第拾弐階層 安堵と帰還

ソフィアも眠ったのか、静かになったので深く息を吐く・・・。

とりあえず、オーガの魔石を拾いあげる。


オーガの魔石は拳ほどの大きさで、紫色だが綺麗に透き通っている。初めてみる大きさと綺麗さに驚きつつも腰につけた袋に詰め込んだ。


そして、第三階層へとゆっくりと歩きだした。



その後は、本当に何も起きずモンスターにも出会わず無事に第三階層への階段まで戻ってこれた。


「ふぅ・・・。とりあえずは第三階層か。」

第四階層と第三階層の間にある階段に腰を下ろす。

手持ちの荷物にあったチョコ菓子を取り出す。既にぐちゃぐちゃで袋も空いているが口に含んだ。


生き返るわぁ・・・。口の中一杯に甘さが広がる。ペットボトルのお茶を飲み。その勢いで一本丸々飲みきった。糖分と水分をしっかり補給して10分ほど休憩する。


身体も頭も多少すっきりし始めたので、第三階層へと階段を上る。


ようやくここまで戻ってこれたので、いつも以上にゆっくりとした足取りでダンジョン入口まで戻るか。出来る限り慎重にということでゴブリンソルジャーとは出来るかぎり戦闘は避けた。


それでも数度はどうしても帰るには通らないといけない場所があったので戦ったが一対一なら特に問題なくゴブリンソルジャーと戦えたし普通に倒せた。

落ち着いて普通に戦えればの話なのだろう、最初のように戦闘中に緊張したり混乱したりするとダメなんだと精神力もないと攻略者としてダメというか死ぬということなんだろうと・・・、今更ながら実感した。

今までだと少しゲーム感覚で攻略者をしていたのかもしれない。これからはもっと真剣に向き合わないといけない。ダンジョンに対しても、攻略者に対しても・・・。


そう考え、心に刻み込む。

気持ちを集中させたが、その後はその甲斐もあったか分からないが、特に何も起きずそのまま第二・第一階層までも順調に戻り、無事にギルドまで戻ってこれた。


ギルドに入り、拾ったゴブリン、ゴブリンソルジャー、そしてオーガの魔石が入った袋をカウンターに渡す。


「朝日野様ですね、実践試験お疲れ様でした。魔石ですが・・・、ゴブリンソルジャーの魔石と20個確認取れましたので、食堂でお待ちください。それと、この魔石はもしかしてオーガの魔石でしょうか・・・?」


「その・・・、色々あったというか多々ありまして・・・、オーガの魔石だと思います。」

頭をかきながら言い訳を考えたが思い浮かばす、ただただ有耶無耶に説明する。


「そうですか・・・、詳しくは試験終了後にお時間をいただきますので合否発表後も帰宅せずお待ちください。」


「はい・・・。」


その後、カウンターの係の人は裏へと戻っていき、俺は食堂へと向かった。



色々あり過ぎて疲れた・・・。

食堂に入り、席に着くと何も頼まずそのままテーブルに突っ伏して意識を失った・・・。

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