第2話 オタク君さぁ…

「おい、もう気は済んだか」

「まだだ!絶対こんなんじゃない!もうなんていうかこれ壊したら大爆発するみたいなさ!」

「大爆発か…俺の目に写っているのは壁にぶつかり続ける変な映像…ホログラムか…それしかないが?」

「わざわざ説明しなくていいよぉ…俺が一番この状況わかってるつーの…」

「もうここで時間を食わされる訳にも行かない」

「はいはーい」

俺は仕方なくギルヴァの後をついていくことにした。

それから5分くらい歩き続け

「ここが本基地だ」

「マジかよ…」

周りは砂かゴツゴツした岩しかないと言うのにそこはまるで機械の城のようなものが建っているのが見えた。

「さあここが『プレイヤー』の国

『Tokyo』だ」

そうきたか…って事はプレイヤー全員日本人の可能性が高くなってきたな…

「こりゃまた凄いなぁ」

門をくぐるとコンクリートの道に石で出来た建築物、そしてアンドロイドそして居酒屋

「なんでもあるな!なあ、俺もう腹減ったんだけど?飯おごってくれるんだよな?」

「まあ、焦るな直ぐに食べれる」

「やったぜ!」

そうして後ろに10分くらいついて行った

遊戯もありそうでホテルに飲食店に自動販売機があった。だけど人を誰も見ていない、

ついつい気になり話しかけることにした

「なあ、人っ子一人いなくないか?」

「そりゃあそうだ、今はゲームの『決勝』だ

みな観戦に行くか出場しているだろう」

「成る程な…って待ってくれ『決勝』っつたか?」

「言ったが何か問題でも?」

「ということは…それだけ人数いるってことだよな…その中で上位って何人くらいなんだ?」

「まあ詳しくはついてから話すが決勝に出れないと余裕はないな、準決勝ブロック5位くらいになればなんとか生きていけるんじゃないか?」

「生きていない人は?」

「予選、第2予選、準決勝、決勝という風になっていて準決勝にでれなければきつくて生活はカツカツだろうな」

「マジかよ…それってどのくらいの頻度でやるんだ?」

「年に4回だこの国では一年の始めのゲームを『HARU』そしてその次が『NATU』そして『AKI』最後が『FUYU』と言われている

それ以外にも小さな大会はあるがRSGといったらこれしかないだろう」

春夏秋冬かぁーこれ初心者に優しくねぇ!

しかも俺の特殊な能力はクソザコだしよぉ

「話していたら着いたぞ」

考え事をしていた重い頭をあげると見たことのあるよな無いような…

ってこれ東京スカイツリーじゃねぇか!?

「こ、これは凄いな、ハハ…」

「入った時とは違い反応が薄いな」

「もしかして俺の反応期待したりしてた?」

「急ぐぞ、私語は厳禁だ」

「はーいw」

と案内され予想通りエレベータに乗せられた

そして一番上まで着くと扉が開く

そこにあったのは

白い壁に貼られているアニメのポスター

ケースに入れられたフィギュア

棚にぎっしり詰まった同人誌に

カップラーメンなどのゴミが入った袋

一番上の階にあったのは

オタクの部屋だった?!

「はあ?」

「新たなプレイヤーをお連れしました」

するとゲーミングチェアに座っていた男が

クルッと椅子を回しこっちを向いた

「おー…見た感じ大学生って感じか、

いいな〜俺もう28だしさ〜アラサーって呼ばれちゃうよね〜」

そこにいたのは眼鏡をつけた痩せたサラリーマンのような男がいた

「どうも〜」

「よろしくねー、って連れてくるのはいいけどさー!ギルヴァ君タイミングってものがあるでしょ!!!」

「大変申し訳ありません」

うわぁ、このギルヴァが頭下げちゃったよ

コイツなにもんよ…

「でそこの君なんていうの?」

「神崎 潤一です」

「あ〜違う違う」

「え?」

「IDだよ、ABEXのID」

「は?」

「そんな え?とか は?とか怖いことしか言わないじゃん君!とにかく!ID教えて!」

「_Jun_ですけど」

「ほーい、もう試合始まっちゃうから急ぐね」

すると彼はパソコンをカタカタとタイピングをしている…

って地味にこの状況おかしくね?!

オタクの部屋にガタイのいい男一人

普通の男大学生が一人

そしてオタク一人

いやいやいや、ここ高度230mくらいだろ?

普通もっとなんかあるだろ!!

なんてことを考えていると彼が打ち終わった

「成る程ね…君『オリジナル』なんだ…

でもよりよってあのキャラとは…絶対

『デライヴィド』の方がマシだなハハッ!」

なに言ってるんだコイツなんか失礼なこと

言われてる気がする!!

「まあいいや、とうとう5人目のオリジナルだ

発表してもいいけど彼のためにもwww言わないでおくかwww」

「なにわろとんねん!!」

「いやーおっかしくってww…ふうこのまま

ギルヴァ案内してやりな、コイツなにも分かってなさそうだしww」

「了解しました」

そうして俺とギルヴァはエレベータに帰って行った



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