第拾話 これはないな……ダメだろう……やってくれたなぁ~(後編)
列の最後尾に並び、しばらく待っていると私達の順番になった。
そして、門番をしている検問を担当をしている兵士とヒューイットさんが挨拶を交わし、話し始めた。
「よお! キース。」
「ヒューイットさん、どうもです。」
「予定より、早い数日早いお帰りですが、さすがヒューイットさんもう依頼終えた帰ってきたんですね。」
「まぁな。お前もしっかり頑張れよ。聞いたぜ、来月、結婚するらしいみたいじゃねか。」
「何で知っているんですか? ヒューイットさんに話してないし、ダンの奴がヒューイットさんにしゃべったんですね。まぁ、いいんですけどね。そうなんですよ。幼馴染でリアっていうんですけどね。リアの両親からやっと結婚の許しもらえて、来月、結婚することになったんです。えへへへ」
「結婚するから頑張って稼がなきゃならないですけど、幸せなので、頑張れます。」
「そうだな。頑張って稼いで、幸せにしてやれよ。」
「それより、さっきから気になったのですけど、後ろにいる子供は、
ヒューイットさんの知り合いですか?」
「おお、そっだった。世間話している場合じゃなかった。この子、依頼の帰りに黄泉の森に一人でいたんだけどな。拐われて、黄泉の森に置き去りにされたんじゃないかと予想しているだが、話を聞くと親はもういないらしいんだけど、王都で暮らしていたって言うから、連れてきたんだ。年齢的にまだ身分証ないなら、水晶での鑑定頼むわ。金は俺が払うから」
「わかりました。」
「あと、親がいないって言ってましたけど、ヒューイットさんが引き取って面倒みるつもりなんですか?」
「まだそこまで、考えてねえよ。まあ一度聞いてみるけどな。どうするかを決めるのはあいつだ。一緒にってなれば俺が責任持って、引き取るよ。」
少し離れて、小さな声で話していたので、何を話しているかは、わからなかったけど、ヒューイットさんと兵士が話を終え、兵士が水晶を持って私に近づいてきた。
「僕は、キースっていうんだ。君の名前教えてくれるかな? 君のステータスとか鑑定したいからこの水晶に触れてくれるかな」
「私、アオイっていいます。これに触れればいいんですね。わかりました。」
この世界で姓があるのは、王族や貴族だけみたいなので、名前だけを言って、キースさんの持ってきた、水晶に触れた。
すると、水晶が青く光り、私のステータスが水晶に表示された。
【名前:アオイ 年齢:四歳 犯罪歴:なし】
「もういいよ。問題ないね。」
「ほらよ。大銀貨五枚な」
問題ないことがわかると、ヒューイットさんは、キースさんにお金を渡した。
「確かに」
キースさんはお金を受け取った、大銀貨五枚あることを確認した。
「行くぞ。アオイ」
「キース、結婚祝い楽しみにしてろよ。」
「はい。楽しみにしてます。」
そんな会話をして、私とヒューイットさんは、キースさんお別れ、門を抜け王都に入り、キースさんは、仕事に戻っていった。
「じゃあ、先ずは、アオイの家に行くか?それともギルドに仮登録しに行くか?」
そうヒューイットさんに聞かれ、今後まだどうするか決めてない私は、ヒューイットさんとキースさんが話している間に、ヴィーナからダメ神が用意したという家の場所を教えてもらっていたので
「とりあえず、家に帰る。」
そう答え、家がある場所まで歩いていった。
「ここが、アオイの家か? 随分とデカい家だな。屋敷じゃねえか。アオイ本当に貴族じゃないだよな?」
そして、私とヒューイットさんは家の前まで到着したのだが、家をみたヒューイットさんの言葉が先ほどのである。
「うん。貴族じゃないよ。」
用意したという家を見て、かなり動揺しながら、そう答えることしかできなかった。
ヒューイットさんの言った通り、これはどうみても屋敷である。
貴族ではないと、苦しいながらもとりあえず、否定したが、これ見て信じてもらえるとは思えず、これはダメだろう。やってくれたなぁ~ ダメ神が~と心の中で叫ぶ私であった。
気のせいだろうが、ヴィーナが(アヒャヒャヒャヒャ、お腹痛い、アハァハァハァハァ)と大笑いしている声が聞こえた気がしたのである……
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