第八階層 悪魔と契約
「ギギャー」
そんな状況を知ってか知らずかゴブリンソルジャーが勢い良くが飛びあがり、俺に襲い掛かってきた。
咄嗟に腕で頭を守る。
両腕に強い衝撃が伝わり、後ろへと突き飛ばされた。
頭が少し朦朧とする。
そして鉄の味がする。鉄の味がしたことで口の中を切ったことを確認する。
かなり危険な状況だ。
俺の武器はゴブリンソルジャーの足元にあり、ゴブリンソルジャーの後ろからはゴブリンが3体ほど加勢にやってきている。半面俺は丸腰。
そう言えば、今更ながら悪魔召喚というスキルを思い出す。
スキルの発動は、何よりも気持ちが大事らしい。
脳で考え、心で感じ、口で発することで使用できると講義で習った。
それに習い、悪魔を想像し、心の中で思いを込める。そしてスキルを発動させる。
口に付いた血を手でぬぐい、唱える。
「召喚」
ゴブリンソルジャーと俺の間に黒く禍々しい球が渦を巻いて発生する。
そして、その球はどんどんと大きくなり、俺の視界一面まで大きくなる。
「我を召喚し力を欲するのはヌシか・・・。我と契約し偉大なる力を得るのなら契約しろ・・・。そして、我に代償を・・・。」
頭に響く、低く重い威厳のある声。
なにより邪悪な気配がする。しかし、俺ははっきりと答える。
「俺は契約する者。俺の血、この血で代償を払う。」
「承知・・・、契約は成立した・・・。」
さっきまで広がっていた黒く禍々しい霧はどんどんと収縮していく。
霧が一つの塊になろうとする、霧が晴れる代わりにその塊の姿がはっきりとしていく・・・。
「我が名はソフィア・ルクス。我は契約し者と共に。」
目の前に小さな女の子が現れた。
その子は綺麗な銀色の髪と背中には小さな蝙蝠の羽が生えていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます