ある日、いつものように政務を執り行っているとブライアンが慌てた様子で執務室に入ってきた。

「失礼します、アラン様。緊急事態です。恐れていたことが起こりました」

そういってブライアンが手に持っていた書類を俺に渡してきた。

その内容は分家だった4つの家が同盟を組んで本家であるアーチボルド家に宣戦布告をしてきたという内容だった。

「ブライアン、これに間違いはないのか？」

分家同士が同盟を組むことは想定されていたが、分家同士の中が悪かったこともあってすべての分家が同盟を組むことは想定されていなかった。このままでは四正面作戦を行って領地の防衛を行う必要がある。

「はい。間違いありません。諜報機関が各分家の通信を傍受ていましたが、その内容とこの宣戦布告文の内容は一致します。すぐにでも対応しるべきかと」

「ああ。そうだな、少しずつ戦時体制へ移行していたがこうなっては移行スピードを上げなければこちらがやられる」

帝都から脱出して来てから少しずつ経済に影響がすぐ出てないよう気を付けながら戦時体制へ移行していたが、こうなってはすぐにでも移行すべきだ。

「アイ！そういうことだ、すぐにでも役人たちと軍に連絡を。俺からはルドルフ男爵へ連絡を入れておく」

この戦争に勝ち分家の領地を取り戻すと男爵領と隣接するようになる。自分の領土を守れるし俺に仕えている家の領地を隣接することができるから一石二鳥だ。

「このことは国営放送ですぐに領民達に知らせる。怖がらせてしまうかもしれないが、ここで今起こっていることを伝えて今の状況を理解してもらう」

もし、知らせることなく戦時体制へ移行したらよくない噂が飛び交って治安が低下する恐れがある。最悪、反乱が起こってもおかしくはない。

「「はい。かしこまりました」

次にするべきことが固まり、アイとの通信が切れ、ブライアンはこのことを役人たちを調整するために退出していった。

俺は退出していったのを確認するとルドルフ男爵へ通信を行った。

「ルドルフ男爵、アランだ。早速で悪いがまずいことになった。アーチボルド家の分家だった4つの家が同盟を組んで戦争を仕掛けてきた。ルドルフ男爵にはこの防衛戦争の全体指揮を執ってもらう。頼んだぞ」

突然のある日、いつものように政務を執り行っているとブライアンが慌てた様子で執務室に入ってきた。

「失礼します、アラン様。緊急事態です。恐れていたことが起こりました」

そういってブライアンが手に持っていた書類を俺に渡してきた。

その内容は分家だった4つの家が同盟を組んで本家であるアーチボルド家に宣戦布告をしてきたという内容だった。

「ブライアン、これに間違いはないのか？」

「ああ。そうだな、少しずつ戦時体制へ移行していたがこうなっては移行スピードを上げなければこちらがやられる」

「アイ！そういうことだ、すぐにでも役人たちと軍に連絡を。俺からはルドルフ男爵へ連絡を入れておく」

もし、知らせることなく戦時体制へ移行したらよくない噂が飛び交って治安が低下する恐れがある。最悪、反乱が起こってもおかしくはない。

「「はい。かしこまりました」

次にするべきことが固まり、アイとの通信が切れ、ブライアンはこのことを役人たちを調整するために退出していった。

俺は退出していったのを確認するとルドルフ男爵へ通信を行った。

突然の通信で驚いた様子だったが話の内容を聞くとすぐに切り替えて話を聞いてくれた。

「はい。すぐにでも。各国境に配置している防衛隊にも伝達し、増援を送ることを軍にて検討します」

すぐに動いてくれることを聞いた俺は通信を切り、領民達に説明をするために国営放送局へ連絡をする。

「放映局長はいるか？急ぎに様なんだすぐに取り次いでくれ」

「ア、アラン様⁉かしこまりました。すぐにお取次ぎいたします」

直通の通信に出たのは秘書だったようで慌てて放映局長へと通信を変わった。

「通信変わりました。してご用件とは？」

「4つも分家が宣戦布告をしてきた。それに伴って我が領は即刻戦時体制へ移行する。そのことについての説明を俺が領民達に行う」

「あの裏切り4分家がですか⁉あいつらは裏切った挙句戦争を仕掛けてくるとはなんと恩知らずな！」

放映局長は激昂して声を荒げてしまう。裏切り4分家というのは一般の領民達に広まっている宣戦布告をしてきた4つの分家へ向けた蔑称だ。

それだけ俺を裏切った家に領民達は怒りを抱いているのだろう。

「わかったから落ち着け。それで調整はできるか？」

「ええ。それぐらいだったら何の問題もありません。今すぐにと言われてもできますよ」

「ああ、わかった。ありがとう」

放送枠を取れたのたので俺は通信を切り、今日の政務を行うのだった。

◇

翌日

俺は今、領都の演説台で国民へ向けた説明をしている。

『本日より我が領は戦時体制へ移行する！これは4つの分家が同盟を組み宣戦布告をしてきたことで移行することになった。そして、行政府はこの事態を予想していなかったわけではない！この時のために私はルドルフ男爵をスカウトし、軍の最高責任者に任命している。帝国は内戦状態で我が領もついに戦争に巻き込まれることになった。だが！皆は恐れないでほしい。皆が信じて軍を応援することがこの防衛戦争の勝利へ近づく切符になるのだ』

この日の放送局での視聴率は80％を超えた。

領民達は4つの分家への憎悪をたぎらせてしまっているがアンケートによると、分家が治めている領地にするんでいる領民達を恨んではいないようだ。

戦争前に考えることじゃないが、4つの分家を合わせた国力でもアーチボルド家の国力の4分の1にも届かない。まともな経営をしてこなかったからだ。

そんな家が同盟を組んだからといって、格上の家に喧嘩を売るなんて考えられない。

分家を焚きつけた者がいるはずだ。諜報機関に首謀者の特定を指示しなければならない。