第六階層 試験開始と待ち時間
―数日後の試験開始日―
今日まで、試験最低条件のレベル5ということで稼いだ金額をほぼレベル上げにつぎ込んだ。
レベル5まで上げるのに使った金額は大体5万円、レベルが5になったのでステータスを確認したので合わせて6万円ほど使用した。
これからの自分自身への投資という事で、ここは踏ん張りどころ、我慢しないといけないと思いつつもお金の未練は捨てきれない。
さて現在のステータスは・・・
あとステータスと合わせてスキルの確認もした。
レベル:5
魔力 :500
筋力 :450
丈夫さ :450
俊敏 :230
魔力 :1
器用 :90
スキル:悪魔召喚(1/1)
な・・なんでや・・・。あまりの厳しい現実に目の前が真っ暗になった。
もう気にしないと誓ったがまさか魔力が1のままなんて。
まあ、ステータスは置いておいて「悪魔召喚」か・・・。
なんかめちゃくちゃ強さそうなスキルがあった。
はっ!?
しかし、一瞬で輝かしい未来が視えた!私にも視えるぞラ○ァ・・・。
今後は「魔力」のステータスは見なかったことにしよう。むしろ、魔力の欄は黒塗りにしておこう(脳内でのみ)。
そもそも魔力なんてそんなステータスは無かったんだ。そうしよう。
そして、召喚した悪魔に魔法を打たせればいいんだ!!
ステータス(主に魔力)のことを記憶から完全に抹消していると試験開始時間になった。
「試験の内容は制限時間内までに1人で3階層に到達しゴブリンソルジャーを一体以上討伐、
それと魔石を20個以上持ってくる事です。今日試験だといって無理しないようにしてください。
試験は何度でも受けれますので慎重に行動してください。また、くれぐれも3階層以上深くには行かないでくださいね。」
試験官は特に慎重という言葉を付け加えて説明は終わった。
周りの研修者の達も少し不安と緊張感が漂う。
今回の受験者は全員で30名ほど。
この内数名は前回試験の脱落者で再試験らしい。
マサはこんな情報をいったいどこで手に入れているんだろうか、コミュニケーション能力はずば抜けて高いなと珍しく心の中で褒める。
今日の試験は1人ずつ、少し時間を空けてダンジョンに入るようで、俺は一番最後の出発だった。なんで俺が最後なんだ・・・。
まあ、運が無かったと諦めて食堂に移動する。
俺は静かに待っている、なぜなら俺に待ち時間中の話し相手がいないからだ。
今思えば、他の冒険者と会話したことがあまりないな、大体マサとヒカルしか話す相手がいないからだ。
そんなマサは別のグループと今日の打ち上げの話している。
そして、ヒカルは試験前でも今でも女に囲まれてその対応で手が離せない状態だった。
こんなところでも俺はボッチなのか!と叫びたい気持ちを抑えていた。
休憩所でもボッチなので時間つぶしに寝ることにした。
そう、今日の俺は眠い。
眠い理由を少しだけ懺悔しよう、昨日俺はほんの少しだけ徹夜したんだ。
レベルアップで余ったお金でソシャゲに注ぎ込んでいたら、ほんの少しだけ寝るのが遅くなった。ほんの少し、ほんの少しと思っていたら・・・といった具合だ。
そのほんの少しが気が付いたら朝4時だった。
これも若さゆえの過ち・・・。
まあ、そんなに若くは無く既にアラサー手前の俺には結構きつい。
そう身に染みて実感した、今日の朝日は目に染みたぜ・・・。
さて、今日は研修者の試験日とあり、休憩所には人がそこそこいる。
強い新人を自分のパーティーに入れようと、休憩所ではスカウトを目的に研修者同士でチームの勧誘を行っている。
俺が入るなり品定めするように見てくる輩が多かっのもそのせいだ。
結局誰からも勧誘は受けなかったがな!
おかげで席に着くと直ぐに静かに深い眠りに付けた。
勧誘されるとか、少しも期待なんてしてなかったわ!
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