百合の花 ー12ー

A(依已)

第1話

 わたしは店を出る前、雲海が見られるという山に行きたいと、紙に漢字をいくつかてきとうに並べて書いたものを、店員に見せた。

 店員は、なんとか理解をしてくれたのか、簡単な地図を描いて渡してくれた。行ってみることにした。

「シェシェグワンリン」

と店員はまたなにやら中国語でいい、わたしを送り出した。


 ざっくりと描かれた地図どおり、ひたすら歩いたが。が、本当にこの道で正しいのか、それとも店員が描いた地図がそもそも間違っているのか、行けども行けども、なかなか辿り着けずにいた。

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百合の花 ー12ー A(依已) @yuka-aei

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