暴力女の子はいじめを許さない

 灰色の校舎。重たい階段、臭い下駄箱、埃のつまったトイレの手洗い場。

 学校は、どちらかといえば汚かった。運動場は砂っぽくて乾燥していた。池はどどめ色に汚れていた。


 手入れされていない花壇にはしわしわになったパンジーが侘しく風をうけてなゆいでいた。鶏は狂暴で、うんていは錆びていて池のめだかたちは半分死んでいる。


 そんな小学校だった。


 子供たちがうるさい。


 サッカー野球、ドッチボール。どれも仲間にはいれてもらえず。


 おままごと、かけっこ、鬼ごっこ、女子たちのピーチクパーチクおしゃべり。もちろんハブられた。私の居場所は図書館。


 むさぼるように本を読んだ。多分全部の棚を制覇したはずだ。

 つのる孤独。だけど、楽しい小説の世界。


 2つの感情に揺れながら毎日登校し、誰とも喋らず、下校する、を繰り返す。

 死にたかった。いなくなりたかった。



 いじめ、は受けなかった。私は気性があらく、やられたらやりかえしていたからだ。男のこに、からかわれたことがあった。私は、その子をひっぱたき、泣かせた。男のこはわんわん泣いた、痛かったんだろう。私は、先生に呼ばれ、その子に謝るはめになった。


 心から謝らなかったのを今も覚えている。ひねくれていたしプライドが高かった。


 いじめられそうになると撃退していた。腕力が強く、体力もあったから、やりかえす、は楽だった。



 トイレで、追いかけられ、その男子にキックしたのを今だに覚えている。

 あしげりが、背中にクリーンヒットし、その後、トイレでからかわれることはなくなった。


 その男子からは一目おかれるようになった。



 ただ、口喧嘩は苦手だった。女の子から、いじめられたことはない。ただ、仲間外れであった。それは間接的ないじめというのか?わからない。ただ、私には友達もいない、口をきく相手もいない。勉強だけしているようなものだ。

 孤独は精神を蝕む。精神的には弱かった。

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