第二階層 噂話と少ない友人

ヒカルには悪いが、マサの自慢話も聞いている側も限界がある。

俺はヒカル、お前の事は忘れない、生贄となってマサの自慢話を聞いてやってくれ・・・。


と、大げさに思いつつそんな話も大分飽きてきたので飲み物を買いに行くと逃げるように一旦席から離れる。


さて、席を立ったついでに少し周りの攻略者でも見てみようかな。



ある一角で騒いでいるテーブルが視界に入った。

少なくとも温厚そうなグループではなかったので、かなり目立っている。悪い意味で・・・。

それもあってか周りに座っている攻略者はいなかった。



同じ試験日にはあんな顔の奴らは居なかったはず。

もしかすると、俺らの後の試験を受けた人たちかな。。。


まず、初めの攻略者は自衛隊や警察を中心としたエリート。

次に俺らのような一般応募だと聞いている。

ただ噂では、前科持ちなどの普通の職業や社会復帰しにくい人たちの再雇用も既に始まっているらしい。

まあ、ただの噂話で実際にはまだ見てないし確認もしようがないから分からないけど日のない所に煙は出ないと思うとモンスターだけでなく同じ攻略者にも気を使わないといけない。


ただの噂ならいいのだけれど、なんかの嫌な予感がするから離れておこう・・・。

触らぬ神にはなんとやらなので、そっと目をそらしその場を後にした。


さてと、飲み物を追加で買ったので席に戻ると、

元の席でいまだ盛り上がっているマサに辟易しつつ、叩かれないようにヒカルの横に座った。


さらに小一時間ほどマサの話を聞いいていたが、ようやくマサの話もようやく終わり、

満足したようなので、三人して休憩所を離れ各々家へと帰る・・。



自分のアパートに戻るとシャワーを浴び、崩れるようにベットに横になった。

俺のような新人はまだまだ稼ぎが少ないので、ダンジョン近くのアパートやホテルに宿泊することができない。

そもそも引っ越し費用もかかるしな・・・。


そんな将来とお金の心配をしながら、疲れとアルコールによって自然と眠りに落ちていった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る