日常

第7話 国王としての日常。

国王とは忙しいものである。

毎日のように書類に目を通し各関連部署に解釈変更を命令する。

そして毎月あるモリソン神王国全国会議で施政方針演説をしなければならない。ここの演説は今後の行政運営の方針になりわかりにくくなるとさっきみたいに解釈変更をしなければならなくなる。


そして今日がモリソン神王国全国会議の日だ。

全国会議には各地方で貴族たちを監視する役所の長、領長や各関連部署の局長らが臨席していた。


「では今月も平和に全国会議が開けることをうれしく思う。

我々国のため民のために期待に応える成果を出すことを私も期待している。

ではまず我が神聖なるモリソン神王国のさらなる拡大に関することだ。

私はモリソン神王国の民だけでなく大陸中、いや世界中の人々の安寧を願っている。

そのためにも不拡大方針を撤回し悪政を敷く隣国、馬島軍閥なる国を解放する。

この提案に御異議はあるか?」


「異議なし!」


皆が一堂に言う。


「ふむ。反対意見がないとして来春。侵攻をする。各部署は準備を怠らないように。では解散」


全国会議は一つだけ議題が上がることは少ないがこの議題は軍部だけでなく予算編成で財務部、占領地の防衛・治安維持に防衛部、占領地の民の生活保障に生活保障部、言語・文化統一に教育部、通商部では武器の輸入等。

といろいろやることができた。


「午前の予定はこれで終わりです」


王宮部の国王秘書が伝える。


「ふむ。午後からは」


「午後からの予定はありません。おやすみになってください」


「わかった」


そういうと執務室ではなく離宮の方へ向かう。


「あ、陛下。お疲れ様でございます」


「あぁジュリアーニ夫人。そちらが娘のアイリか?」


「はい。陛下が娘のアイリでございます」


「アイリでございます。陛下」


なぜ俺がアイリにの名付け親かというと。

丁度アイリを身ごもっていたジュリアーニ夫人と国王主催のパーティーで会っていた。そのときジュリアーニ夫人と話す機会がありその話題が子供のことだった。その話のときにジュリアーニ夫人の方から


「陛下が名付けてくれませんでしょうか」


と気を使って言った。

俺は酒も入っていて、


「じゃあ其方の娘はアイリじゃ」


とおじさん口調になって名付けた。

俺も朝起きた時に憶えていたが酒の席で話したことだからと

気にしていなかったがどうやらそれを聞いていた王宮部の者が

忖度して王令を出した。


‘‘バジル侯爵夫人ジュリアーニ夫人の子をアイリと名付ける‘‘


王国内でこの情報は出回り祝福された。


やっと陛下にも御子が生まれたと。

まぁ勘違いだったのだが。


「では昼食をとろう。其処の者。昼食を持って参れ」


「畏まりました」


食事が机に並べられている台の前にある椅子に座る。


「では頂こう」


昼食に手を付けたところで義理の娘であるアイリに話しかける。


「アイリ。学園では普段どんな生活をしているのかな?」


アイリが普段どういう学校生活を送っているのかが気になっていた。


「ふ、普段ですか?普段は研究室に閉じこもっています」


「研究?何を研究しているのかな?」


「あの、え、あ」


アイリが困惑していると夫人が声をかけた。


「すいません陛下。アイリは少し人見知りなところがありますので」


「そうか。すまんな。まぁ夫人、後宮では自由にしてくれて構わんからな」


「お心遣い。ありがとうございます」


「ふむ。では食事も済んだところだ。私は少し外に出てくる。

そこの者、王宮部警備課長に外に出ると伝えてくれ」


「畏まりました」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る