未定5(仮)
@azeru1000
第1話
俺の名前は水霧浄土と名乗らせて貰うけど、俺は紆余曲折の果てにある世界の管理と守護をする代わりに一つ世界を自由に創れる権利と力を得た……のだが、一言で言えば無尽蔵なリソースを自前で全部用意出来る程俺は強くないので、自由に世界を造れないし、リソースが無尽蔵に有れば解決出来る問題を解決出来て居ない。いやまあ、資源やエネルギー資源の使用量の縛りプレイを有りにしたら出来る物は出来るが、もう既にある物で良いだろと成る物をわざわざ創っても仕方ない。……まあ、そのサービスを受ける為には莫大なお金が必要ですが、到底払えません……とかの類いの物をやる為の物は例外としてね。
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「水霧……自由に世界を創る力なんて無いから自由に世界を造るために強く成りたい……と言うのは解るわよ?でも、世界の管理と守護に回したリソースの余りを全部自分の強化に当てるのは報酬=経費に成って居るわ。それは良いのかしら?」
「アーバーンか……それは自由に世界を造って自由にやりたいからそれをやる為の下地を自分に付ける為に余分なリソースをそれに全振りするって話だ。初手で娯楽全振りなんてして強い奴に攻め込まれましたなんて成ったら笑えないし」
「水霧、自分より強い人、例えばヴィシュヌ様とかに頼ると言う方法も有るわよ?」
「……まあ、それはそうだな。最初からそれに頼る前提で事を進めるならば、前提の話の契約違反に成ると思うけど」
「……アレよね……傍からすれば報酬なんて要らないから世界を守る為に必要な事に貰えた報酬は全部投資するぜ……とかしている人に見えるのかしら?」
「現状の力で世界を自由に創っても使えるリソースが有限的だ、的な意味で制限有るし、創っても自分の目標達成と言える物が造れないから造らないだけだが、そう見えるのか」
「いやいや、リソースが無尽蔵に必要な類いの奴以外の物ならもう十分創れるわよね?」
……言われてみればそうでは有るが。
「……だからって創りたい物、ねえ?食欲は、フードファイターではないのだから食べる方のバイキングにでも行けば十分好きなだけ食えるし、色欲関連の物を造る……余程特殊な物以外風俗で良いだろう。物欲……うーん物欲、か、別に俺に欲しい物が無い訳では無いが、世界を造ると言う力を使って迄欲しい物かと言われるとね……」
「いや少しの力で直ぐに手に入るのよ?物欲無さ過ぎないかしら?」
「……言うならば、何でも簡単に手に入るなら価値が下がるから逆に興味が薄れると言うかなんて言うか」
「でも欲しかった物なのでしょう?」
「例えば希少価値が有るが故に欲しい物を幾らでも作れますなんて身も蓋も無いだろ?」
「要は何時でも手に入るから後回しで良いや的な思考に成っているわね……」
「そ、言うならば物欲関連は都合上優先順位が下がったって言う奴」
「自由に全部決められる世界を造れるとか喉から手が出る程欲しがる人も居るでしょうに」
「だからと言っても、それよりもっと良い物を手に入れられる当てが有る訳だしな」
「……水霧、契約を途中で相手方に切られる展開を考えるならそこそこな所で欲しい物は作りなさいよね」
「……そういやそうか、前提の契約切りをされたらアレか……なら自由に世界を造れるとか言っても契約切る前提で止めに入られるのかよ」
「相手方が不都合じゃ無い物を造れば良いのよ」
「……つまり、自由に創れる物を使ってわざわざ接待をしろと?」
「其処迄は言わないわ。ただ単にスポンサー側が使っても都合が悪くない物では有った方が良いだけよ」
「……うーん。自分の理想の世界を創れるって成ってもスポンサーへの接待は必要とかアレだね。まあ、どちらにせよ契約切りされても大丈夫なレベルまで強く成るのが優先で良いか。その後に契約を切られても、それはそれで契約を気にせず自由にやるだけだし。借り物の力は無くても既にリソース問題以外は何とか成るしね」
「まあ、問題はそのリソースよね……例えば無尽蔵にリソースが有れば、無限に飲み食いし放題とか余裕で出来るでしょう?」
「それなんだよなぁ……まあアレだ、世界を造ると言う事に頼らなくても普通に出来る程度の事に世界を造ると言う事をわざわざ費やしたくない。要するにそれだけの話な訳だが」
「……あんたね、普通に出来るレベルの事を無制限に出来ると言う物でも欲しい人は居ると思うわよ?」
「……それを使い、普通なら出来ない事がしたいから、それを可能にする為にリソースをつぎ込んで居るだけなのだけども……普通にやれる事を大量にやる様な煩悩に塗れた方が良かったのか?現状だって要するに目的の物が違うと言うだけなのだけど」
「……それでも現状でそこそこな物は創って置きなさいよ。目的の物を創る前に契約を切られて、最終的に何も手に入れられませんでした……なんて成ってもアレだし」
「なら、そうだな。忠告に感謝と言う事で、試しにアーバーンの為になんか創ってみるか」
「何を創る気?」
「普通ならセクハラ行為だが、アーバーンになら良いだろ」
そして創りたい物の説明を行う。
「…………本当にセクハラね。他人がそれを真似て別物を創るならともかく、他人に奪われて使われてもそれの価値は喪失し無いし……本当にエロ目的だけど」
「つまり、世界の中に入った奴に世界の摂理として強制的に快楽を与える世界。奪われて使われるとか成っても、奪って使った奴が世界に入った奴に快楽を与えた訳では無いと言うね」
「……要するに機械姦を世界規模でやるって事よね?」
「自然現象がそう成る様にする。で、それを仕組んだのは俺と言う訳。原型全部別物にするなら知らん。どうでも良い」
「……牢獄用とかにしないわよね?」
「その発想はなかった。あくまでも実験で今回限り用だった物だが……そうか……まあ、現状は使う必要は感じないがね……簡単な話として、要は表皮からの摂取で十分な全身の知覚過敏化薬と強めな風を空間内に満たす空調設備が有れば良いのだけども、それじゃあ薬に抗体有る奴には効かんし、どうせ創るなら空間の中に入って居る事その物が気持ちいいくらいの物が良いが」
「そちらはそちらで極端に大きいサイズの個体が居ればそいつに包まれた空間で有れば出来る気もしますが」
「それはそうだが、それをわざわざ別に用意するならそれは誰がそれをやったかの部分が変わるから論外。うーん。快楽を起こす器官に直接働き掛ける静電気に満ちた世界なんてどうだろう?電気系に耐性有る奴には効かんが」
「私達は能力上、身体は水なのよ?」
「だがだからと別に電気が能力で扱えない訳でも無いし……うーん。何を基準にそれを行うかを公に開示したらガンメタ組まれそうだな。今でも一応薬と静電気パターンは思い付いたけど」
「……まあ、機械姦が有りならこれも有りだろうから言って置くわね。世界の仕組みとして世界の中に居る奴を犯すと言う仕様って奴も考えられるわよね?」
「……SFでたまに有る機械に自我が宿るパターンが来たらアレなので却下」
「そう言えばそう言うのも有ったわね……なら都合の良い仕様の独自の生物を創る、と言うのはどうかしら?」
「……うーん。要は継ぎ接ぎ存在と言う意味でキメラを創ると言うのは現状でも可能だし、ライガーとかラバとかの異種交配は魔法や異能関連無しでも居なくはない。種が断絶するほど離れていたら子供は出来ないがね……そういうのを創っても生殖機能関連がデフォで二代も進めば生殖関連機能は全部死ぬが」
「米は品種改良に色々な品種を掛け合わせているわよね?」
「……あのさ、前提として俺は生殖関連の原理の全てを完全に把握して居る訳じゃ無い。世界の摂理としてそれをすると生命が産まれるとか魔法や異能に任せて無理矢理な仕様にすればガバ仕様でもやれなくは無いだろうけど……」
「其処は世界を前提からして自由に創れるのだし、気にしなくて良くない?」
「……例え他の世界だと有り得ない事でも俺の世界だとこうなるのだよ……って奴か?それ言い出したらもう身も蓋も無くなると言うか何というか……突然変異体だけを前提した進化論では種の隔絶する様なレベルの進化は一度では出来ない。種が隔絶しているから子供が生まれない的な意味で成立しない」
「うーん。色々と○○だから出来ないと言うのは簡単よ?世界の摂理側から全部造れる以上、そう言うのを気にする必要は無い気がするけど」
「どんな仕様を造ろうがそれでどうなろうがそうなる様に俺が造りましたでゴリ押せと?」
「何から何まで全部自前で構築出来るのだからそれが普通じゃない?」
「既存の物を継ぎ接ぎするなら既存の物のアレコレは前提として考えるべきでは無いか?」
「全部自前でやればいいじゃない」
「簡単に言うがね……確かに創作ならやれました……で、終わるだろうさ。だけども現実としては全部自前で構築しないといけないのですがねぇ?そもそも科学はまだ全部を解明した訳じゃ無い。つまり、科学知識を全部収集して考えても解らないところは色々と有る。創る上で参考に出来る物が根本的に無い物も有る」
「その解らない所も勝手に決めれば良いわ。全部自分で決められるのだから」
「……そりゃあそうなのだけど、事実がどうであれそれはこうだと決め付けるとか思考停止的な感じに成るのはなんだかな」
「他の世界では違っても、どれだけ矛盾していても、可笑しくても貴方が創る世界ではそれが正しいわ。世界を創るってそう言う事だと思うわよ」
「……上司が白を黒と言えば黒と言う事に成るのを世界単位でやるって事か……」
「創造主にはそれが出来る。そう言う物だと思うわ」
「身も蓋も無い結論では有るが、前提も含めて全部自分で決められる訳だしな……まあ、その無茶苦茶な理屈を成立させる世界を創る手間はこれから俺がやるのだけども……ま、そんなにすぐにそれが出来たら苦労はしないので、それの前段階として色々な世界のキメラ世界を大量に造ろう」
「……話聞いていましたか?全部自分で決めて良いのですよ?」
「そうだね。だが、前提と成る世界を創る力側は一定の規格が有る。ならキメラ的な世界を作るのは自分の世界を作るのに対しての練習に成る」
「いやそれだと他人の都合の良い仕様もそのまま創る事に成るわよ?」
「これは別に他の世界が皆無な状態で原初の世界を創れとか言われている訳じゃ無いし、故に同じ規格であろう力で造られた世界と言う参考元なら沢山有る。自分の世界を創る力で有りの部品をそれで頭に叩き込んで、それらを組み合わせて世界と言う作品を創る」
「恐らく同じ規格で世界が既に大量に存在するから、世界ではなく、その色々な世界の部品を学習して、色々な世界の部品を組み合わせて新しい世界を創るって訳?」
「そりゃあ零から全部新規規格の物を創れれば文句ないけども、だがそれをやるにはまだ俺自身の知識が足りない。先達が居るのだから其処は下駄履かせて貰おう」
「あくまでも他人の都合の良い仕様の世界を参考にし過ぎてもアレだと思うけど」
「違う。これは世界と言う作品其の物では無く、それを分解して考慮して、それを構成する部品側を参考にすると言う話だ。他人の都合の良い仕様の世界をそっくりそのまま創っても只の焼き直しだからアレだしな。むしろ世界その物が自分の為に造れて居るかも怪しいし」
「……まあ、創り主にとって都合の良い仕様の世界の創り主の立ち位置に他が座れると言うなら焼き直し世界でも創る意味は本人自体側には有るけど」
「誰が創ったかだけが違うだけで仕様がそれ以外同じなら、その他大勢にとっては同じ物が増えただけでしか無いけどね」
「例えば大元側と運営方針が違えばそれでも需要は有ると思うわよ?」
「……まあ、それはそうだが、それをやるのは世界を創ると言う事をやらなくても既存の物の恩恵を得るだけでも出来る事だろう。一応、創り主の立場じゃ無いと得られない利益が得たいとか言うなら話は別だが……ま、生物関連の物を少し調べるから待って。…………要するに、遺伝子の中身を弄り都合の良い形に調整するのがゲノム編集。近親相姦は改めての説明は必要無いとして、遺伝子組み換え食品は遺伝子レベルのキメラ食品だと思えば良い」
「……そう聞くと遺伝子組み換え食品なんて食べたくはないですね」
「そうだな。遺伝子組み換えで何と混ぜたかが明示されていない食品の場合は確かにアレだな。食べたくも無い物や嫌いな食べ物の遺伝子が組み込まれていたらアレだし」
「うわぁ……と、それはともかく、それだとゲノム編集って要は中身を弄るだけでしょう?意味有るの?」
「……あー、この説明だとそうなるか。遺伝子の性能の良い部分を優先される悪い部分を潰して無理矢理に表に出すと言う感じだろうか」
「つまり、デザイナーズチャイルドって、遺伝子の良い所だけが表に出る様に無理矢理揃えた子供って事ね。それは天才で才能塗れの奴が多く成るわよね。そう調整出来るのだし」
「まあ、これは能力上白菊辺りに聞けば詳しく解るのだろうがね……」
「今は彼女此処には居ないでしょう?」
「……白菊ってサキュバスだから精気が食料に成る。だけど精気を得る際に物理的に顕現して居なくても問題無いなら結果として物理的に精液を得る必要は無く、特定の精神エネルギーが有れば夢空間でも生きて行ける事に成る。それを子供らに習得させるのは考えたよな……。要は感情が動くような事をし続けて居るだけで夢の能力空間の中で幾らでも生きて行ける」
「……。その手段は余り彼女以外納得していませんけどね」
「だとしても夢空間の中に長期的に退避していて、子供らは長期間其処に幼少期から居続ける訳だしな。詳細な種類はともかくとして、夢系の能力を其処に退避した子供らが習得するの自体は自然な流れでは有る」
「……でもそれは事実上貴方と白菊の子供に全員成ったみたいな物じゃ無い」
「育て親を白菊にメインで押し付けた時点でそれは諦めた物かと思って居たが」
「……そんなことを言うなら私と貴方でまた子供を作りますか?」
「言い方が悪かったのは謝るから、これ以上白菊の負担を増やしてやるなよ……」
「……。話を戻しましょう。一先ず世界を創るのを試してみましょうよ」
「一応、試さなくても既にミニュチュア世界ならすぐに造れるぞ。メイン用途は娯楽用じゃ無くて戦闘用だけどな」
「でも同格以上を相手にするなら当然相手にもそれを使われるわよね?」
「そうだな。まあ、アレだ。要するにそれをぶつける事で、相手に強制的に通常とは別基準のルールに従わせてそれを元に倒す。それは言い換えれば相手を自分のルールに従わせる力としての運用な訳で、この運用だけしかし無いのだったら世界創造と言う物に頼らなくても他の奴の能力ででも出来る奴はそれなりに居る気もする」
「ルール変更系能力を常時大量に空間に適用出来れば別法則の世界を造れたと一応は言えるのだし、それは言っても仕方なくない?それが出来たら世界を別世界に作り変える事が出来て居るもの」
「うーん。一時的なルール変更だけだと他の奴も出来る奴はそれなりに居そうでアレだけど、それが常時効果で出来るなら既に世界の再構築レベルの事はもう出来ている、か。独自法則での世界創造って最終的には永続的なそれが出来ないと駄目な訳だが、明らかに現状ではリソースが足りんな。まあ、局所的に戦闘で使う様な奴を永続化させようとしたら色々と調整し無いとアレだから単に俺の調整不足ってだけなのだけど」
「なら仕様を確かめてみない?」
「……うん、まあ、確認作業くらいは必要か。じゃあ観測機器を用意しよう」
そして諸々の器具を用意して小型世界を構築し暫くの間展開し続ける。
「水霧、如何やら世界側に継続的にエネルギーを食われているわね」
「無理矢理世界に違うルールを加えた空間を創って居るのだし、元の世界其の物側との競合が有るのは解るが……つまり、世界に世界を重ねるから相互干渉で余計にコストが掛かる、と」
「なら最終的なコスト的には世界が無い所に世界を造る方が少なくて済みそうね」
「……それは規模にも依るだろうが、アレだな……世界を造る技量が無いから世界から世界を作るのに、零から世界を造るよりかむしろ問題が増え、余計にコストが掛かる、と」
「これじゃあなんか身も蓋も無いわね」
「只の世界の中にコピペ世界を造るとしてもそのまま世界に食われるだけだろうし」
「世界の創造主と世界をぶつけ合うなんて展開が有るなら創造主側だけ相互干渉は無視出来るでしょうから、前提の舞台的に侵略者側は不利にも程があるわね。同格以下だとアレなくらいには」
「世界のぶつけ合いを片方側の世界の中でやるとすれば、そりゃあ忖度無しならその前提の世界の持ち主側が勝つだろ。鏡返しの戦闘内容をぶつけられても掛かるコスト的に押し勝てるだろうし」
「MP量無限とかならそれも無視出来るかしらね?」
「維持の為に余計なエネルギーが消費されるのだから、ミラー戦闘だと相手側だけその分の余計なコストが消費されて効果デバフ掛かる形に成るのじゃ無いか?」
「……相手の世界の中で相手と同じ事が出来ても普通に押し負ける。なんかアレな話ね」
「それは相手に都合の良いルールで戦うのだからやむを得ないだろう」
「あはは、なんかアレ過ぎるわね……」
「魔法や異能が有る世界はそれらが無い世界よりかなり便利だ。創作で科学の代わりに魔法が発達した世界なんて物は創作では良くあるが、この世界の場合科学がそれなりに発達した上で、魔法や異能もそれなりの水準で導入されたのだし、便利と言えば便利だ。問題点も増えた訳だけど」
「それはもう今更な話じゃ無い?」
「科学と魔法や異能の美味しい所取りをした世界を創る。と言いうのはどうだろう?つまり、魔法や異能産の悪用の余地の無い便利な物を大量に魔法や異能が誰にも使えない環境に導入する」
「……それが出来れば苦労はしないわよね?……後、もしそれが出来たとして、貴方はその空間でも魔法や異能を使える。そうじゃないとそもそもその前提と成る環境整備が出来ないもの。だから自分だけが魔法や異能を使える世界を用意した……とか言われても余り反論出来ない環境を創る事に成る気もするわね」
「……それに文句言う奴ならたぶんそいつらに都合の良い物を造る事以外は何を造ろうが文句言うよ。此方が主導の物が気に入らないのだろうし」
「とは言え、要はやる事は刀狩よね?」
「全員強制的にやるならともかく希望者にだけしかやらせる気は無いのだが」
「それは言い換えれば能力と言う武器を捨てよ、代わりに我の能力の庇護下に入れ……ま、敵対するつもりの人は当然拒否する要求よ、これは」
「……そう言う奴等も考慮しろとか言われてもさ……。当初の理想なはずだろ、その状態って。要するに問題は大して起きないけど魔法や異能の恩恵は受けられる世界なのだし」
「最初からそれなら文句は出なかったでしょうね。でもそれを現状からやる為にする別の言葉で言うなら軍縮会議に全員が問題無く賛成するなら戦争なんてそもそも起きないわよ」
「……魔法や異能の恩恵も得たい……と言うのを通そうとするとそうなるのはなんだかな」
「今更魔法や異能無しの環境へ戻れとか言われても、それらで便利に成って居た分だけ不便に自分からしろと言う事だもの。……まあ、不可抗力でそうせざる得なく成る場合は別としてだけど」
「……世界の誰かが魔法や異能を全て消し去りました。故に全員が魔法や異能無しの環境に強制的に戻らないと行けません。意思など関係なく、其処に議論の余地なんて有りません……と言う奴か。少数がそうなるならともかく、世界中の奴がそれをされるとか、ばれたら世界中から殺しに掛かられそうだな」
「それをやった人が魔法や異能を使えるままなら解らないわよ?」
「もしそうした場合、結局はそいつだって公の場では今まで通りには使えなくなると思うが。結局の所、魔法や異能を自由に使いたいなら自分から制限を掛ける行為だろ、それは」
「例えば世界中の奴を催眠術に掛けるならアレよね?」
「……つまり、世界中の奴に魔法や異能を自分は使えないって言う内容の催眠術を掛けるって言うのか?常時発動系能力以外はどんな相手にも催眠術が掛けられる前提でならなんとかなるかも知れんが、所有者の意思関係無しで発動する能力とか常時発動型持ちにはそれだけでは無理が有る気がする」
「でもそれなら任意発動系は潰れるわよね?」
「……そもそも相手に能力使わせなければ勝てるなら、能力を使えると言う認識自体を潰せば良いじゃ無いか、か。アレ過ぎるな。別に全部に通用する訳じゃ無いけども。……なんか他の世界の運用例でも見に行ってきて良いか?少し考えたいし」
「解ったわ。また後でね」
☩
そして幾つか世界を巡る。例えば碌に努力をして居ない借り物の力の万能型能力者が全てを支配して居る世界。……記録を見る限り王は人の心が解らない的な政策取りまくっているな……。まあ、中身が無く力だけが有るので、其処にたどり着く迄の過程を実感として理解しておらず、結果として必要な事を理解して居ないので、暗君に成って居ると言う事な様だ。これを失敗例とするなら次に傍目には成功例の場合を見る。……。如何やら力を得た際に人格や思考回路等に大幅に矯正が入り只の名君に成って居る様だ。名君(実質力を与えた奴の只の操り人形)……自分が最強なら全てに置いて勝てるなら全てを支配出来るなら他はどうでも良い人にはそれは最高でしょうが……。人格的にはもう死亡しているで、これ。……必要な事を理解して居ないので暗君か、自分の人格や思考回路を死亡させる代わりに名君。どちらにせよ自分がその立場に立つなら碌な物じゃ無いな。その名君の治める世界の人にある程度話を聞くと思うのは、……その世界の住民からすれば、こういうので良いよ、こういうので……過ぎる世界が出来ている様だ。……それは言い換えれば世界の住人への世界規模での接待が行われている世界とでも言おうか。……まあ、恐らく普通に対価を相応に貰って居るか、接待をされる事で産まれ、発散される感情エネルギーか何かが欲しいから接待世界でも問題が無いのだろう。……接待世界、か。一つの案としては有りだろうし、それは住人としても万々歳だろう。強欲な奴が奪いに来る可能性もそれなりに高く成る仕組みで有るだろうから、自然と外敵も多く成る運用モデルで有るとは思うが。……感情エネルギーや精神エネルギーを前提に据える事で、それが得られる行動をし続けて居れば生存には十分と成る。……まあ、うちの子供らの理屈を世界単位でやった物なのだろう。それにサキュバスなら娼館を経営するだけでも生きるには十分な気もする。接待を絶えず色々な人にしまくるとか……それなりにリターンが無いと俺ならやりたくねーな。そして更に調べると納得した。エネルギーを対価に要求していて大量にそれを払えば払うほどサービスを良くする。……まあ、アレだ。チップを払えば払うだけサービスを上乗せ出来ると言うだけの話ではあるが、値段表を見ると天井知らずでは有る。それはまあ、あくまでも最上のサービスを受けようとするならばの話では有るが。ああ、語弊が有るな、これだと。普通の値段に換算出来るエネルギー塊だけでもそれなりのサービスは受けられる。後、一部の仕様に限り、本来なら高額の物の一部は利用時にポイントが貯まるポイントカードに一定のポイントが溜まり次第ポイントカードと交換で受けられる物も有る様だ。……まあ、そうじゃないとそもそも高額払う奴が居ないなら幾ら高額設定をしても誰も払う奴いなくて台無しだし、金を払えばより良いサービスを受けられますよ、と言う為の物な様だ。今は一先ず切り上げるとするか。
☆
文章を此処まで飛ばした人に対して飛ばした部分の概要の説明をすると、今やりたい事とその問題点を考えて作る物を考えるために、他の場所に行き、失敗例と成功例を見た。と言う話だ。さて、取り敢えず色々と創ろうか。一先ず成功例の模倣から行こう。まず感情エネルギーで動く物を造る。うーん。脳波で動く機械は機械製の義手義足の高級品には魔法や異能を有りなら既に実用化されて居る。それをベースに感情エネルギーで発電設備を動かせれば後は蓄電設備が有れば良い。そしたら後はもう普通の電気設備で真似出来る。細かい理屈なんて現時点では解らんが、要は精神エネルギーや感情エネルギーで発電設備を動かせれば後は通常の考えで問題無い。問題はそれを実用範囲にする為に精神エネルギーや感情エネルギーがどれだけ必要か、だけだろう。それくらいなら詰めていくことにしますかね。
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