第2話 夜の博物館

 IDEAの作戦室では今日も所狭しと並んだ大きな機械が星空のように明滅し、時折鳥の声のような高い音を鳴らす。イスカが率いるIDEAのメンバーたちはこの一見無骨な機械を使ってほんの些細な手がかりから知り得なかった事実を細やかに調べ上げることができるらしい。これまでIDAスクールで起きた事件に関わる中で、彼らがここで真実に迫っていく様子見てきたアルドはこの機械たちのことをそう理解していた。一度、IDEAのメンバーがこの機械を操る様子を眺めていたことがあるが、ピアノでも弾くように操作板を叩く軽やかな動きを目で追うだけで精一杯で、何をしているのかまでは到底把握できなかった。IDAスクールというのは末恐ろしい子供たちの集まる学校なのだということを改めて思い知る。


 「最近出回っている画像を解析したところ、どうやら2次元コードの一種だということがわかってね」

「なるほど……にじげんこーどか……」

「機械で読み取ると情報が取り出せる画像のことよ」

さらりと流れて行く説明を補足するようにフォランがアルドに耳打ちした。

要するにこの画像の見える部分に意味はなく、この画像が伝えようとしている真の内容を知るには正しく読み解かなければいけないということらしい。暗号のようなものかと思ったが、マイティが言うにはむしろ多くの人が素早く正確に情報を得るための便宜を図るものだったという。

「だいぶ劣化してしまって損傷もあったけれど、何とか一部の情報を取り出すことができた」

イスカの話によれば、取り出すことができたのは短い一文と不鮮明な画像一枚だったという。彼女が視線で合図を送ると部屋の中央の何もない場所に、まるで幕が中空に浮かんでいるかのような大きな画面が現れて分析の結果が映し出される。曰く、


 『800年目がやってきました。神の庭でお待ちしております。』


 「これだけか?」

あまりにあっさりとした文章に思わず思ったことがそのまま口に出てしまう。

「何だか招待状みたいだねー」

「ずいぶん素っ気ないけどね。じゃあこっちのは地図なのかな」

マイティのまどろんでいるような声音に肩をすくめてフォランは画面を指さした。文字と画像を見比べている彼女にイスカは大きくうなずくと、自ら機械を操作して画像の方を文字にかぶせるように拡大する。

「わたしもそうじゃないかと思っている。これは古い地図か航空写真のようなものじゃないかな。画面の上の方に大きな半島のような地形が見えるから、恐らくはプレートの上ではなくて地上のどこかだと思う」

「この画像は地上から送られてきているのか?」

未来の世界では地上の汚染が進んだことにより地上を離れ、プレートと呼ばれる宙に浮かぶ大陸に人類をはじめとする生物のほとんどが逃れて暮らしている。人間の活動の場は空に移り、もはや地上にはほとんど人が住めるような環境は残されていないと聞いたはずだが、そんな地上から誰かが天上の人々を招いているというのか。アルドの疑問に対しイスカがかぶりを振ると動きに合わせて彼女のプラチナブロンドがさらさらと揺れた。

「さすがに地上から、というわけではなさそうだね。記録を細かく分析して、端末間でのやり取りではない……つまり直接この画像を受信したらしい通信へと遡って行ったら、これを発信している場所にはおおよそ見当がついた」

画面には世界全体の地図と、その上を木の根のように入り組んだ線たちが走る映像が映し出されている。分析が進むにつれて画像のやり取りを表す枝分かれした線は何本かの主だった線にまとまっていき、やがて地図上の一点に集約する。

「どこどこ?」

フォランが冒険心を隠しきれない瞳を画面に向ける。地図が拡大されて建物のひとつひとつまでがみえるほど近付くと、すべての画像の上にかぶせて映し出されたそこは拍子抜けするほどよく場所だった。

「ここって……」

「マクミナル博物館……?」



 一行が浮遊街ニルヴァに着いた頃には、マクミナル博物館の開館時間はとうに終わってしまっていた。すっかり明かりは落ちて蔦に覆われた重厚な建物には出入りする人の影もなく静まり返っている。


 「どうやら発信源はこの博物館の中にあるようだね」

イスカは手元の携帯端末に表示された地図と博物館を交互に眺めている。

「だけど……閉まってるみたいだな。また明日出直すか」

ほとんど踵を返しかけたアルドだが、その腕を後ろからフォランが捕まえてそのまま博物館の方へ進んでいく。

「せっかくここまで来たんだから中に入れるかくらい試してみようよ!」

「無茶言うなよ! どう見たって閉まってるじゃないか!」

言い聞かせるようなアルドの言葉にフォランは納得していない様子だったが、彼女が何か反論するより先に口を開いたのはマイティだった。

「扉は開いてるみたいだよー」

「ええっ?!」

大きな扉に手をかければそれはあっさりと開いてしまう。警報が鳴るようなこともなく単純に開きっぱなしになっているらしい。

「不用心だな……」

「まだ誰かが残っているのかもしれないよー。職員さんとか」

扉の隙間から中の状況を伺うが博物館の中はやはり暗くひと気はない。マイティの言うように事務所などで仕事をしている人がいるのかもしれない。

「泥棒だったりして」と本気なのか冗談なのかフォランはやけに楽しげな口ぶりだが、それこそここからではそこまで確かめる術はない。

 半開きの扉の前で一同が博物館内を探っていたその時、アルドの足元から黒い影がするりと建物内に滑り込んだ。

「ヴァルヲ!」

アルドの呼び声に反応するように、暗がりに浮かび上がる緑色の瞳がちらりと振り返った。しかし黒い猫の姿はすぐに再び歩き出すとそのまま闇に溶け込んで消えてしまった。

「駄目だってヴァルヲ!」

「扉は開いていたようだけど館内のセキュリティシステムが作動している可能性もある。早めに連れ戻した方が良さそうだね」

「仕方ないな……」

博物館に誰がいるのかはともかく、とにかくヴァルヲを連れ戻さないといけない。姿の見えなくなった猫を追いかけるアルドに続いてIDAスクールの生徒たちはマクミナル博物館に足を踏み入れた。


 博物館には大きな石碑などの出土品から、過去の生物の再現ジオラマまで遥か昔の様子を今に伝える物が一定のルールに従って並べられている。展示品のそばに表示されるそれらの展示品が属する年代や場所を見て、自分たちが実際に見たものと重ねてイメージできるのは時間を自由に行き来するアルドたちだけに許された楽しみだが、今はそれを満喫している場合ではない。

「おーい、ヴァルヲ! 出てこい!」

声を張るのもためらわれる静寂にアルドの呼びかけが吸い込まれていく。ややあってからそれに応えるように長い猫の鳴き声がアルドに届いた。聞く限り、ヴァルヲは廊下のかなり先にいるらしい。

「いた!」

鳴き声を手がかりにマクミナル博物館の奥へ奥へと向かうとヴァルヲは前触れもなく姿を現した。廊下の真ん中でくつろいでいた彼は自分を探していた人がいるとはつゆほども思っていないのか、香箱座りしている様子はのんきにさえ見える。

「ダメだろ、勝手に入っちゃ」

駆け寄ってきたアルドに対し、にゃあと一声返事をして伸びをするヴァルヲをなでてやれば、もう探検には飽きたのかヴァルヲは廊下に寝転がった。

「まったく……」

そんな様子に呆れつつも思わず表情を緩めてしまう。そのとき、相変わらず携帯端末を片手にあたりを伺っていたイスカがアルドに呼びかけた。

「アルド、どうやら例の画像の発信源はこのあたりのようだよ」

そう言われて改めて見回すが、彼らの周囲には庭どころかあの画像と繋がりそうなものは何もない。そこは展示室のような華やかさのない白く無機質な廊下で、唯一目を引くものと言えば館内にあるいくつもの扉とは明らかに違う大きな扉だけだった。

「収蔵庫……?」

扉にはそう表示されていた。

「反応はこの中からのようだね」

イスカはあっさりと言うが、さすがにここには厳重に鍵がかけられているらしく、取っ手のない扉は押しても引いても開きそうにない。恐らく機械で施錠されているのだろう。


 そのとき、ふと扉の横に意識を向けると壁をくり抜くように作られた棚とそこに3つ並んだ箱が目に入った。金属でできた箱は片手に乗るほどの大きさで、いずれの箱にも文字が表示される画面が埋め込まれている。似たような画面は棚の下にもあり、それによれば、

「『3つの箱の中に 嘘つきがひとつ ニセモノがひとつ』……この箱のことか?」

「どうやら正しい箱を見つけ出せたらこの扉を開けられるようだね」

そういうことならば、と今度は箱の方に目を向けるが、その内容も一風変わっている。表示されているのは左の箱から順にこのような文章だった。


 『この中には鍵が入っている』

 『ホンモノの鍵はこの中』

 『ニセモノの鍵は1番左の箱の中にある』


「何これ……頭がこんがらがってきた」

「この文章のどれかひとつがウソで、ひとつにはニセモノの鍵が入ってるんだねー」

早くも投げ出したらしいフォランに対し、マイティはそれぞれの箱に表示された文章をじっくりと読んでいるが、彼の場合は何かを考えているようで気付くと寝ているのが常なので過度な期待は禁物だ。アルドはもう一度それぞれの箱の言葉を読み直し、そのうちの一つに手を伸ばした。

「よく分からないけど、この箱の中って言ってるからこれなんじゃないか?」

アルドは箱の中に鍵があると心底信じていたが、真ん中の箱のふたを開けると中には何も入っていなかった。どうやらこの箱に書かれたことがウソらしい。

「アルドは素直というか何と言うか……」

一連の行動を眺めていたイスカがくすくすとこらえきれない笑いをもらす。どうにもばつが悪いが、どうやら彼女はすでに正しい鍵の入った箱がわかっているようだった。


 しかし、その答えを聞く前に会話に割り込んでくる者があった。大きなひとつ目の機械たちが猛然とアルドたちの方へ飛んできたかと思うとあっと言う間に彼らを取り囲む。

「ふむ、どうやら間違えるとセキュリティが作動するようだね」

しかも、セキュリティドローンたちはアルドたちを捕まえて放り出すだけでは済まない攻撃的な気配を放っている。

「こっちの話を聞いてくれるわけじゃなさそうだし、やるしかないんじゃない?」

「くそ……気は進まないけどやるしかないか!」

じりじりと包囲の輪を狭めてくるドローンたちに押されるようにしてアルドたちは各々の武器を構えた。


 真っ先に仕掛けたのはフォランだった。槍の穂先を体の後ろに隠すようにして一気に相手との距離を縮めると、上下左右に揺れながら浮遊するドローンを的確に捉える。大きな琥珀色のレンズが砕けて床に落ちた。そのフォランの背後ではイスカが応戦している。はすに振り下ろした一撃をかわさせ生じた隙を逃さず、すぐに刃の向きを変えて斬り上げる。丸い機体から四方に突き出した角のようなパーツを失ったドローンはバランスを崩してしばしあらぬ方向を行ったり来たりした後に壁に激突して動きを止めた。

そうしている間にも応援を呼んでいるのか続々とセキュリティドローンたちが集まってくる。個別に相手をしていてもきりがないと判断したアルドは剣を水平に構えると敵との間合いを慎重に測る。数体のドローンがまとまって向かってきたその刹那、彼は足を大きく踏み込んで一閃、続けざまに交差する軌道でもう一撃を加えた。アルドの剣に散らされたドローンの後ろから次の一群が波のように遅れて押し寄せてくるが彼は慌てた様子を見せない。

 何かの栓が抜けるような軽い音が響いたのが早いか、アルドの目の前にさながら滝が逆流しているような水の柱が立ち上る。凄まじい勢いで噴き上がる水はドローンたちを呑み込みその水圧でもみくちゃにした後、中空をうねりながらマイティの杖の先に集まっていく。数瞬のうちに水は現れた時と同じくまるで夢だったかのように消えた。その場に残された機械はじじ、と何かが焦げ付くような音を立てた後、完全に沈黙した。

 「はー、びっくりしたねー」

杖を下ろしながら呑気すぎてあまり実感のこもっていない口調でマイティがつぶやく。

「まさかこんな仕掛けになっているなんてな……」

「適当に開けるとまた厄介なことになりそうだね」

「でも、ウソが書いてあるのはこの箱ってわかったから、後は簡単じゃないかなー」

結局は謎を解くしかないのか、と肩を落としたフォランをマイティが励ます。

「この手の問題は、それぞれに書いてあることがウソだと仮定して矛盾がないか確かめるのが解法の定石なんだけれど……結果オーライというやつだね」

朗らかに笑ったイスカは右端にあった箱を開けると中から小さなカードを取り出した。これが扉の鍵らしい。


 「君たち、何をしているんだね?!」

突然声をかけられ振り返ると、一人の男が恰幅の良い体を揺すりながら早足に近付いてくるところだった。

「マクミナル!」

「むむ、いかにも私はマクミナルだが……どこかで会ったことがあったかね?」

思わず名前を読んではっとした。アルドが知っているこの博物館の創設者、マクミナルはこの時代から800年前の人物なのだ。この人物にも創設者の面影はあるがこの時代のマクミナル一族とアルドには面識がない。打ち捨てられていたこの博物館を様々な経緯があってアルドが救ったことをマクミナル一族はいたく恩に着ているらしく、博物館の入り口にはアルドへの謝辞を彫ったプレートが掲げられている。自分がそのアルドだと知れば彼の協力を得られるのかもしれないが、信じてもらうのは難しそうだと思い直しやめておいた。

「えっと……オレたちはその……」

「なんと! セキュリティドローンが!」

言葉に詰まっている間にこの博物館の主はあたりの惨状を認識したらしくメガネのフレームを押し上げながら目を見開いた。彼はアルドの足もとに散乱するロボットの残骸を見て何があったのか大体察したようだが、意外にもそれを咎められることはなかった。

「収蔵庫のセキュリティが作動したから何かと思えば……しかし鍵は手に入れたようだね」

その口ぶりはどこか楽しんでいるようにも聞こえる。

「ああ、おかげさまで……だけど、鍵をしまっておくのに必要だったか? この仕掛け」

素朴な疑問に対してマクミナルの答えは過剰なまでの熱量を含んでいた。

「何を言う! 博物館の奥で鍵を守る謎に満ちた箱! 扉の向こうには悠久の時の中で眠る博物品の数々! 大いにロマンがあるじゃないかッ!」

志だけでなく気質というのも代々受け継がれるものなのだろうか。アルドが出会ったマクミナルもやはり情熱的でロマンチストで、そしてやや浮世離れした男だった。しかし数百年の時を隔ててもマクミナルはやはりマクミナルなのだと感慨に浸ろうとする心を現実的な考えが引き戻す。

「謎を解けば部外者が鍵を手に入れられちゃうのはダメじゃないか?!」

「実際に鍵を開けて中に入ろうとしていたわたしたちが言えることではないけどね」

順番に痛いところを突かれ、その場には沈黙だけが重たく漂うのだった。


 「……それで、こんな時間に何の用事だったんだね。見てのとおり今日はもう閉館だよ」

気を取り直して本題に戻ったマクミナルに事情を説明すると、彼も噂になっている画像のことは知っているようだった。無論、それが自分の博物館から発信されているなどとは思っていなかったようで、収蔵庫の中を調べたいという要望に二つ返事で了解してくれた。マクミナルもまた世間を騒がせているメッセージの謎を解き明かすことに魅せられたのか、それとも博物館に妙な噂が立つことを恐れたのか、その思うところはわからない。

苦労して手に入れたカードキーを使い開錠された扉の向こうには、無数の棚が並び大小の箱が積み上がっていた。以前、わけあって入ったマクミナル博物館の地下にある倉庫と比べると途方もなく広い部屋なのだろうが、物が多すぎて端までを見通せないのでその全体像は掴めない。展示室とは違いとにかくたくさんの物を詰め込まれ雑然としているためどこに何があるのか一目では見分けにくいが、IDEAのメンバーが割り出した発信源を示すマーカーは彼らを倉庫の奥へと導いていく。布がかぶせられた見たこともない生き物の剥製、棚に立てかけられた巨大な絵画、無造作に置かれた貴重そうな品々の間を縫いアルドたちは慎重に歩を進める。迷路のように収蔵庫内をしばらくさまよった後、細い通路を曲がった先のつきあたりに大きなガラスケースが据え付けられているのが目に入った。


 「あれは……」

意外なことに、アルドたちはそれに見覚えあった。銀色の躯体、人間の顔のあるあたりには割れてしまってほとんど残っていないが黒い仮面がはめ込まれている。

「ガリアード2世!」

大きく損傷し一部は崩れてしまっているが、それは間違いなく星の塔で出逢った合成人間、ガリアード2世だった。

「どうしてここに……?」

「これかい? これはすごいものでね、ご覧のとおり合成人間と非常によく似ているんだが、なんと2万年以上前……パルシファル朝時代の地上にあったと思われる建造物の跡から発掘されたものらしくてね」

ガラスケースに駆け寄ったアルドに続いてやってきたマクミナルは得意げに語り始める。

「もちろん当時にはこんなものを作る技術はないというのが現在の通説だ。いわゆるオーパーツというやつなのだよ! 古代の合成人間と通称される歴史上の大いなる謎として研究者たちの調査が今も続いているんだ」

調査のためになかなか展示できないのが残念なんだけどね、とマクミナルは難しい顔をしているが、価値あるものを所蔵している喜びを隠しきれない様子だ。

「どうやら例のメッセージは彼から発信されていたようだね。もう動いているようには見えないけれど、本体が停止しても発信だけは行える機能を残しているのかな」

様々な方向からガラスケースをのぞき込むとイスカは端末を操作し、IDEAの作戦室と何か連絡を取っているようだった。


 「ここからメッセージが発信されていたのはわかったけど、どうしてメッセージを送り続けているのかはわからないままだねー」

「結局、そのメッセージの意味もよく分からないままだしね……あれ?」

腕を腰に当て眉間にしわを寄せていたフォランがふと服のポケットから自分の端末を取り出す。どうやらちょうど同じタイミングで受信の通知が来たらしく、イスカやマイティも一斉に端末の画面をのぞき込んだ。

「みんなどうしたんだ?」

「うーんと、新しい画像が届いたみたいー」

手のひらの中の画面にはやはり不鮮明な画像が写っていた。これもどこかの風景のようで、広い場所に植物が茂っているらしいことと、何か四角い板状のものが画面の下端の際に写っていることをかろうじて見て取れる。庭園に見えないこともない、とアルドが率直に感想を述べるとイスカは納得したようだった。

「なるほど、神の庭という言葉と何か関係があるのかもしれないね」

しかし、これが神の庭だとしてもこの不鮮明な画像からではどこにあるのかはまったく見当がつきそうもない。

「この壊れた機械がガリアード2世なら、過去に戻って本人に聞いてみればいいんじゃない?」

ガラスケースを親指で差してフォランが提案する。マクミナルだけはきょとんとしているが、顔を見合わせた一同は大体同じことを考えていたようだった。

「そうだな。ガリアード2世が何か知っているかもしれない」

そうと決まれば、とアルドたちはマクミナルに礼を言い博物館を後にするとそのまま次元戦艦で2万年以上前の過去に向かった。

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