは余程需要が有る」

「麻薬を使った後遺症とかのデメリットを全消しした効果の高い麻薬、か?……体に実害出なくとももっと寄越せとは間違いなく成るだろ、それ」

「水霧、なら何かしらの報酬にそれをすれば良い。それを貰う為の課題は皆が進んで熟してくれるだろう」

「……デメリット無しの麻薬を餌に皆を働かせる、……か、創作で似た例を見た事は有るが、それを導入した団体はそれ欲しさに構成員の治安がかなり悪く成って居た様な……」

「水霧、そうだとは言え、問題点を潰した物を創れば良いと言う事が出来るのは大きい。そうだな。年に数回だけ個々に特定量配る(犯罪者除く)と言うのはどうだろう?

「良いんじゃないか?」

「只、それの効果が絶大で有れば有るだけ犯罪の抑止力に成るが、……それだと強奪犯が出ない保証は無いから、それよりも年の内に何回かだけ貰える権利と物を特定の場所で管理者側が管理して、その特定の場所以外への持ち出しと使用厳禁と言うのはどうだろう?」

「いいね!強奪犯が管理所に襲撃し無いなら、だが」

「なら水霧が直々に管理すれば良い」

「シュライク、まあ、そうなるな。外部の神とかが奪いに来る原因の物に成る気もするが」

「……それをして強奪を成功出来る奴がわざわざ奪いに来るパターンとか……戦うのは出来ても造るのが出来ないパターンじゃ無いと自前で創れよ……と、成らないか?」

「それはまあ、専門分野外の事を要求されたらしょうがないだろ……」

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