19.まっすぐな背中を見せて堂々と
ばあちゃんは、早朝なのにちゃんと
厳しく鋭い
「なにをしているのですか? ユーディット」
「わかるでしょ、
立ち上がって胸を張りながら、少し違和感を覚える。なんだろう。
ばあちゃんが
そうだ、
「必要ありません。私が帰ります」
階段から、使用人の人達が降りて来た。荷物を持っている。
どういうこと?
呆然とするあたしに、また、じろりと厳しい目が向けられた。
「私はあなたに、婚約を
なげかわしい、と言わんばかりに
「私には到底、理解できませんが……女性の
「どうして……そんな……?」
「おかしなことを聞きますね。あなたが私の、
ちっとも優しくない声で言い捨てて、ばあちゃんはもう、あたしを
まっすぐな背中を見せて堂々と、でも靴音は静かに
あたしは、なにが起きたか信じられない気持ちで、手をすべらせたイルマが
***************
とにかくもう屋敷中、
元気なのは、ギルベルタとジゼリエルくらいだ。
ギルベルタはなにも言わなかったけれど、料理長の話では、
お互い、真逆以上に価値観が違うだろうに、どういうことなんだろう。あたしもいつか、お酒を飲むようになればわかるのかな。
アルフレットは、その日の昼に帰って来た。
考えていたよりずっと早い。アルフレットも、なんだか予定が変わったらしいです、とだけ言っていた。
まさか演習自体が、ばあちゃんの仕掛けだったんじゃないだろうな。ラングハイム公爵家の力を使えば、できないことじゃないからな。
アルフレットに少し遅れて、ウルリッヒも
帰ったら家族が誰もいなかったんだから、無理もない。雰囲気が、しゅんとしていた。やっぱり、わかり易いな。
遅めの昼食はアルフレットとあたし、イルマ、ウルリッヒ、ギルベルタ、ジゼリエルの、みんなで食べた。
昨日の
あたしも、お腹いっぱいに食べた。
昨日からのことを、たくさん話した。たくさん話して、たくさん笑った。
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