無理なダイエットは禁物です
「あんた最近元気ないみたいだけど、いったいどうしたのよ?」
大学食堂で見かけた友達に思わず声をかける。つい先月くらいまでは快活に話しかけてくれていた少しぽっちゃり目で愛嬌のある可愛らしい子なのだけれど、最近はいつもふさぎ込んでいた。
「最近ちょっと体型が気になってきたからダイエット頑張ってるんだけど、なんだかずっと体がしんどくて……」
ため息をつく彼女の目の前にあるお皿に乗っていたのは小さな冷奴が1つだけだった。
「ねえ、まさかと思うけど、お昼ご飯はその冷奴だけってことじゃないでしょうね?」
尋ねると、彼女は苦笑まじりに頷いた。
「まさか、朝晩もこんな感じの食生活してるんじゃないでしょうね?」
「朝は食べてないし、夜は食パン1切れだけ食べてるよ」
弱弱しく笑う彼女の辛そうな笑顔を見て、わたしは呆れてため息をついた。
「いい? そんな風にムリしてダイエットしたっていいことないからね。それに、ぽっちゃりしてるあなたは可愛らしいんだから、ダイエットなんてしなくても充分魅力的よ。もしどうしても痩せたいんなら、普通にご飯食べた上でもっと運動とかして痩せるようにしなさい! ほら、もうそんなダイエットはやめて、今日はわたしが奢るから好きなもの食べなさい!」
わたしの言葉を聞いて、彼女が弱弱しいながらも嬉しそうな笑みを浮かべた。
その後、日替わり定食をご飯大盛にして食べていた彼女はとても生き生きとしていた。
「もうご飯の量を極端に減らすなんて、無理なことしちゃだめよ?」
「うん! でも運動頑張る方向でダイエットは続けるね!」
運動なら健全だから良いかと思いわたしは頷いた。
「……で、運動頑張って毎日早朝からハーフマラソン走ってるからお昼ごろにはぐったりして元気がないってこと?」
「うん……」
彼女は大学食堂の机に体を突っ伏しながら頷いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます