苦戦する勇者一行

「はあ、はあ……。ヤバいなもう俺のHPは15しか残っていない……」

「私も……、もう駄目だわ……。あとHPが7よ……」

勇者一行は強敵の前にすでに瀕死だった。もはや勇者もヒロインもすでに戦うための気力は残っていない。


「おい! お前らしっかりしろよ! こんなとこで倒れてる場合じゃねえだろ!」

そんな絶望に陥っている2人を鼓舞しているのがこのパーティーの中で一番弱い格闘家の男だった。日頃はお調子者キャラなのに、ピンチのときに味方を鼓舞する姿は頼もしかった。


「しかし格闘家よ、お前ももうHP1なんだろ? 本当はしんどいだろうに俺たちの為に自身も苦しいのに鼓舞してくれるなんて……!」

「ああ、俺のHPは残り1だ。だが元々最大HPも1だから普段と同じく元気なんだ!」

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