20話憶測と推理
「千鶴いい情報は集まったか?」
こ
「まだこれといった情報はないです」
「お兄様の方は」
「とりあえずABクラスの学費だけ挙げられていたのが事実だということがわかった」
「そうですか、そろそろ授業が始まる時間ですし、クラスに戻りましょうお兄様」
「ああ、そうだな」
樹達はクラスに戻り、自分の席に座った。
樹達は授業を受けてわいたが頭の中で一つの疑問を感じていた。
よくよく考えてみたら、ABクラスの学費だけ高くなってることを知っている生徒を理事長が簡単にこのクラスに移動させるとは、思えない。
もとABクラスの生徒が僕の前行ったクラスの方では異常なほど学費搾り取られてましたけど、これってどういうことですか?
なんて言葉言われたらそれこそ学校にとってのイメージダウンだ。
ともかく、そのことについてもあとで松井くんに聞いておく必要がありそうだな。
そして樹は授業を終えて立ち上がり松井に声をかけた。
「今日また屋上でお昼ごはん一緒に食べないか?」
「はい、いいですよ」
樹達は屋上へと向かった。
「ふーう今日もここの風気持ちいいですね」
「そうだな」
樹達は地べたに腰を下ろしお昼ごはんを食べ始めた。
「本当の目的はなんなんですか?樹里さん」
「僕と一緒にお昼ごはんを食べたいからっていうのは、単なる建前ですよね」
「はぁ、そこまで分かってるんならしょうがない単刀直入に聞こう!」
樹は手に持っていた箸を止め松井の方を見てそういった。
「松井くんがABクラスカラうちのクラスに移動する前に校長先生か誰かから条件か何かを言い渡されなかったか?」
樹がそういうと松井は小さく唸り声を上げながら悩んだ表情で首を傾けた。
「分かりました。協力するって言っちゃいましたからね全部話しますよ」
「ただし、この情報は千鶴さん以外には絶対に言わないでくださいよ!」
「ああ、わかってる」
「僕達のクラスは競争が激しくみんな成績を上げてABクラスから抜け出そうとしていました」
「しかし、今は学費を払うことに追われている生徒の方が多くなってきました」
「お金持ちが通う学校なので、学費が高いことはみんなわかっているはずなのですがそれでも辞めようとする生徒が続出してきてるんです」
「そんな状態で、松井くん、よくABクラスから抜け出せたね」
「ずっと知らないふりを続けていたので」
「知らないふり?」
「今いるクラスよりお金を絞り取られてるってことをですよ」
「それで1人だいたいどの位の学費を払ってたんだ?」
「1億ぐらいです」
「それはいくらなんでもやりすぎだな」
「だから僕はそれがいやで死にものぐるいで勉強して、このクラスに来たんですよ」
「わかった、貴重な情報をありがとう」
「また何かあったら言ってください乗りかかった船ですから!」
「ありがとう、また何かあったら頼らせてもらうよ」
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