キャッチコピーとあらすじから、「どうせ面白いだろう」と思っていたら案の定面白かったです。
タカギといい、自称ミサといい、魂の殺人オバサンといい、トモヤといい──個性的且つ何だか中華料理店の床くらいぎとつく面々に、「成程確かにこんな街は煮るなり焼くなり暴風雨に晒すなりして早々に滅ぼしてしまった方が世の為かもしれない南無三」と思わされる一方、サイゼリアのラテン系のお姉さんだったり、話せば存外娘思いのお母さん(依然ストーンのパワーに囚われてはいますが)だったりと、「なんだこの街も案外悪くない」と滅亡計画を無期延期するくらいには話の通じる方もいらっしゃるわけで──。
思うに、主人公の繭に限らず今日も今日とて老若男女誰かしらは、この街を滅ぼす野心を内に秘めているのだけれど、他人のやさしさに触れるとか自撮りがイイ感じに撮れたとかなんやかんやあって考えを改め、風呂入って歯磨いてスマホ見ながら寝落ちするのでしょうし、運悪く考えを改められなかった人は颯爽道ゆく正義マンに組み伏せられお縄につくのでしょう。
だから、今日も足立区はブッ壊れない。
云うて、ここまで来たら(?)足立区滅亡の瞬間に立会いたいとも思います。いくら派手にブッ壊したところで、しぶとく気高く縁固く壊れないものとてあるでしょうて。
さあ、一緒に滅ぼす仲間を探しに行こう。