ゴールを決めろ!

高校サッカーの県予選決勝戦の試合も終盤に差し掛かっていた。現在我が校は1-0で負けている。オフェンスの俺は絶対にゴールを決めなければならない場面である。それに加えて先週片思いしていた女子に告白したときに言われたのだ。「県予選のどこかでゴールを決めたら付き合ってあげるね」と。

何度もシュートのチャンスはあったものの、緊張のせいもあってなかなかゴールが決まらず、県予選決勝まで来てしまった。だから俺は今、二重の意味でゴールを決めなければならないのだ。


試合は残り3分を切っていた。そんなときに絶好のチャンスがやってくる。ゴール近くでパスを待っていた俺の元へとボールが回される。もう今しかない。パスを受けてすぐに無心で蹴り込んだボールは見事ゴールネットを揺らした。

ピーッと主審の笛が鳴る。

「オフサイド!」

無情にもゴールは無効となり、ボールは相手チームへと回った。

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