第3話 猫の鳴き声

 捨て猫がいそうな場所を探していると迷い猫の張り紙が掲示板にあった。

 が、僕はそれを無視した。

 飼い主がいる猫に興味はないからだ。

 僕が探しているのは、一人ぼっちの僕を癒してくれる猫だ。

 捨て猫かつ、まだ日が経っていない猫が望ましい。

 まあ、そんな都合よく見つかるわけ……。

「……ニャー」

 空耳だと思った。しかし、この鳴き声は猫ものだ。キツネやタヌキのものではない。

 これは……猫の鳴き声だ!!

 僕は近くにあった自動販売機の下やゴミ箱を見て回った。

 しかし、声の主はそこにはいなかった。

 いったいどこにいるのだろうか。

 あの時聞こえた鳴き声は幻聴だったのだろうか。

 いや、違う。そんなはずはない。

 僕は諦めずに声の主を再び探し始めた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る