第2話

 さて、具体的な話に移ろう。脳波で発電機を動かす為に必要なのは先ずは増幅回路だ。これは魔法や異能関係無しに既に有る物で有る。脳波を頭に装備させたそれにぶち込み、必要な電力を確保する。まあ、有線は邪魔なので、それを先ず電波に変換し、その電波で電力を輸送して、その電波を受信する所で更にその電波を増幅回路にぶち込む。そして十分な電力を確保出来たらそれで発電機を動かす。電力関連はこれで何とか成るはず。後は電力で全部如何にか出来る環境を用意してしまえば良い。ワイヤレス給電は既に存在するのだし。何とか出来るはず。既存の物の流用が多く成るが、まあ、其処はトンでも魔法を既存の物で説明しようとしているのだからご容赦をして貰いますね。

さて、前提の理屈としてはこんな感じですが、後は電力が有ればどうとでも出来る環境を整えてしまえば良い。これは必要な器具を造る力で複製して増産して用意しよう。さて、最低限の行動指針としてはこれでよし。後は元ネタとの区別化の為の売り文句が必要だ。……まあ、正直な話、現時点では精神エネルギーや感情エネルギーを脳波で全部代用してもやれる様にしただけでしか無くて、やる予定の事自体は元ネタの殆どそのままである。……只、一応はやる為の手法は違うのだから幾らでも別物だしと言い張る事自体は可能では有る。それに、前提と成る理屈上、脳波を計測する機器は利用者には利用中は常時付けて貰わないのでそれのついでで別物だとは言える。……まあ、言えるのだが、対価に脳波以外の物も求めないと脳波系能力持ちなんて殆ど無料で入り浸り放題で有る。流石にそれは、ね。値段設定とかサービス内容とか、ああ、元ネタの所に話も通さんとか。さて、区別する為の売り文句、売り文句……まあ、それよりも一先ず話を通そう。そしてその結果、言われた事と言えば、聞く限りだと商業が絡む天国と言う点しか被って無いのに此方がそれに文句を言うと此方も藪蛇で色々と多方面から文句言われるから、サービス内容の大幅被りをしない限りはどうぞ……だ、そうだ。……かなり各種サービス揃えている所と被るなと言うのは割と難しい要求だが、……まあ、天国を造ると言うコンセプトなら色々な宗教で創られているのだし、どう言う目的の天国を造るかと言う点が被らなければ良い……と、言う事だと解釈する事にする。さて色々と更に準備しようかね。



結局の所、今回創った物はセットで何かが無ければ客からすれば只の劣化コピーでは有る。トンでもエネルギーに頼ってふざけた結果を出している奴に対して通常のエネルギーだけでも出来る事で挑むと言うのだから当然だ。此方が負うであろう制限なんてトンでもエネルギーなのだから無視出来るとか言う落ちが来たら追加で此方が何か無ければ只の劣化コピーにしか成らないのだし。現状だと元ネタに対して此方が勝って居ると言えるのは魔法や異能を未使用でも理屈上ではそれを実現可能で有る……と言う事くらいしか売り込みポイントは無い。つまり、現状だと造った物は魔法や異能が根本的に使えない環境以外では基本的に只の劣化コピーで有る。だから簡単に許可が下りたのだろうさ。

「あー、造るのに使う物に制限が有るせいで他の奴と同じの創っても劣化コピーだな」

「水霧、なら魔法や異能が使えない環境でも使えると言う事を押し出せば良いのでは無いかしら」

「アーバーンか。それはつまり、魔法や異能が最初から無い世界ならともかく、魔法や異能が使える奴らに対してか?」

「いやいや、魔法や異能の使用制限を軍縮会議とか刀狩令的な物で無理矢理やったとしても、魔法や異能の恩恵を得られる環境には出来るわよね、それが有れば」

「あー、つまり、魔法や異能の使用制限を加えた環境の世界を創ってもこれが出来るから良いじゃ無いか……と言う為の代用品としての物って事か?……それなら相当なクオリティにし無いと普通に評価としては絶許に成ると思うが。後、事前告知無しでやると魔法や異能有りきのような行動をしていた奴らがやばく成るのは前の時に実例有るし」

「とは言え、滅びの呪文とか全ての魔法よ、滅びよ……の、魔法とか、全ての魔法が効かなくなる魔法とか創作では有るわよね」

「……創作だと他の描写と整合性の無い舞台装置としての魔法は嫌いだ。例えば一度使えば本当に全てが終わりの物ならシミュレートで見たならともかく、事前の実証なんてそれこそ別の世界でも持ち出さないとされてないだろとか、まあ、色々と」

「逆に言えば整合性が有ればそう言う奴が有っても良いと言う事?」

「それに整合性が有っても嫌ならこういう言い方なんてしないって。そりゃあ身も蓋も無い事するなぁ……とは思うが、実際にそれを創った奴視点から見れば台無しな行為だと言わざるを得ないけど、魔法なんて無い方が良いと思う奴からすれば幾らクオリティが高かろうが関係無いだろう。持って居る事が気に食わないのだからな……それに、世界の他と違う特色がそれだけだと言う内容の物を消すと言うのは続き書くのがアレに成るけど、創作だと関係無いし」

「それは誰の視点で見るかの違いじゃ無いかしら?これがこの世界の特色ですとわざわざした物を自分から壊す行為……まあ、創作でもする人は居ると思うわよ?アポカリプス物つまり、大災害や世界の終焉を書く話を書くなら、だけど」

「まあ、創作でその後の事を考えないで良い話の構造なら批判殺到する様な滅茶苦茶な内容の物だって出せるだろうけどさ、現物として世界が有るのにそう言う事をして堪るかよ」

「それは平たく言えば目的と視点の違いによる主張の違いよね。相手の主張が正しいかどうかはともかくとして、前提と成る立場的に違う考えに成ると言う奴」

「前提と成る事的に相容れないとか本当アレだな」

「ま、自由に世界創造を何度でも自由に出来るなら幾ら壊しても関係ないやと成る奴も居るとは思うわよ?」

「どうせ其処迄俺には力なんて無いですよ。だから強く成る為の手段を講じているのだし。あー、除霊とか中身入れ替わりとかも対策し無いとアレだろうな」

「只の水掛け論的な解法の除霊はそれ以上に強く成れば良いだけだからともかくとして、入れ替わりとかそもそもやれる力量が有る奴は力量的に嫌がらせ以外の理由なんて有りそうも無いわ」

「あー、そう成るか。まあ、こちらより格下にそれをやれる道理なんて無いだろうしな」

「他人と他人を入れ替える奴なら格下に入れ替わられる事も有るでしょうけど」

「……それが有りなら何なら羽虫とでも入れ替えられでもしたら簡単に終わるだろ」

「それは流石に自我が無いとアレなのじゃ無いかしら」

「……強い奴をクソ雑魚ナメクジの奴と入れ替えるとか、何なら肉体が出来上がって無い赤ん坊と入れ替えれば大抵の奴が終わるよね、それ」

「そもそも対象者に出来るのが格下しか出来ないと言う前提だとしても、前者は技量で何とか出来るかもしれないけど後者はアレね……」

「駄目な例が有りでも格下にしか効かないならあくまでも自分より格下を更に倒しやすくする為の力でしか無いけどな」

「世の中には身体を飴玉に変えられても勝てる人も居るわよ」

「……あの世界は強ければ強い程、強さ次第で能力が効かなく成って行く世界だし……」

「それは別にその世界の限定の話では無いわよ?ゲーム世界なんかだと耐性無いと基本的にアウトな能力とかも有るけど、攻撃の火力が足りるや足りないなんてよくある話じゃ無い。異常状態にする能力だけ、その理屈とは関係無いのが当たり前……。なんて理屈は通らないわよ」

「言われてみれば確かに。だがそれならどんな能力が有ろうが俺はそれが効かない程強いから効きません……で、全部終了するのでは?」

「お前の考えた全てより強いと言う設定を持つ二次創作的な奴が出てくればそりゃあそうでしょうね。盤外の他人の後出しじゃんけんなんて相手の考えた物に内容を少し付け足すだけで終わるからそうされたらどう言う理屈を出されようが真逆の構図もそのまま通じる訳だけど」

「……議論も何も無い理屈に成る訳だ。まあ相手より強い設定を持ち出せばそれが即ち必ず勝てるかはまた別問題だが。と、さて、便利性を上げる事のみにしか使えない魔法や異能のみを残して、他全てを制限する環境を用意するのがベターかな」

「使い方に制限を加えた奴以外基本的に禁止に成りそうな奴が多いわね。空を自由に飛ぶ能力とか自由な位置にテレポートする能力とか間違いなく論外だし」

「使用上事故が起きると簡単に予想される魔法や異能は全部使用に制限を加えると成ると、そう成るのは当たり前だが、……はぁ、ゲームのスキルみたいにテキストの内容に記された内容以外の方法は全部不可能な仕様じゃ無いといくら何でも管理しきれん」

「なら魔法や異能を全部使用禁止な状態にしてゲーム世界を創ってその中で魔法や異能をゲームの技として個々に与えて管理出来る物だけにする?」

「……まあ、そうなるかな……色々と運用例が今迄の物で有るけど、……要は運営側が管理出来る範囲の魔法や異能以外自動的に論外な世界、か」

「なんか身も蓋も無い気もするわね。運営側が管理出来る能力以外の物なんて基本的に前提から存在を否定します運営側が管理出来る能力だけで楽しんでね……そんなの世界を造るなんてやらなくてもそれこそ只のゲームで既に出来るわよ」

「基本的に全部の魔法や異能を潰す仕様の上で、それに合わせた例外仕様の魔法や異能を運営側が管理出来る範囲で用意して、世界の奴等にそれを取得させ、それを魔法や異能を使えない事に対する代替品にする。魔法や異能は全員が使える。但し運営側が管理出来る物以外は全てを除外出来る」

「別枠の世界なので魔法や異能も他とは別枠の物しか基本的に機能しません、と言う奴ね。うん。それなら行けそう他の人にも話をして造るのに取り掛かりましょう」

「よし、じゃあやって行こう」



 そして世界を創造する。そしてその世界を外部からの特殊エネルギーに対するアンチエネルギーで満たそうとした……所で、問題が起きる。

「一言で言えば、この世界に魔法生物入れないな。だけどそれが入れたら割と入国規制の度合いはガバガバだ」

「……まあ、魔法生物はそもそも魔法や異能が無い環境に行くと言うのはそもそも自分がそう言う存在だと言う意味で無理だから良いでしょう」

「いやいやアーバーンとかの召喚システムで産まれた奴が全員無理だ。入れん。でも召喚システムを規制外にしたらそれが基盤の魔法や異能が全部セーフで意味が無いだろ」

「なら通常の人間のみを対象にすれば良いだけよね」

「……モチベーション滅茶苦茶下がったのだけども、それは。召喚システムの全除外とかしようとしたら俺の力もある程度崩れるから、自分で使えない楽園を造るのに全力とかむなし過ぎるのだが」

「……まあ、気持ちは解らなくは無いけど住み分けには成るから」

「……自分が使えない環境の楽園なら創れそうとかうわぁ……なんだかなぁ……あー、よし、ならこうしよう全ての魔法や能力は世界に一度入力してから世界から出力される。つまり、全ての魔法や能力は一律で世界に効果を一度審査して貰ってから実際に効果が発揮される形にする」

「魔法や異能に即効性が無く成りかねないから異世界の魔法を無理矢理使われたらアレな事に成りそうね。ターン制ゲームなら詠唱での待機ターンを意図的に設定する訳だし」

「それはまあ審査を通さない奴には強制的に大幅な効果デバフが一律で入る様にするか。デバフがむしろ良い効果に成る奴にも効果が消える形ので」

「どんな効果の魔法や異能を使ってもその度にその効果が発揮される前に審議が入る仕様……まあ、審議飛ばしはどうされようが出来ない仕様にしないとアレな事に成るわよ?」

「問題はそこだな……まあ、何とかなるだろ。二次創作的に他人の想像の中は知らんが」

「他への対抗には審議の時間は極力少なくするべきだけど……審議を簡素化させ過ぎてもアレよね」

「魔法や異能を使う際の基本的な前提と成るタスク追加をする事で管理を如何にかしようって話なのだから、それが無い訳にも行かないし。それに外敵や犯罪者の使う奴は申請を全部棄却すればそいつらの魔法や異能封じもデフォの仕様として出来る。まあ世界の力を上回れない奴だけにしか効かない話だが」

「世界の切り替えとか出来る奴ならあまり意味無いわよね?」

「互いに世界を造れるなり制御なり出来る事が前提に有るのだから、そうされても互いに再び切り替えれば済む話でしかなくないか?故にそれ以降は只の水掛け論だから議論するだけ無駄だ」

 そして調整を開始する上で他の奴にも話を通すと、


「それが万全?そんな訳無いだろ?要するにそれはある程度以下の格の奴を無力化する仕組みで有って、それ以上の格の奴やその仕組みを潰せる奴には何の障壁にも成らない」


「創作的なメタ視点的には確実に壊される安全装置に全依存は止めた方が良い。地震なんかもプレートの歪みが戻るパターンの奴を無理矢理地震が起きない様に抑え付けると抑え付ける力以上の歪みが溜まり次第抑えが効かなくなり、通常だと起きないレベルの地震が起きる……と言うのはSFだとたまに有る話だ。短期的には地震は皆無に成るが、宝くじで言うなら地震のエネルギーがキャリーオーバーしているだけでしかないからな、それは」


 ……要するに格上が潰しに来ても対応出来る仕組みにしないと意味が無い、か。相手が格上でも通用する仕組みを基本的に組む、仕様外の基本的な無効化を最上とするなら、デバブや妨害を世界に基準として組み込む。完全な無効化は魔法や異能が無い世界で良いだろと言う結論に成るので限定的な物にしないとアレだし、何ならもしそうしたとしてもその仕様を上回れる奴には意味が無く普通に使われる。それで行われる弱体化をされても問題無く世界を滅ぼせる強い能力持ちが来たら終わりだし、何ならその場合にはセーフティが無い状態の方が個々で対抗に能力を使えるまで有る。つまり、只の完全無効化はそれを行う力を超えられる奴が敵で出ると言う仮想の想定ではむしろ悪手と成る。……うん。セーフティで魔法や異能を潰す場合はこの摺り合わせが問題だ。……だから前提と成る対策を行う力を超える格上が出ると言う前提の想定だと水掛け論的解法が意味の無い物にしないとだ。そして考え事を続けて居る所で何人か人が来る。ニヤニヤしているな……ん?何で白菊と思われる奴が居る?

「水霧さんよぉ。確か白菊雪華は行方不明だっていう話だろ?それはなぁ、我が軍門に下ったからさ」

「……はぁ、そう言えばそう言う感じに成って居るのだったな。行方不明者の此処迄の連行ご苦労様です」

「……いやいや白菊雪華は別人の物に成ったって言われているのだぞ、正気か?」

「さて、どうだろうな?案外そいつは偽物かも知れんぞ」

 第一本来の理由では無く表向きの話を前提にこう言う事を言って来ている時点でどう見た目や言動を繕おうが偽者としか思えないが。

「……白菊雪華、やれ」

「解りました。ご主人様」

 そして魅了能力で攻撃を仕掛けて来るが、うん、まあ、アレだ。身内にサキュバスが居るのに魅了能力系の対策無しとか有り得ないだろ。と言うか白菊に耐性を訓練で付けさせて貰った訳で、それなのにその白菊が魅了能力で俺に攻撃?

「……なんかもう、うん、アホかと。取り敢えず殺すわ。もし仮に本人でも再召喚してやるので堪忍な」

「ちょ、おま、正気か?」

「……判断基準なんて教えねーよ、面倒臭い」

「ご主……」

 そしてそいつを創造の力で殺す。ついでにその周りの奴等も殺す。……公への未開示情報はそれなりに有った方が今後も良さそうだな、こう言う奴が今後も出るなら躊躇なく殺せるようにして置かないとだし。そこでアーバーンからテレパスで会話をぶつけられる。

『……白菊は公には行方不明者扱いとは言え、こう言うのが代わりに来るのね……』

『……まあ、要は馬鹿正直に子供を創ったので能力空間の中に避難して育児していますなんて公にしたらこう言う奴等がそちらを狙って来るって事だ。……とは言え、このネタで何回かこれからも来そうだな……ああ、気が滅入る』

『殺すまで行く事はやりすぎの気もするわね』

『別人を此方の奴だとして此方にマウント取ってくる奴だ。それは只の虚構でしか無いが、実際にそれが出来るならやる類の奴だよ、どうせ。それで得られる利点を得ようとしたのは変わらないのだし』

『本人全殺前提だと本人がそう言う能力で偽装された形で殺しに掛かられたらアレだから次は捕縛だけにしておいた方が良いと思うわよ』

『……まあ、次回以降は手法が変えられるであろう事は確かに考慮すべきだが、今回の場合はあくまでも騙すつもりで騙って来た敵方が結果的には間抜け晒しただけだし。メイドと言うか此方の奴に見せかけた奴隷にご主人様呼びさせているタイプの奴だしな……まあ、次回は気を付ける』

『本人かどうかの確認が取りたいけど、一先ず能力で見られていたらアレだからそれ潰しに周りにエネルギーをぶちまけるわね』

『おう、頼む』

 そしてアーバーンがエネルギーを辺りにまき散らして周りのエネルギーを一通り壊し、その場を後にした。だが、どうするかね。

『……さて、仮に今能力で監視されている前提なら寝る訳にも行かないのだが……』

『まあ、子供達の事に言及して無い時点で間違いなく只の騙りだからそれはしなくても良いと思うわよ』

『まあ、それもそうだな。じゃあヴィシュヌ様に会いに行くか。それなら相手がヴィシュヌ様関連だと勝手に誤解してくれそうだ。此方の案のアドバイスも聞きたいし』

『じゃあそうしましょうか』

 そしてヴィシュヌ様にコンタクトを取る事にする。

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