第22話思い出の場所
次の日。
「千鶴今日せっかくの日曜日だからどこか遊びに行くか?」
「いいのですか、お兄様!」
千鶴は目を輝かせながら、そういった。
「ああ、最近赤身屋の情報収集に付き合わせたりしてたからな」
「たまには息抜きも必要だろう」
「ありがとうございます、お兄様」
千鶴は満面の笑みを浮かべながら、そういった。
「ベルモンド掃除しているところ悪いんだが、ちょっと車を出してくれないか?」
「どこかにお出かけですか?」
「久しぶりに2人でどこか遊びに行こうと思って」
「なるほど、そういうことでしたらこの私にお任せください」
そして樹達はベルモンドの車に乗った。
「お兄様あたくし何も考えずに遊びに行きたいっていっちゃいましたけど、どこに行くんですか?」
「思い出の場所だよ」
「ベルモンドそれじゃあ、出発してくれ」
「はい、分かりました」
30分後。
樹達が車を降りるとそこには大きなビルが立ち並んでいた。
千鶴が周りを見渡すと右も左もたくさんの人が歩いていた。
千鶴はその光景を見ていると、どこか懐かしい気分になった。
「千鶴がまだ小さかった時、お父さんとお母さんと俺達でここに遊びに来たことがあるんだぞ」
「ええ、とても懐かしい気がします」
「それじゃあ、久しぶりに色んなお店を見て回ろう」
「はい!」
それじゃあ、久しぶりに色んなお店を見て回ろう」
しばらく歩いていると千鶴は宝石店の前で足を止めてガラス越しに赤い小さな宝石がついたネックレスを見ていた。
「どうした千鶴?」
樹はそう言いながら後ろを振り返ると千鶴が宝石店の前で足を止めていることがわかった。
「これが欲しいのか?」
樹はそう言って千鶴と同じようにガラス越しに宝石を見た。
「いいえ、見ていただけなので大丈夫です、お兄様!」
千鶴は最初からその宝石に興味がなかったかのように振る舞う。
「遠慮しなくていいよ」
樹はそう言いながら、念のため値段を確認する。
値段は30万円ちょうどだった。
「これなら全然大丈夫だ、俺に任せておけ!」
樹はそういった後、堂々とお店の中へと入っていった。
「すいませんあの宝石買いたいんですけど?」
樹は赤い宝石の方を指で指しながら店員さんに分かるように、そういった。
「はい、少々お待ちください」
「こちらが商品になりますお間違いのないよう、中身を確認してください」
樹はそう言われてゆっくりと傷つかないように箱の蓋を開けた。
中に入っていたのは小さくてかわいらしい宝石がついたネックレスだった。
「そちらでお間違いありませんか?」
「はい」
樹は会計を済ませ、外にいる、千鶴の元へと向かった。
「千鶴俺からのプレゼントだ」
樹はそう言いながら千鶴の首にネックレスをかけた。
「お兄様ありがとうございます」
千鶴は幸せそうな笑顔でそういった。
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