第29話舞台の準備
時はあっという間に流れ、前期の終業式当日。
「今日の終業式の時間に作戦を実行する!」
「はい!」
松井と赤身屋は樹の顔を見て強くうなずいた。
「樹さんずっと気になってたんですけど、もし理事長が招待状を読んでも学校に来なかったらどうするんですか?」
「そんなことは絶対にない、なぜならあの人は立場が上の人から言われたことは絶対に守るんだ!」
「それが例え子供だろうと自分の将来の利益にするために」
しばらくすると生徒達が友達と雑談をしながら教室に入ってきた。
そして、樹たちはいつものように授業を受ける。
そしてしばらくして作戦の実行の時間になった。
「よし、そろそろ時間だ千鶴体育館に行くぞ!」
「はい、お兄様!」
樹達は階段を上がり、体育館へと向かった。
千鶴は樹に言われた作戦を思い出していた。
「いいか、みんな、念のためもう一度確認するぞまず俺と千鶴が体育館に入ってUSBをすり替えるという作戦だが!」
「この時、俺より先に千鶴が体育館に入ってくれ」
「そしたら多分先生達が中で終業式の準備をしてると思うから千鶴はその先生達の意識を俺から遠ざけてくれ」
「分かりましたやります!」
「えーと、まずは体育館の中に入って、お兄様から先生達の意識をそらす」
千鶴は繰り返すように小さい声で口に出しながら確認をした。
そして千鶴が体育館の扉を開けると、そこには2人の先生がいた。
「あの先生、申し訳ないんですがここでさっき遊んでいた時にハンカチを落としてしまったみたいで、探すのを手伝ってもらえませんか?」
千鶴はそういいながら樹にアイコンタクトをとる。
樹は足音と気配を殺し警戒しながら体育館の中に入った。
「えっと、さっきここら辺に落としたような」
千鶴は先生たちの視界に樹が入らないように誘導する。
樹は辺りを見渡してPCを探す。
PCは体育館の舞台の近くに置いてあったテーブルの上に置かれていた。
樹はバレないようにUSBを差し替えて体育館の外に出た。
「もしかしたら、他のとこで落としたのかもしれません手伝っていただいて申し訳ないのですが、他のとこも探してみます」
樹が千鶴に合図を送ると、千鶴はそう言って体育館の外に出た。
「お兄様USBは回収できましたか?」
「ありがとう、千鶴のおかげで無事に回収することができたよ」
「これで舞台の準備は整った」
樹はニヤリと笑いながらそういった。
そして、樹達はクラスに戻るため一階に降りると何やら周りがざわついていた。
前の方を見ると金次郎が歩いてきていた。
あっ、そうかあの人は学校創立以来1度も着てないから知らない生徒が多いのか。
樹は心の中でそう納得しながらクラスの中へと入っていった。
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