第4話「サルの欲望」

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「も...ちょ...ろ...け?」


 ようやく物心がついたであろう齢の女の子が、母に尋ねる。


「そうよ、森にはね。もちょろけがいるの」


「もちょろけって、なぁに?」


「ふふふ、頭に赤いお花がついてる森の妖精さんよ」


「よーせーさんって、なぁに?」


「あはは、はい、おやつよ」


 母は秘密の樹液を使った特製のマドレーヌを娘に差し出す。


「わーい!」


「おいしい?」


「もちょろけ、おいしい!」


「あら?これはもちょろけじゃ...いや、あながち間違いでもないかもね♪」


 切株の魔物は、この二人や村人たちに気づかれないように、窓からこの微笑ましい光景をこっそりと、そして満足げに覗いていた。


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 アルドたちは、突然村長の家付近に飛ばされたあと、村長の家で休息をとっていた。村長の仲間の一人であるコランが簡単な料理をふるまってくれた。


「すみませんね。村長はちょうどいま外出中で。直に帰ってくるはずですよ」


「最近までコランは料理もロクにできなかったってのに」


「やめてよ、ザイル。ホライの森でわずかに採れる山菜や東方からの輸入品があまりにおいしいものだから。つくらずにはいられないじゃない?」


 ここで、意外にも東方という言葉にグレースが反応を示す。


「あら?ここには東方の食材もあるの?なら、辰の国の辛い香辛料を使った料理などはない?」


「お団子ならばありますよ。あんこのやつですが」


「お団子ってなんですか?」


「食べてみますか?どうぞ」


「んーーなにこれぇ?甘くてもちもちでおいしい!」


「甘いものが好きなの?お子様ね?」


「甘いものは大人でも食べますぅ。ね?アルドさんも好きだよね、甘い物」


「え?」


「ねっ??」

「あっ、ああ、そうだな」

 

 やや強引なモナの態度に屈して、仕方なく肯定する。


「グレースは東方の料理が好きなのか?」


「好きというか。私の家系は花火師だって話したでしょ。幼いころ、東方に修行に出されるのが、家の慣習なのよ」


「ところで、もちょろけ殿は何も食べないのですか」


「まくまく!」

 

 そう言うと、もちょろけは器用に右手の一本の指(正確には右枝だろうか?)を立て、もう一つの指を握るポーズをとる。きっと、グッドサインのつもりなのだろう。


「うん、もちょろけは水を少しと日光を浴びればおなか一杯になるみたい。さっき、こっそりたくさん飲んだみたいだから」


「まく!」


「ふむ、例の泉ですか?伝承の泉とやらが本当に存在するとは、しかも、気が付けば村長の家の前に皆さんでいらっしゃっていたとは。不思議なこともあるものだなぁ」

 

 村人のザイルは信じられないといった口調で言った。


「そうなんだよ。全く原理がわからない...」


 

「————大変です!!」


 突然、村人の一人がものすごい形相で家に駆け込んできた。


「どうした?イリーナ?」


「村長が...村長が...奴らに連れ去られてしまいました」


「———何だって?」


「山菜を別々の場所で採っていたら...村長の叫び声がして...」


「どこに連れていかれたの?」


「おそらく、庁舎の方へ」


「————オレが助けに行く」

 

 アルドは村長救出に真っ先に名乗りを上げる。


「待ってください、アルドさん。私も同行します」


「いやでも、コラン。きっと、危険だぞ」


「いや、村人に案内を頼んだ方がいいわ。ぜひ、同行してもらえるかしら」


「だけど...」


「私は、庁舎に入る隠し通路を知っています。第一鉱窟から繋がっているんです」


「コラン、本当にそんな抜け道が…?」


「ええ。村長と秘密裏に調べていたのよ」


「わかった。案内をお願いできるか。でも、無辜の村人を危険にさらしたくない。危なくなったらすぐに逃げてくれ」


「優しいのね」


「やっぱ、アルドさんってば、筋金入り...」

「まく...まく...」


 結局、アルド、モナ、もちょろけ、グレース、コランの5人で村長の救出に向かうことになった。


————ホライ町庁舎 地下牢獄

 

 ここには、手足を鎖で縛られ、すでに体中あざだらけのマルコが牢につながれていた。


「どうだ、そろそろ渡す気になったか」


「———すみませんね。君に渡すものなどございません」


「減らず口を」


 そういうと、町長が殴りつける。


「…うぐっ。けほっ...」


「————村長!無事か?」


「ア...ルドさん...皆さん...、コランさんまで...」


「ええ...まだなんとか...」


「お前たち一体どこから湧いて出た?」


「ホライの怪奇現象よ!」


「くだらん...」


「お嬢さん、あなたくだらないそうよ」

「むぅ…」

「まくく」


「お前、なぜ村長にそんなことを」


「ん?いや何、こいつが夢幻の虹石を所持しているそうでね。どこに隠していたか聞いていたところなんだ」


「———夢幻の虹石だって!?本当か?」


「ええ、本当よ。私の報酬は夢幻の虹石だったから」


「そうだったのか。それを悪用すれば、本当に取り返しのつかないことになるぞ」


「勘違いするなよ?時の旅人アルド」


「え?」

 アルドは時の旅人と呼ばれたことに驚いた。

 すくなくとも、この男はアルドが異時層から来たことを知っているということだ。


「もともとこれは我々の所有物だ。しかし、盗まれたのさ。ある裏切者によってな」


「…」


「———そして、『獅子狩り』よ。ご苦労だった」


「———ふん、容易い依頼だったわ」


 グレースはそういうと、弓の引き、コランの背に矢を向けている。


「ええぇぇ!!グレースおばさん、何してるの?」


「おだまり、幼いお嬢さん。これは私の仕事の話よ」


「ごきんよう。裏切者...いまは...確かコランと名乗っているのだったか」


「…」


「———しかし、契約違反だな。『獅子狩り』よ」


「———!なんですって!?」


「我々が『サル部屋』でした依頼はこうだ。『裏切者の首を持って来い』とな」


「————だから、こうしてここまで連れてきたじゃない!」


「そう思うならば、いま矢で射殺すといい。そうすれば依頼達成だ」


「———くっ...」


 グレースの弓を引く手はわなわなと震えている。

 それを見て、アルドは安堵した。


「なるほど。『獅子狩り』といえど、人を殺めたことはないか」


「当たり前だ。グレースはハンターであって、暗殺者じゃない!」


「アルド...」


「———グレースおばさんのバカ!」


 隙を見て、モナはグレースに体当たりした。予想外の行動にアルドもグレースも驚きを隠せない。


「モナぁ?」


「何やってるの?村長さん助けに来たんでしょ??」


「私は...」


 モナの怒りは収まらない。町長に対して大声で怒鳴りつけた。


「村長さんから聞いたよ。昔は村のみんなで協力していたって!なのに、どうしてこんなことをするの!?」


「…」


「うん?少女よ。お前は、もしや異時層のホライの出身者か」


「だとしたら、なんなの?」


 モナは町長に対して全く物怖じしていない。


「そうか。ならば、‟フォックス”も詳細を突き止められなかったのも致し方ないか...」


「異時層のホライの少女よ、お前も勘違いをしているな」


「え?」


「ホライの欲望は、決して骸顔児の存在によって誘発されたものではない」


「———?」


「あれは人の思いを食って成長する。しかし、それだけだ。もともとない欲望を付け加えることなどできはしない」


 アルドは、町長の言った事実に対して異を唱える。


「そんなはずはない!オレは自分たちの時層のホライでの出来事を目撃しているんだぞ」


「——できることは、その人の思いによりよい夢を見せる力。いうならば、自らの願望をより具体的な形をもって想像することが出来るようになるのだ」


「——つまり、どういうことだ?」


 静観していたコランが、ようやく口を開く。


「例えば、アルドさん?あなたが人を救いたいと思っているとするでしょう。あなたが今できることは、せいぜい知り合いや道ですれ違った何人かの人を救うくらいのものよ。でもね。骸顔児の力を持ってすれば、一人救うヴィジョンなんて当たり前、それどころか100人、1000人、いや世界中を救うヴィジョンを見せてくれるわ」


「うわぁ...おせっかいもそこまでくるとうさんくさいかも...」


「モナ...聞こえてるぞ」


「———つまり、いまこの町の現状は皆が求めていた結果なのだよ」


「そんな...」

「まくく...」


「それは違う!」


 アルドは真っ向から否定する。


「いま、お前はみんなが求めた結果だと言った。ということは、もう虹石の力を使ったんじゃないのか?」


「ふん、それがどうした?」


「何だと?」


「アルド。我々は千人規模の町民を救ってきた。この事実は消えることはない。さらに開発を進め、これからもプリズマで得る富によってより多くの人間を豊かにしてみせる。“善人”のお前と何が違う」


「ふん、やり方は違えど本質的には同じね。善人も悪人も行きつくところは同じなのよ」


 グレースは諦観を含んだ口調で言った。


「何が共生よ。これが共生ではなくて何なのか。これも皆が生きるためにやっていたにすぎない。」


 しかし、アルドは、町長に対して一歩も引かない。


「———それなら、なんでこの町の人たちは、みんな楽しそうにしていないんだ!」


「…」


「少なくとも、オレの知ってるホライは、収穫祭でみんなが笑顔で踊ったり、歌ったりして、皆楽しそうにしていたぞ...」


「アルドさん...」

「まくく...」


「みんなの活力を奪う権利は...決してお前なんかにありはしない!」


「アルド...」

「…」


「詭弁を...」


「———どうせ、未来にはプリズマも枯渇するのだ」


「いま、我々が使い尽くして何が悪い!!!」


「————やっぱり、結局自分のためじゃないか」


「村長とこの町を返してもらうぞ!」


「...残念ながらこいつは虹石を渡す気はないらしい。正直、かつての同士を葬るのも心苦しい」


「———だから、計画を変更しよう」


 そのとき、天井から何かが落下してきた。


「ムギォォォ!!!」

「何だ?」


「人など所詮の皮を被った『サル』だ。そして、人の欲望を食った『サル』がお前たちの相手だ」


 それは、骸顔児の子供の顔を持つ、大型の『サル』の形をした魔物であった。


「我々もなど出さず穏便に事を済ませたかったが...」


「こいつらとを始末すれば気は変わるかな?」


「くっ...皆さん、私のことはいいです。逃げてください!」


「いまさら、引くわけないだろう!」

「わたしも戦います!もう迷わないんだから」

「まくまく!」


「幻視エコーほどの力はないとはいえ、人の欲を食って成長したもの。そう容易くはないぞ」


「———アルドさん、聞いてください。」

「コラン...?」


「アレは強い『金欲』を持つものを縛り付けます。戦えるのは、おそらくあなたとあの子たちだけでしょう。任せていいでしょうか?村長さんは私が救出を試みます」


「...何とかやってみる。そっちは任せていいんだな?」

「ええ」



「————いくぞ。ほれ、『欲望の呪縛』!」


「うぐぅ...」


「グレース!」

「グレースおばさん!」


 その原理はわからなかったが、何故かグレースだけは身動きが取れないようだ。


「おや?かかったのは、『獅子狩り』だけか。さすがに口だけではないか」


「もちょろけ、グレースおばさんをお願い!わたしはアルドを援護するわ」

「まきゅ!」


「いくぞー!」


「『連撃の拳』」


 アルドに対して、『サル』は拳のラッシュを叩き込む。アルドは両手でしっかりと剣を握りながら拳を受け流す。その隙に、モナが斧で一閃を叩き込む。


「やぁ!」

「よし、『ハヤブサ斬り』!」


『サル』に大きな傷跡が付き、黒い煙が上がっている。


「…やったか?」


「『再生の時』」


 すると、『サル』の傷が全て再生していく。


「くっ、『タヌキ』と違って操者がいるから、厄介だな」


「『時の検索 風の拳』」


「次は風の力を纏った拳か」


「それなら、『ボルケーノブレイド』!」


「『時の検索 水の拳』」


「なっ、今度は水か!?」

「まかせて、『ヘムズデール』!…うわぁぁ」


「モナっ!こいつ、拳を繰り出すごとに威力が上がっているのか?」


「そろそろ、拳はとめられんぞ。…『時の検索 土の拳』」


「まくーーー!」

 今度は、緑色の光を纏ったもちょろけが拳を受け流す。


「もちょろけ、すごい。何?その風の力!」


 しかし、その光はすぐに消え去り、もちょろけは全身の力が抜けてしまっているようだ。


「まきゅぅぅ...」


「———いまの光は?この魔物...まさか!?そういうことかぁ!?」


 町長は、何かに気づきニヤリとしながら、さらにアルドたちを追撃していく。


「『連撃の拳』」


 すでに、ものすごい威力となった連撃の拳を受け止められず、三人とも吹き飛ばされる。


「ぐああ」

「まきゅぅぅ」


「————これで終わりだ。『破滅の拳』!!」

「うっ、モナ...もちょろけ...」



「————くっ...全身を動かすことが出来ない...私だけどうして...意識も...遠のいていく...」


 遠くなる意識の中でグレースは過去の映像が走馬灯のように流れてきた。

 ああ、両親がいたころの私は何と幸せだったことか...。

 特に王女の誕生祭の時の夜の盛大な花火は特別だった...


——————

『———レース』

『聞いているのか、グレース』


『え?何?お父さん』


『花火は何のためにあるか、わかるかと聞いているんだ?』

『う~ん、夜のお空を奇麗にすること?』


『そうだな。でも、それだけじゃない』


『え?』


『まぁ、みていなさい』

 

 すると、ミグランス城の上空に空いっぱいの花火が咲き乱れる。


『すごい!きれい!!』


『ほら、そっちだけじゃない』


『え?』


『周りを見てみなさい。グレース』

 

 生まれたばかりの王女の姿を見に集まってきた民衆たちは、夜空に咲く花火を見てみんな嬉しそうな顔をしている。


『花火は夜空を輝かす。でもな、それだけじゃないんだ』


『真の花火は人の笑顔も輝かす』


『みろ、グレース。これが私たちの花火の最高傑作だ』

——————


———そう、私はお父さんのような真の花火師になりたかった。一人でずっと生きてきたことで、一番大切なことを忘れていた...


 グレースが気づいたときには、体が自由に動くようになっていた。


「———ふん、一人忘れていないかしら?」


「『飛遊星』!」


 グレースが放った矢は『サル』の顔にヒットし、アルドたちに放たれる爆撃は自分に向けられた。


「グギァァ!」


「————くっ、『獅子狩り』め、まだくたばっていなかったか!」


「いまよ、アルドぉ!」


「ああ、グレース」


「竜神斬!!」


「つづいて、とどめの『アングスティフォリア~』!!!」


「グギァァ」


 アルドとモナの連携で、『サル』は爆発し、塵になった。その塵の中には、小さい黒い宝石のようなものが見えた


「くっまさか、『サル』が破壊されるとは...」


「お前の負けだ!大人しく、町を開放するんだ」


「まだ、負けでは...ぐはっ」


 すると、突然白フードの男が町長を背後からナイフで刺した。


「お前さんの負けだ。町長殿」

「フォックス...おま...」


「ゴォオオオン!」


「また、急に『キツネ』か」


「アレを回収しろ、『キツネ』よ」


 白フードの男がそういうと、『キツネ』は『サル』の塵から黒い石を回収し、男のもとに駆け付ける。


「よぉし、よぉし。いいこだ。虹石もぉ、無事じゃ~ないかっ」


「————!」


 隙を見て、傷だらけの町長を救出したコランが男に気づく。


「みんな、まずいわ。その男を止めて!」


「え?」


「も~遅いんだなぁ、‟ラク~ンドッグぅ”」

 

 コランのことをラクーンドッグと呼ぶ白フードの男は、黒くなった虹石と思われる石を『キツネ』に食わせた。


「主に見捨てられ、お前は『絶望』し、オレは『虚無』に襲われた...」


「———しかし、ラク~ンドッグ。お前さんは村長殿から『希望』をみた」


「ここから先、主を失ったお前さんはオレに何を見せてくれるぅ?」


「なんてことを——」


「燃やせ、『キツネ』よ」


 あたり一帯が火の海に包まれた。


「まくーーーまくーーーまっ...」


 もちょろけが火に驚いているところを、「キツネ」に体当たりされ、その隙に白フードの男はもちょろけを連れ去ろうとする。


「こいつは頂いておく」


「この地下牢を封鎖するが...生き延びれるといいなぁ、ラク~ンドッグ」


「待ちなさい、フォックス!」


 もちょろけが連れ去られ、地下牢の抜け道を含めて、全て閉鎖された。


「まっ、どぉでもいいがな...」

 

 フォックスと呼ばれた男は、不敵に笑い地下牢を抜け出していく。


「————まずいわ、このままでは本当に死ぬわよ!」


「ごほっ、ごほっ。もちょろけぇ...」


「モナ、しっかり!」


「村長、自分で立てますか?」

「はい...なんとか」


「少し離れていてください...」


「え?」


 そういうと、コランはポケットから白い宝石のようなものを取り出して、つぶやいた。


「—『絶望』しないで、私...」


「——ホライの『希望』はまだ彼らに...」


「———お願い、応えてっ...!」


 すると、白い石は鈍く輝きだした。石が輝くのを確認し、コランは気を失った。


————

 一同は、気が付くと再び村長の家の前に転移していた。


「———え?また転移?ゆめ...?」

「よかった...ここに戻ってこれた...のか?」


 アルドとモナ、そしてグレースは気が抜け、そのまま気を失った。意識を保っているのは、満身創痍の村長ただ一人だけであった。


「皆さん...しっかり!すぐに人を呼んできます!!」



——————

  次に、コランが気が付くと、見慣れた天井が目に入った。


「————気が付きましたか、コランさん」


「村長さん。みんな、無事ですか?」


「グレースさんは、まだ眠っていますが無事です」


「しかし、彼だけは意識がないようです。」


 村長は、気を失っている町長をみてそういった。


「——そうでしょうね。どうするの?」


「聞きたいこともありますし、このまま看病しようかと思います」


「違うわ、私の話よ」


 聞きたいことをやっと聞けるというトーンでアルドはコランに尋ねた。


「...それについてだけど、コラン、聞きたいことがある」


「まず、村長家付近に飛ばしてくれたのはコランか?」


「私ではないわ。あなたたちが『タヌキ』から解放してくれた虹石の力よ...」


 そういうと、ポケットから白い石を取り出した。


「それが虹石ですか?イメージと違う...」


モナは、白い石を不思議そうに見つめる。


「これには、もう人の思いを吸い取る力はないわ」


「ホライには、たくさんの伝承があるでしょう?この土地には、昔四大精霊の眷属がいたの。眷属の力が森をつくり出し、プリズマの恵みと反応して、不思議な現象がたくさん起こったそうよ」


「この虹石と森の力が何らかのつながりがあるようなの。賭けだったけど、最初に転移の話を聞いたときに、虹石の力を使って森付近に転移できるとおもったの」


「じゃあ、やっぱり、コランが助けてくれたんだな。ありがとう」


「———聞きたいのはそれだけ?」


「コラン...お前が未来の人間だということはわかった。お前たちの目的は何だったんだ?」


「...そうね。全て話すつもりよ」






「————私とフォックスは、KMS社最年少執行役員レオ様の直轄部隊『獅子の使徒』。その一角を担うものよ」

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