第三階層 新人と修理代
新人攻略者の朝は早い。
駅までの道中でおにぎり、サンドイッチなど簡単に食べれる物を買う。
飲み物はスーパーで買い置きしてあるので、地道に節制する。
自炊レベルが低いので自分ではおにぎりでさえ面倒だと感じてしまう・・・。
休憩所でコンビニで買ったもので簡単に朝食を済ませる。
今日の朝食は、野菜ジュースとツナサンド。
防具と武器を借りて身体をほぐす為ストレッチをしながらダンジョンへ向かう。
ダンジョン入場の開始時間は特に指定されていないが、
午前中はあまり人がいないのでスムーズに受付が出来るし、
ダンジョン内でモンスターの取り合いにならなくて良いと実感もしているので、
この新人用ダンジョンからはこのルーティーンで固まりつつある。
まあ、別に朝起きられない体質でもないので
これからも他のダンジョンへ行っても変えるつもりは無い。
「朝日野様、新人過程も順調のようですので、そろそろレベルアップをご検討されてみてはいかがでしょうか?
新人過程の卒業試験の受験資格はレベル5以上ですので、
もし受けられるようでしたら試験当日までに準備のほどよろしくお願いします。」
そう、俺が今一生懸命節約しているのは「レベルアップ」をするためだ。
ただ、この新人用ダンジョンではゴブリンしか出現しない。
また、ほとんどダンジョンアイテムという摩訶不思議な力が込められている「物」を落とさない。
ちなみに、俺がレンタルしている防具は皮製の胸当て、武器は1メートルほどの棍棒。
とあるRPGの初期装備よりは少しはマシだなと思いつつ、ゴブリンの頭にこん棒を叩きつけている。
そして、ゴブリンの魔石をこつこつ拾っていく。
朝から3時間ほどサーチアンドデストロイしていく。
流石に身体も疲れてきたので、いったんギルドへ戻り昼食と休憩をとることにした。
そろそろ試験に向けてレベル上げしないとな・・・。
レベル上げか、ゲームの世界だったら自然と上がって欲しいのだけれど。
現実は、お金を払ってレベルアップをしないといけない。
厳密に説明すると
その後も、もう何匹倒して、何回叩いたか覚えていないぐらい叩きまくった。
まあ、未だに会社と特定の人物への恨みつらみを込めてゴブリンの頭をカチ割る。
運動というなの一方的な暴力、そしてストレスの発散、そしてお金稼ぎと考えれば、
会社勤めよりも断然苦じゃないなと思いながらも夕方までカチ割るのであった。
「朝日野様、ご無事の帰還を確認いたしました。本日の魔石ですが・・・。
いつもより多いのですね、あまり無茶はなさらないようにお願いいたします。
それと、レンタルした武器ですが、
これは破損が激しいのでお支払いが発生しますがよろしいでしょうか?。」
「そうなんですか、残念です・・・。
引き取り金額から差し引いてください。」
マジか・・・。
レンタル武器壊してしまった。
後半は力任せに叩きすぎたせいか・・・。
「承知いたしました。
手数料を差し引きまして魔石の引取り金額は54,000円になります。
また、 レンタル武器の修理代として20,000円になります。ですので、朝日野様へのお支払いは34,000円になります。またのご攻略お待ちしております。」
ガックリと頭を下げその場を後にする。
思ってたよりも修理代が高かったな・・・。
装備も自分用に買わないといけないのか、
でもレベル上げも考えるとちょっと厳しいな・・・。
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