第5話もんじゃ焼きについて
この文章を書くにあたって東京の人にお断りしたい。決して東京の食文化を否定するわけでこの文章を書いている訳では無い。気分を害する方が居れば申し訳ない。
東京への憧れは大阪人として有る。日本の全てが集中する首都。一度は行かなければならないという義務感も有った。東京に着いた時は期待に膨らんだものだ。常に満員電車の山手線に戸惑いつつ、友人の案内で月島まで来た。目的はそう、もんじゃ焼きである。月島はもんじゃ焼きの店が多いと言う。友人のお勧めの店に入った。私はメニューを見た。
明太もんじゃ 八百五十円
これとビールを注文した。しばらくすると店員がやって来た。私は焼き方がわからないので店員にお願いした。感想を言うと感動が無い。ビシャビシャの生地が鉄板に広がる。これで八百五十円。文句も言いたくなる。ぐっとこらえてビールを飲む。友人に聞くと食べ頃らしい。しかしどう見ても生焼きである。小さなコテですくい、口に運ぶ。生焼けである。私は友人を悲しませる訳にはいかず、敢えて楽しく会話をした。と同時に酷く落胆した。東京の人はこれで満足するのだろうか。否、断じて否。
きっと東京の人ももんじゃ焼きには文句が有ると思う。そう思いたい。
はっきり言って、百五十円位だと僕の価値観は訴える。これが僕の東京の下町の味だった。
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