第23話花の会

2日後。


樹達は珍しく学校に行く支度をして歩いて学校に向かっていた、


「樹さん千鶴さん、おはようございます!」


学校の門の前で後ろから元気よく声をかけてきたのは松井だった。


「今日は車で登校じゃないんですね」


松井はそう言って自然に千鶴の隣に立って歩いていた。


「ああ、たまには気分を変えてみようと思って」


そして、樹達は雑談をしながら教室へと向かった。


樹は自分の席に座り頬杖をつきながらまた理事長のことについて考えていた。


理事長の情報って殆ど噂話みたいなのばっかりだから、徹底的な証拠が一切ないんだよな。


とはいえ、俺と千鶴は理事長に目をつけられてると思うから、あんまり派手な行動はできないし。


考え事をしていると、誰かが右肩をトントンと叩いてきた。


樹が後ろの方に目を向けるとそこにはたくさんのプリントを持った松井が立っていた。


「すいません、樹さん代わりにこのプリントを届けてもらっていいですか?」


「僕こないだ職員室に行った時に忘れ物をしちゃったみたいで」


「わかった、えっと、このプリントは花の会に届ければいいんだよな?」


「はい、よろしくお願いします」


樹はプリントを受け取り、朝入ってきたもんの方へ向かった。


花の会とは一般的にいうと恵まれないことも達にお金を寄付する団体みたいなものだ。


それはそれとして、花の会の建物自体が、なんで学校の敷地外にあるのかよくわからない。


建物を建てる場所ならいくらでもあるのになんでわざわざ。



樹はそんなことを思いながら花の会に向かっていた。


「ここだな」


樹がドアに手をかけたその時中から話し声が聞こえてきた。


「いやー、今月も儲かりましたね」


樹はその言葉をはっきりとは聞き取れなかったが、怪しいと思い。


ズボンのポケットからスマートフォンを取り出して。


樹は自分の気配を殺しスマホの録音ボタンを押した。


俺が自分で作ったこのスマートフォンなら半径15メートルいないの音なら余裕で拾えるはずだ。


「まさか、ABのクラスの生徒達他のクラスより学費を多めに払ってることに疑問を抱かないんですかね」


「でもいいじゃないですか、そのお陰で私達がお金を山分けできてるんですから


樹は話が終わったタイミングを見計らいコンコンとドアを叩き中に入った。


「失礼しまーす松井くんの代わりに書類を届けに来ました」


「あっ!もしかして、今の話聞いてた!」


「いいえ、私は何も聞いていませんが?」


樹は最初から何も聞いていなかったかのように振る舞う。


「そう、それなら別にいいわ」


「ありがとう」


お母さん達はさっきと別人のように笑顔でそう言った。


樹はそう言われた後会釈をしながら出ていった。


ようやく尻尾をつかんだぞ!


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〖最後まで読んでいただき、ありがとうございました〗

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