第14話

 さて、調整を行う中で時間の流れを夢の中だけで変えて子供らを自衛が出来る状態までしてしまおうと言う案を話す。それのデメリットも含めてさ。すると白菊が返答として。

「水霧、それは一度で全部の時間を飛ばそうとするからの話です。ですから、何なら一週間だけ飛ばしてから出て会ってまた時間を進めての繰り返しを延々と繰り返せば週一で会うくらいの感覚の状態には出来ますよ」

「……うわ……見落とししたらヤバイ内容だったわな、これは」

「それに出来るだけ早い方が良いだけで、あくまでも何時行方不明者扱いを取り下げるかの期限も無いので、それくらいならまだ何とかなる範囲かと思います。外的要因で干渉された場合も夢空間の中での一週間凌げば外から介入が可能に成りますし」

「解った。じゃあそうしよう。あ、ならやる人員を当番制で変えても良いかもしれんな」

「それ良いですね。じゃあやるとしましょう」

 ……正直な話、思う事が有る。週一で会う恋人同士とかデートなり何なりし無いとアレな気がするが、……時間の流れを加速して無い方に残る側からすればわざわざデートをするのは時間加速が無い的な意味で頻度がアレだとして、でもそれでもやるとしたら内々で済ませられる物で終わらすなら、家デートとか、軽い性行為とか辺りか?……これ、外に残る側は絶倫じゃ無いと不味く無い?いや、やる事を性行為に拘らなければ良いだけなのだけども。……システムで定期的に白菊に俺の作為で快楽が行くようにするか?いや、有事の時にそれが発動すると邪魔的な意味でアレだな。うーん。まあ、それは話し合って決めるか。そして詳しく話し合った後、ヴィシュヌ様がテレパスで話しかけてくる。

『これを彼女らにやらせれば設定云々での年齢じゃ無くて、実際の生まれてからの年数的な意味でも彼女らは二十歳を少し下回るくらいに成る。だから少なくともロリコン呼ばわりは無く成る』

『……ヴィシュヌ様……システムで設定された年齢じゃなくて、システムで生まれてからの年数とか、気にしている人はそんなに居ませんよ。どれだけ年齢を重ねた人が好きでもロリコン呼ばわりに成る理屈ですし』

『システムで人格とか思考力とか見た目が水霧に与えられただけの赤ん坊じゃ無く成ると言う意味では良いのでは無いか?』

『……ヴィシュヌ様、そりゃあ見方を変えれば赤ん坊を犯して居るのと変わらないと言う意味ではアレだったのかも知れませんが、人格はちゃんと最初から形成されていますし』

『召喚してからの初期で彼女らを犯して置いてよく言うよ』

『……それは状況的な都合在りきですから、それだけを切り出すと語弊が有るのですが』

『まあ、ならそう言う事にしておこう』

『……ヴィシュヌ様、今回の話は妨害が入ったら助けてくださいよね?』

『まあ、今回に付いては良いだろう。何時までも本来必要無いごたごたに手間を掛けさせてもアレだからな』

『じゃあやりますので手伝いお願いします』

『了解したじゃあやろうか』

 そして諸々の調整を行い、夢空間内の時間加速を行う事にした。時間加速でアレコレを行い、週一で顔合わせをしつつ育成した結果子供らが得た力を一人分だけ述べよう。正確に言えば白菊自身の子供だけね。能力の原型はエイシェト・ゼヌニム。能力は呪いと魂を食らう事で己の強化を行う。アカン……能力が邪神枠だ、これは。対呪い系能力としてみれば有能だが、この能力を使い強く成りたければ散々自分が呪われる状況の方が都合の良いタイプの能力だし……なんか元ネタがサマエルの嫁でサキュバス区分の奴みたいだし、扱い上は能力がサキュバスらしくないが、一応、サキュバスと言えばサキュバスらしい。……まあ、育て方失敗すると不味いだろうが、能力は呪い系を破壊してくれる要因として運用してくれれば良いやという感じ。……今後邪神枠に成らない事を祈る。まあ、サキュバスそのままの奴が出て来ても白菊とネタ被りするから違う能力を持つ奴だと言う事は良い事だとは言え、やばい奴が出て来たよなとは思う。他の子達に付いては……と、その子の名前を言う事を忘れていた。白菊月夜しらぎくつきよなのだそうだ。他の子の言及はまた追々、ね。取り敢えずその子達と会話をして、事情を説明し、最初に与えた名前とは別名を名乗って貰う事にするが、……まあ、当然彼女らからの好感度なんて高くはない。まあ、育児を他の人に大幅な期間丸投げして居たのだ。白菊とか育児をやって居た人らの好感度が上がりこそすれ、俺側への好感度なんてそりゃあ大して高くは無いだろうから、それは都合上割り切る事にする。



 俺はクトゥルフ神話に付いては詳しくは知らないが、そもそもクトゥルフ神話には絶対の設定と言う物が存在しない為、造り手側次第である程度設定は可変する。故に此処ではこうだったから此処でもそうで有るはずだ……と言う理屈は前提と成る参照元が違えば簡単に破綻する。要するにテンプレ設定に応じた決め打ち対策をしたら普通に足元を掬われかねないと言う訳だ。此処の話に置いてクトゥルフはそもそも肉体が封印されていると言う事は共通な様だが、元ネタは参考以上に頼る事はやめた方が無難で有るとは思う。脳波を飛ばすと言う能力に付いては肉体が封印されている代わりの行動手段としての精神体と言う分身を造る上での前提と成る物だと思われる。それで造られる精神体は有名ゲームでもよく名前の出るベヒモスやダゴン、後、リヴァイアサン等が含まれており、此処に置いては恐らく脳波で造られるはずの精神体と言う性質上、恐らく物理無効がデフォルトで備わっている。後、恐らくは前提的に見た奴のSAN値を削るバシップか何かの能力持ち……ん?先に話の出たアサグが類似能力持って居たよな……なんかやばい気がするが、今は反省点からして全員を強化する事を優先しよう。まあ、バシップの内容が内容だ。持つ奴全員がそうだと言う訳では無いにしても、見るなり何なりでSAN値削りが発動する奴を警戒しておけばノーヒントよりは他と簡単に見分けが付くだろう。まあ、後出しじゃんけん的な意味で特定メタガン積みをすると山は外れるだろうから、先ずは万遍無くの耐性上げから、かな。助ける余地も無く即死されたらアレなので、そうならないための。……只、後出しじゃんけんで新しい物を作られたらそもそもその前の時点での時点の想定の中には含まれていない的な意味で、完全では無いからね。調整を行い、底上げでもして行こうかね。

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