第7話 動乱の始まり
帝都に到着たが式典まで3時間ある。
式典までやることはないのでそれまではブレンダと帝都観光でもしようか。
「ブライアン。式典の時間までブレンダと帝都観光に行ってくる。付き人を何人か見繕ってくれ」
「にいさま!にいさま!わたしはおなかがすきました…」
「そういえば、もう昼食時だな。観光の前に何か食べるか」
ホテルのチェックインはブライアンに任せて、俺とブレンダは付き人と一緒に昼食を取りに行った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「にいさま!ここのお料理はおいしいですね」
「ブレンダ。口にソースがついてるぞ、ほら帝都に到着たが式典まで3時間ある。
式典までやることはないのでそれまではブレンダと帝都観光でもしようか。
「ブライアン。式典の時間までブレンダと帝都観光に行ってくる。付き人を何人か見繕ってくれ」
「にいさま!にいさま!わたしはおなかがすきました…」
「そういえば、もう昼食時だな。観光の前に何か食べるか」
ホテルのチェックインはブライアンに任せて、俺とブレンダは付き人と一緒に昼食を取りに行った。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「にいさま!ここのお料理はおいしいですね」
「ブレンダ。口にソースがついてるぞ、ほら」
ブレンダの口にパスタのソースがついているのでハンカチで取ってやる。
「う、うぐ…。ありがとうございます、にいさま」
――食後
帝国の首都というだけあって名店の本店があって楽しめた。領にも展開している店もあったので時間があったらいってみるか。
俺は特に行きたい場所はないしここでブレンダが欲しいものを買ってやるか。家ではあまりかまってやれてないし。
「よし!ブレンダ!どこか行きたいところはあるか?何でも買ってやるぞ」
「ほ、ほんとうですか!」
そういうとブレンダは目をキラキラさせ、どこからまわるか悩んでいる。
女の子だしアクセサリーや服飾を取り扱っている店がいいんだろうか。
それから俺たちは時間が来るまで時間いっぱい帝都観光を楽しんだ。今までブレンダと遊ぶことがなかったから距離が少し縮まったと思う。
時間が来て、ブライアンが迎えに来た。これから式典用の衣装に着替えて勲章をもらう。それが終わったらすぐに領へ帰る。政務が溜まってるだろうからな。
◇
式典が始まった。さすが超大国が行う式典だけあって規模がおかしい。表彰されるのは俺一人なのに…。
国歌を歌唱団が歌い、皇帝陛下が表彰に至った経緯を話している。
もうすぐ俺は陛下の御前に行き、勲章をいただく。これは国外にも放送されている。
そう思うと緊張してきた。
緊張が心臓がバクバクしている中、俺は陛下の前まで来た。
勲章をもらうときの礼儀として片膝を地面につけ頭を下げる。
この状態で陛下が勲章を付けてくださる。
事前に言われた通りに膝をついて待っていると、突然銃声が聞こえた。
うめき声が聞こえて顔を上げると陛下が首を抑えて仰向きに倒れた。
全世界に放送されている式典で皇帝陛下の暗殺事件が起こった。会場は騒然となり、俺は控えていた近衛兵に誘導され控室まで非難した。
外では怒号の他に剣戟の音、銃声が聞こえる。遠くからは魔道機動人形の駆動音も聞こえる。
式典があっという間に戦場になるみたいだ。
急いでブレンダとブライアンを連れて逃げないとこの戦いに巻き込まれる。
貴族としては戦うべきだろうが、今は安全な場所に行って状況を確認しなければならない。
ブレンダ達を探そうと控室から慎重に出ようとしていると丁度ブライアンがブレンダを連れてこちらに来た。
「アラン様、犯人はわかりませんが皇帝陛下が暗殺されました。この場所は陛下が殺された際の動揺をついて他国からの侵略を受けています。早く領へ避難しましょう」
ブレンダは初めて人が死ぬところを見たためか顔いろが悪い。実年齢では40歳近い年齢で前世ではいい大人だが、この世界では幼年学校にも通っていない子供だ。
「戦況も悪くこのままでは帝都は落とされる可能性が高く、急がなければ脱出が不可能になります。さぁ、アラン様、ブレンダ様こちらに。」
そんなにまずいのか、戦いの音がだんだん大きくなっているしこれはいよいよまずいようだ。
「会場の裏にアーチボルド家の魔道艦を呼びつけています。私についてきて下さい」
「ああ、わかった。案内を頼む」
「にいさま、わたしたちだいじょうぶかな?」
俺もこんなことは経験したことはなく不安だが、ここで俺が狼狽えるとブレンダにも伝播してしまう。
「大丈夫さ。いざとなったら俺がどうにかする」
戦場は初めてで去勢を張っただけだがブレンダが少しでも安心できるのならいくらでも虚勢を張ろう。
3人で会場裏にある魔道艦を目指いして移動しているがとうとう式典会場へ向けて艦砲射撃が始まったようでところどころ崩れてきている。
早くいかないと魔道艦が撃沈されてしまう。
急がないと。
移動中、十字路で3人の敵兵と思われる兵士と鉢合わせた。
くそっ。こんな時に…!
「お前がアラン・アーチボルドだな?お前は最重要殺害対象だ。死んでもらう」
1人の敵兵が魔力を高圧力で押し出して対象を切断する魔力剣を振りかぶった。
その攻撃はブレンダが護身用に持っていた仕込み杖で防いだがあと2人いる。
敵兵2人が銃を構えたとこで気づいた、1人がブレンダを狙っている!
それはそれに気づくと銃が打たれると同時にブレンダを押しのけ、儀式用の剣で銃弾をそらした。
だが十分にそらすことができていなかったようで右手の甲が少し銃弾で抉れた。
激痛が走るが今までの修練のおかげか反射的に反撃をしていた。
――気づくと敵兵2人を切り殺していた。
初めて人を切り殺した感触が気持ち悪く、気分が悪くなる。前世は戦争の”せ”の字も知らない日本人だったんだ。
反射的に人を切り殺した自分が怖くなった。
でもここで動けなくなったら逃げれなくなる。剣を持っていた右手をみていると、ブライアンも敵を無力化したようで話しかけてきた。
「アラン様、誰でも人を殺す感触は慣れることはありません。むしろ人を殺して何も感じないなどもはや狂人の類でしょう。それに私たちは殺されかけたのです。気に病む必要はございません」
ブライアンにそう言われ今は人を殺したことから目を背けることにする。
「にいさま、ありがとうございます。助かりました。」
右手を怪我したことを思い出したズキズキを痛み始めた。
それに気づいたブレンダはハンカチを取り出して傷口を縛ってくれた。
「ありがとう、ブレンダ」
「いや、これくらいは」
そうしていると揺れが大きくなり、いよいよまずくなってきた。
俺たちは急いで魔道艦へ向かい何とか到着した。
どうやら魔道艦は撃沈されずに済んだようだ。艦長の指示に従って船に乗り俺たちは帝都を脱出した。
◇
――1週間後
帝都から帰還して俺たちを待っていたのは他国が大同盟を組んで帝国に戦争を仕掛け、帝国は負けて皇族は処刑されたという事実だった。
帝国内に裏切り者がいたようであっという間に攻め滅ぼされたようだ。
その結果、帝国領は分断され、他国がそれぞれ領地を奪っていった。
ゲームではこの戦争に勝っていたが、アラン・アーチボルド式典は存在していなかった。
そもそもゲームのアランは俺ではないからバタフライエフェクト的な何かによってストーリーが変わったみたいだ。
戦争に勝利した国々は戦争に勝った後、内輪揉めをはじめこちらをかまっている余裕がないようだ。
元帝国は皇族がいなくなり群雄割拠の戦国時代に逆行した。
戦国時代の教訓を習ったはずの今の貴族たちが戦争を始めたのは理由がある。
それは、裏切った家が隣接している領を収めている貴族を攻め滅ぼしたからだ。
アーチボルド家以外の領軍は見た目だけのオンボロ装備だったことが幸いし、俺がos治めている領の被害はほとんどない。
これからは治安が低下し、他領からの難民が増えるだろう。
最後は俺も戦争をして身を守る必要が出てくるかもしれん。
折角、経済が成長し軍備を整えひと段落だったのに…。
この戦国時代を生き残るためにはやることが多い。
これから忙しくなりそうだ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
読んでくださりありがとうございます。
4月18日18:00に予約投稿しました。
是非読んでください!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます