第4話 救出

 どこだ! どこにいるんだ! 返事をしてくれ!

 僕は心の中で叫びながら声の主を探す。

 すると、公園で遊んでいる子どもたちの声が聞こえてきた。

 いつもの僕なら、そんなもの雑音としか認識しない。

 だが、その時は違った。なぜなら、子どもたちが取り囲んでいた生き物が声の主だったからである。

 その猫が本当に声の主だったのかは分からない。だが、誰かに……何かに助けて求めているのは確かだ。

 僕は木の枝で声の主をいじめている子どもたちを押しのけ、何も言わずに声の主を抱きかかえた。

 子どもたちがギャーギャーと騒いでいたが僕は気にせず、声の主を僕が住んでいるアパートまで運んだ。

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