第4話
さて、水霧が本当に寝た訳だけど、私はどうしましょうか。正直な話、子供らはちゃんとした教育は受けさせていますが、……それでも多分通常の食料関連の重要性とか余り解って無いと思うのですよね。個人単位での食料問題を解決する為の能力を幼少期から持つので、通常の食料を軽んじても可笑しく無いと言うか何というか。まあ、食事を取る事が必要無い人でも娯楽として食事を取る例も存在はしますけど、生きる為に食料を外部から得る必要が無い上、能力で特殊空間を永続的に出せるなら住処にも困らない。更に娯楽も能力で好きな内容の夢でも見れば良い。つまり、外部の物を欲しがらなければ働く必要性は皆無……まあ、自前で全部完結出来る環境だから何とか成る状態だとは言え……子供らの前提と成る価値観が他とに比べてずれそうな感じはします。何せ娯楽目的以外の目的で働く必要が無いので、まるで用途の限定された宝くじの高額当選者の亜種みたいな物、と、考えると解ると思います。……まあ、アレですよ。宝くじの高額当選をしたので豪遊をしまくり、その結果としてお金を使いすぎて逆に破産するみたいな感じに成って貰っては困りますし。あくまでも不労所得では無く、能力でそうして居るだけなので、能力を失う展開に成ったらアレな事に成りますからね。……そう言うのは言い含めておかないといけませんからね……さて、子供らの相手でもしに行きましょうかね。
☩
そして翌日。少し考え込んでみる……ヴォジャノーイ、か。現状だと嵐環境下の影響を緩和する止まりだが、最終的には無効化に成るとして、現象としての嵐を構成する物を無効化出来るなら、水系、風系、雷系。細かい定義が何処迄及ぶかにもよるが、風で飛んだ瓦礫とか土砂崩れとかも対応内容に含むなら土系(金属含む)後、衝撃耐性も、か?ま、現状だとあくまでも緩和止まりだけどね。……後、対応外の奴の対応手段も考えておかないとアレだな。そして更に考え込もうとした所でアーバーンに話しかけられる。
「白菊から予想を聞きましたが、ヴォジャノーイ、ですか」
「そうだな。それがどうした?」
「仮に全部の無効耐性を付けたらそいつって常時の感覚的にはどうなるのかしら?」
「……うーん……正確には違うだろうけど、感覚的には全方面に渡る極度な不感症って奴に成る、の、かな?何をされようが碌にダメージに成らないのだし、例えば痛覚耐性を何されようが痛みを感じない様にしたら、結果的にはそうなるし」
「……つまり、何をされようがどうにもならずそのままで居続ける事が出来る……それが最高だと思うなら、つまりは感情も快楽も要らないって事に成るわよね……」
「……とは言え、そうしないと完全無敵には成らないと言う事では有る。……うん。戦力としてそう言う奴が必要に成る事も有るだろうから他人に無理矢理やらせるなら良いけど、自分がやるのだったら願い下げだな」
「……創作だと自分より強い奴を創って創った奴に裏切られるまでがセットよ、それ。後、邪神召喚の為に色々と動いて召喚された奴に殺されるのも創作だと見るわね」
「……裏切られない為のセーフティを創る上で組み込……いや、ダメか。自分より強い奴を創ると言う前提なのにそれがそいつに通じちゃアレだし」
「例えば専門分野が違う奴を召喚すればそう言う事も起きないと思うわよ?」
「つまり自分の専門分野以外の理屈ガン盛りの奴を創る?高確率で失敗しそうだな、それ」
「そうね。でもまあ、創作だと簡単に造れるわよ。理屈なんて関係無しで良いもの。但し、現実の場合そう言うのを創る事は機械を組み立てる様な物だからそうなりそうだけど」
「まあ、それは良い。話を戻して、耐性面の全部盛りの結果が遠慮願いたい類いの物で、アレだからどうしようって訳だが」
「嫌な事はとても分かるけれど、自分の考え方的に問題だと言う内容は他の奴はやるかも知れないわよ」
「だからそれをやるべきだって?まあ、これは要するに考え方的な意味でやるのがアレな事に成って居るとは言え、全部盛り出来る手段が有るのにしたくないって話だしな」
「いや、現状だと自力で盛れるだけ盛っても全部盛り迄は行かないでしょう?」
「……例の奴をやれば欠陥有りで良いなら出来るだろ、もうさ。欠陥有るから頼りたくは無いけど、現状の力の延長線上の力を集めていくのが無難だよ」
「……まあ、全部盛り……と言うか全属性使えます……とか安直な全部盛りをしようともしないのはそうだけど」
「……ゲームで考えると解りやすいけど、同じ量のリソースを取得に割り振る場合、色々な属性に均等に振るのと、一つに全振りするのでは到達点が違い過ぎる」
「ガンメタをされる場合はバランス良く振って居たら他の手札を出してしまえば良いし、潰しが効くわ」
「沢山有る手札を全部活かす位じゃ無いと純粋な火力勝負だとアレだけどな」
「割り振りした内のある程度を片方だけが死蔵した状態で勝負に挑むのだから、前提と成るリソースが相手に比べて少なくて、勝負に使うリソース量の差的な意味でバランス良く振る側が只のゴリ押しだと負けて当然じゃない」
「そう、それ、それだよ。同じリソースと同じ成長具合だけでステ振りの良し悪しを考える上で手札の質より手札の数を選ぶなら、戦う上で手札の数を生かさないと意味が無い」
「確かに器用貧乏に自分から進んで成って居るのに手札の数を碌に生かさないならそれはそう成るわよね」
「ま、これは前提と成る物次第でどうとでも変わる話では有るがね。レベルが上がるとむしろ不味い系とか、レベルが上がる事での伸び率が途中から悪く成るので別の奴のレベルを上げた方が効率は良いだとか」
「私達の場合はどうなる訳?」
「……前提と成るルールはともかくとして、他人と被っている奴を後追いで伸ばしても、……な、訳だが、ガンメタされた際にもある程度まともに戦えるだけの物は欲しくは有る。だから得るならガンメタのメタに使える能力だろう。……まあ、後出しじゃんけん的に相手にとって都合の良い別の物を出されるだけだろうけどさ」
「とは言え、何も事前ヒント無しに相手の独自のルールを出される前に事前に読み切れと言われても限界有るわよ?そう言うのは後出しじゃんけんなのだし」
「……それで負ける物を後出しされたからゴミって言うなら、後出しじゃんけん出来る能力かそれをさせない為の能力以外は極論全部ゴミな訳だが」
「本当に身も蓋も無いわね」
「まあ、言葉遊びで○○が最強と言う事を崩したいだけなら○○に対して徹底的なガンメタ仕様の能力が有れば良い。何なら○○に勝てる能力と言う能力が有れば、○○最強説は終わりだ」
「いやいや、別の奴が対処すれば能力が機能し無いタイプの奴とかその○○には勝てるかもしれないけど、他にはその能力では勝てないわよね?」
「だからそう言う能力が有りなら何か一つが最強って言うのじゃ無くて、相性ゲー的な感じにならざるを得ないのだよな。まあ後出しじゃんけんの物に付いては相性が良い様に無理矢理拵えた物だろうし。あーでもアメアさんにされた超加熱の時にいきなり冷却されて凍らされるのは対策し無いとか」
「あれは彼女のガンメタ能力を使って居る時にガンメタで目指す所に彼女が逆にいきなり寄せて来たからその目指した所を通り過ぎて温度が急激に下がったから起きた事でしょう?つまり、能力自体が問題なのじゃ無くて、只の貴方の対応遅れが原因よ」
「むぐ……まあ、そりゃそうだけども……それよりも今は創る物の話をしよう」
「話を逸らしたいのは分かるわよ?まあそれも必要な事だから後で考えるのは忘れないようにね」
「ですよねぇ……」
そして更に話し合いを進めた。
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