第26話招待状

「樹様千鶴様大丈夫ですか、何もされてませんか!」


樹達が駐車場に戻るとベルモンドが慌てながらそういった。


「ご安心くださいベルモンドさん何もされてませんから」


千鶴はベルモンドを落ち着かせるように笑顔でそう言った。


「ああ、千鶴の言う通り、俺も何もされてない」


「はぁ、それはよかったです」


ベルモンドは胸を、なで下ろしながらそういった。


「とりあえず、樹様千鶴様、どうぞお乗りください」


カルビンは車のドアを開けてそうい た。


そして、樹達は車に乗った。


「お兄様一体今回の目的は何だったんですか?」


「あの家にただ行きたかったというわけではないんですよね?」


「まぁ2割は本当にあの人がうちの高校の理事長をやってるかどうかの確認だったけどな」


「やってるかどうかって一緒にネットで確認したじゃないですか?」


「あんなのいくらでも偽造できる」


「だから、例えば半分の分け前をやるから俺の代わりに理事長の仕事をやってくれとか、あの人なら言いかねないからな」


「なるほど、さすがですね、お兄様!」


「では、残りの8割は?」


「招待状を置いてくるためだよ」


「招待状を置いたのって一体いつなんですか?」


「俺がソファーを立った時、こっそりテーブルの上に置いてきたんだよ」


樹はにやりと笑い、そういった。


「樹様千鶴様家に着きました」


カルマンはそういった後、車の扉を開けた。


「ありがとう」


「ありがとうございますカルマンさん」


樹達が家のドアを開けると。


「お帰りなさい!」

「お帰りなさい!」


玄関にロゼとカルマンの声が響く。


キッチンの方に行くと、2人は樹の言われた通り、夜ご飯を作っていた。


「あともう少しでご飯ができますから、座って待っててください」


「ああ、わかった」


樹と千鶴はそう言われて椅子に腰を下ろした。


しばらくするといつものことながら美味しそうなご飯がお椀から湯気を上げながら運ばれてきた。


「それじゃあ、食べましょうか」


みんなが席に座るとカルマンがそういった。


「いただきまーす」


みんながそう言ってご飯を食べ始めた。


「樹様今日は千鶴様と一緒に、何しに行ってたのですか?」


「こら!ロゼ喋るか食べるかどっちかにしなさい!」


カルマンがロゼにそういった。


「別にいいじゃん、お姉ちゃん」


「よくない!」


千鶴はその光景を見てクスリと笑う。


「何がおかしいんですか千鶴様!」


カルマンが千鶴に、そういった。


「ああ!すいません2人とも本当に仲がいいんだなぁと思って」


「どこがですか!」


互いが互いの顔を指差して、そういった。


「それで今日千鶴様とどこに行ってたんですか?」


ロゼが再びそう聞いた。


「まだ内緒だ」


「えーーー」


「多分ロゼがこれを知ってもどうしようもないことだと思うぞ」


「それなら私知らなくていいや」


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〖最後まで読んでいただき、ありがとうございました〗

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