第21話反社会勢力
樹は情報集めを一旦終えて千鶴とクラスに戻り合流した。
「千鶴どうだった?」
樹はそう言いながら自分の席の椅子に腰を下ろした。
千鶴が周りを見て生徒がまだ誰も戻ってきていないことを確認し。
樹の耳元に向かって小さい声でこう言った。
「これはあくまで噂でしかありませんが、理事長が反社会勢力的なことをしているかもしれません」
「でもなんでそんな噂が?」
「それは私にもまだ分かりませんが結構大きな噂になっていたので、何かきっかけがあったんだと思います」
「火のない所に煙は立たないっていうしな」
樹は腕を組みながら考えていた。
あの人がそんな危険なリスクを背負ってまで反社会勢力的なことをするとは思えない。
いや、でも逆に考えるとそのリスクを背負ってまでメリットがあることだとしたらあの人は迷わずやるだろう。
一体どのようなことをしてるんだ。
樹がそんなことを考えていると、どこからか小さな声が聞こえてきた。
「……さん」
「……にい……さん」
「お兄様!」
千鶴はそういいながら樹の肩を強く揺らした。
「大丈夫ですか?お兄様だいぶ難しい顔をされてましたけど?」
「悪い、少し考えすぎてたみたいだ」
「あとでその噂をしていた生徒に会いに行ってみよう」
「はい、分かりましたお兄様」
樹達がそんなことを話していると、教室の扉が開く音が聞こえてゆっくりと生徒達が自分の席に座った。
「これから物理の授業を始めるぞ教科書だせ」
先生がそう言うとクラスのみんなは自分の席にしまっておいた教科書を取り出した。
樹達は授業を終えて早足で噂を聞いた生徒の元へ向かった。
「あ!いました。あの子です!」
「ちょっと今時間あるかな?」
樹がそう言うとその男子生徒は自分の顔を指で指しながらこう言った。
「えっ僕ですか?」
「さっき千鶴に話した噂を俺にも教えてくれないか?」
樹は少し流し目で横にいる千鶴の方を見ながらそういった。
「分かりました。それじゃあ少し場所移動しましょうか」
「ああ、わかった」
樹達はそう言って男子生徒について言った。
男子生徒が連れてきたのは人が全くいなくて薄暗い旧校舎だった。
「よし、ここでなら喋っても大丈夫だな」
男子生徒はほっとした表情でそういった。
「千鶴さっきもここに連れてこられてたのか?」
樹が小さい声で千鶴にそう言った。
「はい、そうです」
「それじゃあ、噂話をしようか」
「その前に一つ質問していいかここの学校の理事長が反社会勢力に加担してるっていうのは誰が言い始めたんだ?」
「僕がこの前ゲーセンに向かってた時学校のホームページで見た理事長の顔と全く同じ人が大きい事務所的なところに入っていくのを見たんだ」
「でも、本人かどうかはわかんないから確認のしようがないんだけどね」
「なるほど教えてくれてありがとう」
樹は納得した表情でそういった。
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