乾燥対策
「冬場は空気が乾燥してよくないから、部屋の湿度を上げるための対策を練ったんだよ」
「乾燥対策って、加湿器でも買ったの?」
僕の質問に、友人がゆっくりと首を横に振った。
「加湿器ではどうしても限界がある。俺は徹底的に加湿をするために部屋を改造したんだよ」
「え、改造?……」
不穏なワードに心配しながらもその帰り道、僕は友人の部屋を見せてもらうことにした。
「えーっと、これは何?……」
友人の家に着き、僕は目の前の異様な光景の理由を困惑しながら尋ねる。
「ぶぉふぉぼぶぉぶぉ」
友人の口の動きに合わせて、ボコボコと気泡が水中を上がっていく。何かを伝えようとしているのだろうけど、部屋の中に設置されている巨大な水槽の中で酸素ボンベをしながら話す友人の言葉は残念ながら聞き取れなかった……。
「とりあえず、水中で生活することを加湿とは言わないんじゃないかな……」
それだけ伝えて僕は友人の家から出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます