第41話 最終決戦3 神は悪に味方しました

一方、ノルディン軍も砦の前に一同集まっていた。

「者共、昨日はシャラザールなる男女に襲われはしたが、今日はその男女に対して天界よりゼウス様に来援頂いた」

マクシムは砦の屋上の中央にゼウスを迎え入れる。


一同呆然とそれを見ていた。

そして騒然とした。


「ゼウスって」

「神?」

「まさか、神様が現れるわけ無かろう」

「そうだよな」

兵士達が口々にささやきあう。



「皆の者。余がゼウスじゃ。此度は天界から追放した邪神が地界に悪さをしていると聞いての。それを退治しに来たのじゃ」

ゼウスが話した。



「えっ」

「と言うと本当に神」

「神様」

「神様が味方についたということは俺達の勝ちが決まった」

「やったぜ」

「ついにマーマレードを蹂躙できる」

「やりたい放題じゃ」


兵士達は歓喜に湧いた。


「ゼウス様は邪神のみに対処頂ける。その他の者を倒すのは貴様らというのを忘れるなよ」

マクシムが釘を指すのを忘れなかった。

しかし、敵はたかだか1個師団。3個師団で負けるわけはないとマクシムは高を括っていた。

「よし、全軍直ちに攻撃準備じゃ。1時間後に攻撃開始する」

マクシムは全軍に配置につかせた。マクシムは少ない敵から攻撃を開始するとは思ってもいなかった。


その瞬間雄叫びが聞こえてマーマレード軍が突撃してくるのが見えた。


「まさか、奴ら犬死しに来たのか」

マクシムは信じられなかった。


しかし、次の瞬間砦にシャラサールの斬撃が直撃、砦が弾け飛んでいた。

マクシムも弾き飛ばされ地面に叩きつけられていた。





ゼウスはその瞬間上空に浮かび上がり難を避ける。

「ふんっ男女め。敵わぬと見て先制攻撃か」

と言うやシャラザールに向けて雷撃を放つ。


シャラザールは障壁で防ぐと空に浮かび上がった。


「ほう、少しはやるようになったではないか」

ゼウスは余裕で応えていた。

「ではこれでどうだ」

ゼウスは雷を者ラザール目指して放った。

シャラザールは避ける。避けられた雷は森の中に突き刺さり、多くの木々を消滅させた。


その様子を天界では大画面にして天界の民に見せていた。

「さあ、皆様。全能神ゼウス様を応援しましょう」

前に立った役人が話す。


「ゼウス様。頑張れ」

「ゼウス様!」

「邪神のシャラザールをやっつけろ」

「男女に勝って下さい」

前の方で桜に雇われたヤクザっぽい男達が叫ぶ。


「ねえ、ママ、何で正義の味方のシャラザールが酷いこと言われているの」

「そうだよ。悪いのは悪代官だよ」

「あのゼウスとかいう人悪代官そっくり」

「しぃぃぃ」

思わず母親が子供達の口をふさぐ。


「そこ何かおっしゃいましたか」

役人達が寄ってきた。

「いえいえ、子供達の世迷い言ですわ」

母親が笑って誤魔化す。その手は子供達の口を塞いでいた。

「うーうー」

子供達が抗議の声を上げるが

「命が惜しかったら黙っていなさい」

子供にその父親が命じる。

仕方無しに子供達は黙った。



「ママ、何で嘘言わなければいけないの」

役人が去って行った後に子供が小声で言う。

「しぃぃぃ。大人の事情があるのよ」

「そう、静かしてるんだ」

「えええ!」

父と母の注意に子供は不満顔に意う。

正義の味方は絶対に負けないのに。

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