第4話 友飛と和佳菜
上谷菜月。15歳。
そして、4人の幼なじみがいる。
三沢 和佳菜。15歳。
天上 友飛。15歳。
森谷 麻沙斗。15歳。
土野 智樹。15歳。
智樹は、只今、海外に住んでいる幼なじみ。
麻沙斗とは、結構面識あるみたい。
私達3人とは面識なくはないけど、そこまで彼の事は良く知らないのが事実で、だけど、麻沙斗から智樹の現状を聞く日々だった。
「菜月ーー、友飛に告白したらOKの返事貰ったよーーっ!」
「そうかーー、良かったね!」
「うん!ゆっくりで良いならって」
「そうなんだね」
「うん!」
それから1ヶ月が過ぎ ―――― 5月
和佳菜と友飛は本当の恋人として付き合う事になった。
和佳菜から聞かされる自慢話。
幸せなら問題ない。
だけど、何処か羨ましいような気はするけど ――
そんなある日、私達女子が知らない所で男子の会話があっていた。
「友飛、お前、和佳菜と付き合ってるんだよな?」
と、麻沙斗は尋ねた。
「あ、うん」
「うまくやってる様子みたいだけど、どうも、お前の方が押され気味じゃねーか?」
「えっ?」
「お前、菜月の方が良いんじゃねぇの?」
「それは……。だけど、俺……中学の時に告白したらフラれたし……」
「えっ!?告白したの!?」
「したよ」
「マジか……。つーか、そんな事より和佳菜とは早く別れた方が良いと思うけど。和佳菜、幼なじみの俺が認める程、結構性格キツいし」
「……出来たら別れるけど……もう少し頑張ってみる」
「無理はするな」
「うん……」
そして、ある日。
「ねぇ、友飛。私の事、好き?」
「えっ?どうしたの?急に…好きだよ」
「嘘っ!」
「えっ!?」
「友飛、私の事、好きじゃないでしょう!?」
「…和佳菜…」
「友飛とは、15年付き合ってんだよっ!見てれば分かるよっ!」
「…………」
「中途半端な付き合いなんて辞めてよ!!私、馬鹿みたいじゃんっ!」
「……ごめん……」
「もう良いよっ!別れてあげるからっ!」
「………………」
バンドの練習場を抜け出す和佳菜とすれ違う私。
「あれ?和佳菜、どうしたの?練習…」
「そんな気分じゃないし!」
「えっ!?あっ!和佳菜っ!待って!」
グイッと和佳菜の腕を掴む。
「どうし…」
バッと振りほどく和佳菜。
「あんたには分かんないでしょう!?人を好きになった時の想いなんてっ!言ったって無駄だし話したって相談相手にならないよっ!」
そう言うと走り去った。
「あっ!和佳菜!」
ドンッと、こっちに向かっていた麻沙斗にぶつかる和佳菜の姿。
「ってー、あっ!おいっ!和佳菜っ!練習は?」
「そんな気分じゃないよ!二人共ウザイっ!」
「ウザイっ!…って……テメーは、そういう言い方ねぇだろうっ!?」
「放っておいてっ!」
「…………」
そんな中、私は友飛の元に行く。
「友飛」
「……菜月……」
「どうしたの?和佳菜と喧嘩……」
「和佳菜を……傷付けちゃって……」
「えっ?」
「和佳菜は、俺の事が好きなのに付き合ったのは良いけど…俺の想い…正直…中途半端だった…」
「…友飛…」
「…ごめん…菜月に話しても…」
私は友飛の両頬を優しく包み込むように触れる。
「…菜月…」
「…友飛…優しいから…」
そう言うと私は友飛を優しく抱きしめた。
私達の姿を見掛ける麻沙斗の姿があった。
「アイツは…聖母マリアだな…」
そして。
「お邪魔ですかぁ~?お二人さん」
私達は離れる。
「麻沙斗っ!!」
かなり驚いてるいる中、赤面の友飛。
「大丈夫だよ」と、私。
「えっ!?何で、菜月、そんなに平気なの!?」
「えっ?そういう友飛は、どうしてそんなに赤くなるの?」
「いや…あんな姿見られたら…」
「可愛い~友飛♪」
「一番、お子ちゃまは友飛だな」
「なっ…!何だよ!二人して!」
「そんな事より、今日は練習辞め辞め。撤収、撤収!ストレス発散しに行くぞ!」
私達は、バンドの練習を辞めカラオケに行き盛り上がった。
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