第二階層 リーマンと攻略者
なぜ、俺が今ダンジョン攻略者をしているかと言うと・・・。
不景気のあおりを受け俺の会社でも残業はもちろん、出勤日も減った。
そのせいで元々少ない給料も激減しているので、毎月のやりくりが厳しい。
休日が増えたのは好ましい限りだ。休日が増えたので自炊する機会も増えた。
ただ、俺は無趣味だったのでその休日を趣味などに使うこともできず毎日だらだらと怠惰をむさぼっていた。
お金も無いので出かけれない、家で動画観てゴロゴロする。
ネット小説を見てゴロゴロする。
大抵ゴロゴロして一日が終わっていた。
そんな怠惰な生活から一転して、ダンジョンの適正がわかり物は試しと研修を受ける事になり今にいたる。
「研修番号33番の方、帰還を確認いたしました。魔石の確認と換金作業に移りますがよろしいでしょうか?」
「はい、よろしくお願いします。」
魔石の入った小袋をカウンターに置く。
その袋を受付の担当者が受け取りトレーに乗せて重さを測る。
その重さに対してお金が支払われるといった流れだ。
通常なら魔石の大きさ等も考慮されるが、
今俺が攻略しているダンジョンは研修用と呼ばれるダンジョンだ。
現在、日本で確認されているダンジョンの中で、
一番安全で出現するモンスターも一種類だけなので一律同じ魔石として扱われるのでグラム単位での換金となっている。
素人からでも分かりやすく、その場で測定と換金できるので待ち時間が短いので楽だ。
周りには複数カウンターがあるにも関わらず、結構な人数で賑わっている。
これでだけ人が多いのだから換金時間を出来る限り短くしたいのは攻略者だけではない。
魔石を現金に換金してもらえる場所は「|組合(ギルド)」と呼ばれている施設内にある
換金所と書かれているカウンターで行っている。
安直で分かりやすい名前だ。
組合の正式名称は、「日本迷宮管理組合」と言うらしいが・・・。
まあみんなそのまま「|組合(ギルド)」としか言わないので正式名称なんて座学を受けた時にしか聞いていないので、記憶から消えそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます