27.子供っぽくて意地っぱり
夕食の時、アルフレットはいろいろな話をしてくれる。
中には国内の政治や、諸外国との国際問題の話もある。でも、どれもすごくわかり易くて、おもしろい。
複雑な問題も、掘り下げていけば最後に残るのは、
最初に全体像と、
そして文句と非難を、まったく混じえない。
問題そのものは
改善行動を
うん。
そんなことは
この間、リーゼが変なことを言うもんだから、どうしても気になっちゃうんだよ。
あたしは料理長得意の、かたまり肉の煮込み料理を食べながら、
「あのさ……ギルベルタと友達になった時って、どんな感じだったの?」
「なるほど。さっきから気にしていたのは、それですか」
ばれてるよ。二人きりなんだもの、そりゃばれるわな。
「ごめんね。なんだか、
「構いませんよ。私のことをあれこれ気にして下さるのは、
またそんな、
ほんと、あたしなんて、
一人で
「私もギルベルタも、陸軍士官大学に進む前は、あなたと同じフェルネラント帝国高等学校の生徒だったのですよ。ギルベルタが一つ上級です」
「あれ……? ギルベルタって、今いくつなの?」
「31歳です。年齢では私の3歳上ですが、高等学校の入学直後に休学して、二年ほど海外を遊び歩いていたそうですよ」
「うわ、それ……普通なら戻るのきついよ。その頃から、ざっくりしていたんだね」
復学時に18歳、最上級生と
「御想像の通りですよ。私が入学した時には、学業成績もさることながら、とても女性にもてることで有名人になっていました」
「んん? 男子に、じゃないの?」
「あの容姿ですからね。それに、頭が良くて
子供っぽくて意地っぱり、か。アルフレットだって、今だにそういうところあるんだし、無理ないか。
「それじゃあ、アルフレットはどうして仲良くなれたの?」
「私も入学以来、同級、上級を問わず、大変女性にもてました。示し合わせたわけではありませんが、ちょくちょく相手がかぶったりしている内に、
「ああ、うん。ごめん。もういいや」
当時の教授陣は、頭を抱えっぱなしになったことだろう。他の男子だって、天災規模の巻き込まれ被害者だ。
あたしは、かたまり肉の残りを口に放り込みながら、顔も名前も知らない人達に同情した。
***************
とにかく授業の間は、静かに集中していられる。
自然科学と数学が、特に良い。アルフレットが話してくれるおかげで、最近は社会学と人文化学も、
同じように、あたしもジゼリエルに話してあげることを想定すると、なるほど、周辺情報は横に置いて、まずは全体像を
細かい部分は理解力に応じて、後からつけ足していけば良い。
イルマは相変わらず隣で、べたべたくっついてくるが、自分で言ったように
イルマはあたしより、基本構造を的確に
授業で少し
その能力を最大限に使って、できた時間で、あたしにくっついてくるのか。間違えてるぞ、使い方。
「ユーちゃんが、がんばってる私を、見直してくれてるー。最近、視線に愛を感じるよー」
「感覚神経の誤動作だよ」
調子に乗らせてなるものか。授業が終わって、昼休みになると、リーゼが昼食の包みを持って現れた。また、大量に持ってきたな。
「ユーディットさま、私、いろいろ挑戦しているんです。召し上がって下さい!」
「それは、ありがたいんだけど……じゃあ、これ、ほとんどお菓子なの?」
「
その本、少し考えものだぞ。
「すごーい! 教室でお茶会だー。明日から私も、いろいろ持ってくるねー」
言うだけ無駄だろうけど、いつか教授に見つかって、怒られるのが目に見えてるよ。あたしも一緒くたに。災難だよ、まったく。
「まあ、いいわ。ところで、今日はランベルスがいないのね。ようやく
「そんなことはないぞ。生徒自治委員会役員の、当然の責務と言ったはずだ」
「……いたんなら、早く言いなさいよ。安心して損したわ」
教室の入り口から、いつものえらそうな態度で、ランベルスが入ってきた。
その後ろに、誰だろう、少し長めの赤毛を遊ばせた、なんだか
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