第27話メールアドレス
そして、次の日。
樹達がベルモンドの車を降りると門のところに赤身屋が立っていた。
その姿は誰かを待っているように見えた。
「おはようございます」
千鶴が赤身屋にそう声をかける。
「あ!おはよう」
「どうしたんだ、こんなところで?」
「あなた達を待っていたのよ」
「どうして?」
「そろそろ情報が集まったんじゃないかなと思って」
「はい、ある程度は集まりましたけど全て集まったかどうかは、分かりません」
「それならよかった話聞かせてくれる?」
赤身屋はそう言いながら樹達の隣りに並んで歩き始めた。
「はい!」
樹には千鶴の表情がいつもより生き生きしてるように見えた。
人の役に立つのが嬉しいのだろうか。
「とはいえ決定的な証拠はとってあるから、あとはどうやってその証拠を使って理事長の悪事を認めさせるかが重要だ」
「一応の証拠って?」
「ああ、録音したやつがあるんだけど、後で赤身屋のメールアドレス教えてくれるか、そしたら送れるから」
「わかった。後で教えるね」
そして樹達は自分の教室に入りいつも通り椅子を引き自分の席に座った。
そして先生が教室の扉を開けて、中に入ってきた。
「それじゃあ、早速朝のホームルームを始めるぞ」
先生がそういった後順番に出席を取っていった。
そして朝のホームルームが終わり。
樹達は3時間目の授業をいつものことながら流れ作業のように終わらせあっという間にお昼休みになり。
樹は当たり前のように屋上に向かった。
樹達にとって屋上でご飯を食べるのは日常と言っていいぐらいに浸透していた。
樹が屋上のドアを開けると、目の前には赤身屋が立っていた。
「きたはね」
「早速だけど、樹くんと千鶴さんのメールアドレス教えてくれる?」
「あたくしのもですか?」
「嫌なら全然いいんだけど一応念のために教えてもらおうかなと思って?」
「いや、それは全然構いませんよ」
「そうありがとう」
そして、樹達はお互いのメールを交換した。
千鶴はスマホのメールの画面をなぜかじっと見ていた。
「どうしたんだ千鶴」
「あ!いいえメールの画面にお兄様以外の名前があるのが少し新鮮だっただけです」
「そっか。じゃいつかもっともっと友達増やしてその電話帳から名前がはみ出るぐらいになるといいね」
「それはそれで大変そうな気がしますけどね」
千鶴は少し笑いながらそういった。
「あ!そうだ!樹くん決定的な証拠の動画、私に送って」
「あっ、そうだった」
(ピコンー!)
「今送ったけど、ここじゃ聞かないようにしてくれ、誰が聞いてるかわかんないからな」
「うん、わかった」
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