第五階層 祭壇とレベルアップ
背に腹は代えられないか・・・、もっと稼ぐにはレベルアップするしかないか・・・。
翌日、受付でレベルアップの手続きをして場所へ向かう。
受付から番号札を受け取り、「祭壇」へと向かう。
「祭壇」にてギルドに料金を支払う、体内で溜まった「魔素」を消化してレベルを上げる。という流れだ。
より多くお金を稼ぐにはより強いモンスターを倒して良い魔石もしくはレアアイテムを手に入れなければならない、
より強いモンスターを倒すには高レベルにならなければならない、
高レベルに成る為にはお金を稼がなければならない。と良い感じに上手いサイクルになっている。
また、「祭壇」ではレベルアップのほかにステータスの確認が出来る。
ステータスの確認が出来るスキルが無い俺のようなモブ攻略者は「祭壇」でなければ自分のステータスは分からないという事になる。
自分のステータスぐらいは常に見ておきたいのだが、なんともリアルな設定だなと思っている人は多いはずだ・・・。
列に並び、初めての祭壇デビューとのことでドキドキしながら待つこと30分、
30歳目前のおっさんになってこんな気持ちになるなんて、新鮮だ・・・。
「お次の方、中にお入りください。」
若い女性の声があり、中に入る。
中には、巫女の姿をした美少(幼)女と、
狐のようなお面で顔を隠した巫女姿の女性が両脇にいた。
「本日はレベルUPでしょうか?それともステータス・スキルの確認でしょうか?」
少し驚いて思考が止まっていると、
「本日のご用件はステータスの確認とレベルアップでよろしいでしょうか?」
狐のお面をした女性から確認するように尋ねられた。
「はい、レベルUPとステータスの確認でお願いします。」
巫女が幼女?と驚いたが俺はロリコンじゃないから驚いただけ。
しかし、一部のマニアにはヨダレものだろうな・・。
「分かりました。では、そこに楽な姿勢でお座りください。」
狐のお面をした女性からは特に説明も無く事務的な返答を貰い、指示通り茣蓙の敷かれたところにあぐらで座る。
「終わりました。今回はレベル1から2へのUPですので1万円、ステータスの確認で1万円になります。」
巫女の姿をした少女がお祈りを捧げること数秒、おれ自身が薄っすら光ったような光らなかったような、思ったよりもあっけなくレベルUPが終了した。
「これだけで2万 円か・・・。」
高レベルになればなるほど請求金額が高くなるのでレベルUPするだけで金欠になりかねないな。
兎にも角にもワクワクしながら始めて自分のステータスが書かれた紙を確認してみた。
ステータス
レベル:1 ⇒ 2
魔素量 :100 ⇒ 200
筋力 :50 ⇒ 150
丈夫さ :50 ⇒ 150
俊敏 :30 ⇒ 80
魔力 : 1 ⇒ 1
器用さ :20 ⇒ 30
アレ?
魔力が 1 って・・・。
ほぼない・・。
なんだろう、視界がぼやけるなぁ、なんだか目頭が熱くなってきてるし。。。
とりあえず、偏っているのは我慢しよう。
でも、魔力1て・・・。
他の人とも比較することも出来ないが、数字的には悪くない伸びだと無理やり納得しながら、素直に自分が強くなったことに対しては嬉しかったが魔力の数字が気になり過ぎてモヤモヤしている。
初期ステータスもレベルアップ後を見ても自分が完全無欠の物理攻撃系だという事だけは俺でも簡単に分かった。
筋力と丈夫さの伸びが凄い事になっているのは満足しているが、こんなファンタジーな所で冒険者として働くくらいならド派手な魔法とか使う魔法使い系になりたかった。
魔力は1なんだよな・・・。
魔法をぶっ放すはあきらめるしかない・・・。
まあ、ちょっと気分転換に今日は早めに帰って「半額シール」の弁当でも買っていくか・・・。
その後は自室で半額シールの弁当、お惣菜とで発泡酒を楽しむのであった。
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