第5話 突然帰国の幼なじみ
ある日の事。
「あれ?智樹…何して…つーか、連絡無しに、テメーは突然すぎんだよ!」
「ごめん、ごめん」
「俺もあてになんねー時あんだぞ!」
「その時は、また、菜月ちゃんに開けて貰うから」
「あのなぁ~」
「駄目?」
「駄目じゃねーけど…ともかくあがりな」
相変わらず、突然の連絡なしの帰国。
「サンキュー」
ある日の休日、
「彼女何してんの?」
「すみません、ナンパなら他当たっ……えっ?」
断りながら、声のする方に目を向けると、そこには見覚えのあるイケメンがいた。
「あれ?…智樹…?」
「うん」
「どうして日本(こっち)にいるの?」
「菜月ちゃんに逢いたくなっちゃって」
ドキッ
「えっ!?」
「なんて。真に受ける所、可愛い♪」
私は智樹の両頬に触れる。
「そうやって私の事、からかうの辞めてくれる?」
「ごめん、ごめん、怒っちゃった?」
両頬から手を離す私。
「怒ってはいないけど」
「そう?菜月ちゃんが可愛いから、つい意地悪したくなっちゃって。あっ!これは本音だからね」
「はいはい」
「あっ!聞き流した。ねえ、そんな事よりも俺とデートしない?」
「えっ?私?」
「そう。都合悪い?」
「ううん、大丈夫だけど…私なんかで良いの?」
「いいよ」
私は智樹と出掛けた。
「ねえ、どうしたの急に」
「こっちに用事あって一時帰国」
「そうなんだ。一時帰国も色々大変じゃない?」
「そんな事ないよ。みんなに会えるし」
「そっか」
≪智樹…目立っているんだろうな…やけに注目≫
私は智樹を見つめる。
「どうかした?」
「あ、ううん。ただ…智樹…モテ系なんだろうなぁ~って」
「えっ?そうかな?そんな事ないと思うけど」
「そうかな?背高いし、イケメンだし。周囲の視線が痛いから」
「菜月が可愛いからじゃない?」
「また、そうやって!」
クスクス笑う智樹。
「いや、本当に可愛いと思うよ」
頭をポンポンと智樹。
ドキン
その時だ。
「Excuse me……」
と、外人が声を掛けてきた。
≪うわっ!外国人…≫
すると、智樹はペラペラと英語で話す。
ドキン
≪わぁ!智樹、凄い…カッコイイ…≫
そして外人さんが尋ねる場所を智樹は日本語で訳し私に尋ねる。
私は智樹に説明をし、外人さんに道案内をする。
「Thank You!」
「Your welcome!」
外国人は去っていく。
「す、凄い…」
「海外に暮らしてると話したり聞いたりの繰り返しだから嫌でも身に付いちゃうよ。でも最初は本当に大変だったよ。今は逆に日本語が分からなくなってるかも」
「そうか…」
私達は街をブラついた。
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