ダンジョン攻略のキーパーソン

「なんてことはない。俺は新宿駅も東京駅も梅田駅も迷わずに行けるんだかな」


目の前のラフな格好をした男の言葉の意味をはじめ剣士はよくわからなかった。いや、厳密には今でも意味がわからなかったが、そんなことはどうでもいい。ついに到着したダンジョンの出口で剣士は男の瞳をじっと見つめて礼を言う。


「本当に助かった。おかげで迷わずに無事にクリアすることができたよ」

「礼なんていらねえよ。そんなことよりこの迷路クリアしたら飯奢ってくれるって本当なんだろうな?」

「食事はもちろんだし宿だって用意するさ。なんたって君のおかげで難攻不落のダンジョンをクリアできたんだからな」


今まで数多の人たちが迷い込んでしまったダンジョンに、この剣士も同じように迷い、力尽きかけていた。そこに突然やってきたこのラフな格好の男の道案内のおかげで無事にダンジョンを攻略できたのだから、お礼はたくさんしなければならないと剣士は思った。

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