第12話 信じる事

12月24日。


クリスマスイブ



「智樹ーー、来ちゃ……」



ズキン


キスをしている男女の姿。


しかも上半身裸だ。




バサッ


智樹に渡すはずだったプレゼントを落とす私。


私は後ずさりすると走り去る。




「黙って来た……罰だ……。天罰がくらったんだ……」




私はサプライズして驚かそうとしたけど、私が驚くと共に衝撃な事が起きた。



私は次々と涙が溢れてくる。




「Tomoki .This is girl friend?」


「NO!She come contact」


「Yes?」




「………………」



「菜月……。Bud my home lock the door!」


「What!」



智樹は、飛び出す。



「菜月ーーっ!菜月ーーっ!」



私を捜す智樹。



私は公園にいた。


慣れない街を歩くなんて出来ない。


何かあった時、行く宛なんてないのだから ―――




「……智樹……嫌いになったのかな……?」




そこへ ――――



「……良かった……。菜月」



ビクッ


視線の先には智樹の姿があった。




「……智…樹……」




私は走り去ろうとした。



グイッと私の手を掴むと抱きしめる。



ドキッ ドンッ

胸は大きく跳ねるも、智樹を押し退けた。




「…菜…月……」


「…辞めてっ!信じてたのに……」


「待って!あれは誤解…」


「キスして上半身裸の姿なんて見て…誤解って良く言えるよね!?」


「本当なんだ!あれは撮影で」


「撮影?何?撮影って……分かんないよ!全然分かんないよっ!……私は……幼なじみの智樹しか知らない……あんな智樹知らないよっ!」



私は走り去った。



「菜月っ!待……待つんだ!待ちなよっ!」



グイッとすぐに腕を掴まれた。



「や、嫌っ!離、話してっ!」



キスをする智樹。



≪キスなんかで……誤魔化されるなんて嫌っ!≫

≪負けたくないっ!≫




ドンッ


何とか押し退け



バシーッ


智樹の頬を打った。




「…………」


「……ごめん……信じたいけど…出来ない…」



私は走り去った。



「…菜…月…。菜月ーーっ!」




―――×―――×―――×―――×



「…麻沙斗…」


「菜月?何?どうしたんだ?つーか国際電話なんて利用すんなよ!今頃ラブラブだろう?その報告をわざわざしなくても良いしっ!」


「…ぅの…」


「えっ?」


「違うの…智樹……女の人といて……上半身裸でキスしてて……」


「何かの間違いだろう?」


「この目で見たんだから!撮影って何?ねえ……。意味分かんないよ……」



「……お前…アイツの事、信じねーの?」


「えっ?」


「アイツが、そんな事するような奴と思うか?」


「だって……。信じたいけど…」


「信じられないってやつか……」



「………………」



「だったら勝手にしろ!」



電話を切る麻沙斗。




「……撮影って撮影だろう?つーか……分かってないって事は……智樹まだアイツに話してなかったのか?自分の事……あーーっ!もうっ!大事な事、話しとけよ!あの馬鹿っ!」



―――×―――×―――×―――×―――×



私は途方に暮れ街を歩く。



「どうしよう…何かあったら……日本人だし…英語分からないのに…」



そして、私は本屋に目が止まる。




「…本…屋……」



雑誌をパラパラ捲る。



「英語…ばっかり…写真しか…分かんないよ……」




「………………」




そして、一枚の写真に目が止まる。




【……charisma model Tomoki……】


「……智……樹……?」



私は本を購入し帰る事にした。




カチャ



「菜月…?」



バッと本を開き智樹に見せる。




「This is Tomoki?」


「…Yes I do……」



ドキン



「Your?」


「…You…bet…」



本を下げられ、キスをする智樹。



「その写真は正真正銘、俺だよ…菜月」



至近距離で言う智樹。



私は涙がこぼれ落ちた。



「…ごめん……智樹……。私……何も知らなくて……信じられないって……。傷つけてごめん……。大事な顔……打ってごめん……」



抱きしめる智樹。



「俺もごめん……話してなかったから誤解されるのも無理ないよ。自業自得だから。だけど…また……菜月…傷付けた…」



「私は良いから…私は……傷付くのは平気だから……」


「良くないよ…傷付いてばかりだと…俺達の絆に…溝出来るから」


「智樹……あっ!麻沙斗に連絡しなきゃ……智樹電話借りる……」



受話器を手に取ろうとした私の手を掴むとキスをし、唇が離れたかと思ったらすぐに唇を塞ぐと深いキスをした。



私は麻沙斗に連絡をする。




「麻沙斗?ごめん……心配してると思って……。て言うかモデルしてるなんて知らなかったんだけど!」


「俺は、智樹から聞いているって思ってたし、そうしたら今にも泣きそうな声で電話かけてくるから。でも、まあ仲直りしたなら良かった。じゃあな。メリークリスマス」



「うん。メリークリスマス」



私達は電話を切ると同時に、私の洋服が床に落ちた。




「えっ?智…」


うなじにキスをされた。



「麻沙斗に妬いた」

「えっ?智樹……」



振り返らせると、上半身裸の智樹に凝視出来ない



キスをされ、裸が触れ合う。


ドキン



フワリと毛布を頭から被せるようにすると、毛布の中で再びキスをされ、深いキスを何度もされる。



フワリと抱きかかえ、お姫様抱っこをすると優しくベットにおろすと私に股がり両手を軽く押える。




上から見下ろされる智樹の姿と上半身裸の智樹に私の胸はざわつきドキドキ加速していく。




「智…待って…私…」


「無理はしないよ……菜月に任せるから……。ただ…恥ずかしがらなくても良いから。俺達付き合っているんだし俺に菜月の全てを見せて欲しい」




ドキン


さらりと言いこなせる智樹に同級生とは思えない大人の余裕を見せてくる。


かああああ~っと体が熱くなる私。



再びキスをすると角度を何度も変えキスをする智樹。


時々、深いキスを交えながら ――――





「俺と一緒に大人になろう……菜月…1つになろう……」



「……智樹……」


「…俺も…正直…余裕そうに見えて全然余裕じゃないから…好きな子を目の前にして冷静でいられると思う?心臓が飛び出しそうな勢いなんだから……」



「…智樹…」



私は智樹の両頬に触れる。



「…菜月…」


「…智樹…1つになろう……二人で…頑張ろう……」



「菜月…。菜月が…俺よりも大人かも……」

「違うよ…」




ドキドキが止まらない


大好きな人の腕の中にいると


こんな気持ちになる?



































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